鶴見医師歯科医師会 医師らがトリアージ学ぶ 災害対策で初の勉強会
区内の医師、歯科医師らが災害時のトリアージについて学ぶ初めての勉強会が7月23日、鶴見医師歯科医師会館で行われた。災害時に限られた医療資源で適切な医療を提供するため、まずは医療者の理解を深め、区民への周知にも取り組んでいきたいとしている。
この勉強会は、鶴見医師歯科医師会が主催したもの。トリアージは、災害時など多数の傷病者が発生した際に緊急・重症度に応じて治療の優先順位を決めることで、地域の医療者もその必要性に迫られる可能性がある。
そこで医療者のトリアージへの理解を深めようと行われた同勉強会。当日は医師や歯科医師、薬剤師、看護師ら約50人が参加した。講師は救急救命士で数々の被災地医療支援に取り組んできた日本体育大学の鈴木健介教授が招かれ、トリアージの基礎から解説。呼吸回数や意識の有無等によって30秒以内に緊急・重症度を判断する方法、トリアージタッグの記載方法や赤・黄・緑・黒色のもぎり方などを学んだ。
また、実技として2人1組で呼吸回数を数える訓練なども行い、災害時で混乱している状況も想定した計測の難しさなども体験。鈴木氏は「判断が難しい場合は悪い方を選び、次のトリアージでより正確な判断ができるように。多くの重傷者を見るために即座の対応が重要」などとアドバイスした。
今回の会場となった医師歯科医師会館は、区との防災協定で大規模災害時に帰宅困難者の受け入れ施設にもなっている。(一社)鶴見医師歯科医師会の川名明徳代表理事は「大規模災害時にはここだけでなく、区内各地でトリアージが必要になる可能性がある。まずは私たち地域の医療者が知識を高め、適切な医療につなげられるよう今後も勉強を重ねていきたい。また、迅速にトリアージを進めるためには住民の理解も大切。他区では地域防災拠点で住民と一緒に訓練を行っているところもある。鶴見区でも行政と連携し、どのように住民への理解を広げていくか検討していきたい」と話した。