2人の現代作家の作品でアール・デコの装飾空間を照らし出す「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」が、11月30日~2025年2月16日に『東京都庭園美術館』で開催
現代美術の第一線で活躍を続ける作家、青木野枝と三嶋りつ惠。2人の作品を各所に配置し、新たな視点でアール・デコの装飾空間を照らし出す企画「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」が、11月30日(土)~2025年2月16日(日)、東京都港区の『東京都庭園美術館』で開催される。
“鉄”と“ガラス”を用いた作品との出合いから、新たな“光”が生み出される
鉄を用いて空間に線を描くような彫刻で表現する青木野枝氏と、ガラス作品を通して場のエネルギーをすくい取り、光に変換してきた三嶋りつ惠氏。
会場である旧朝香宮邸を彩る装飾として、シャンデリアやレリーフ、扉上のタンパンなどにも多用されている素材、“鉄”と“ガラス”。これらの素材を作品に用いる2人の作家が何度も会場に足を運び、1930年代の装飾空間との対話を重ね、一期一会の展示プランを作り上げたのが本展だ。
ともに創作に火を用い、炎によって、素材に生命を吹き込んできた青木氏と三嶋氏。作品と空間との出合いから生み出される新たな光が、見る者に気づきをもたらしてくれそうだ。
本展のための新作や収録インタビューにも注目
光に対して特別な思いを抱いてきた2人が、本展にあわせて制作した新作を公開する。今回のために収録されたインタビューや、作家自身が撮影した写真イメージ、制作工程が分かる映像や資料も併せて紹介。出来上がった作品とともにその工程を追体験できる構成となっている。
同じ時代に生きる2人の作家が今何を思い、何を見つめているのか。2人の日々の眼差しを通して、創作の息吹を感じてみたい。
作品との出合いを深め、対話をつむぎだす関連プログラムも
12月22日(日)に作品を見て光についてゆっくり考えるための「哲学対話」、1月23日(木)・2月6日(木)に展覧会スタッフが作品の魅力を語るギャラリートーク、2月1日(土)に作品の一部に触れて楽しむ「さわ会—さわっておしゃべり鑑賞会」が開催される。また2月15日(土)には、青木野枝氏と三嶋りつ惠氏が展覧会の自作について語るアーティストトークを開催。光と場をめぐる多彩な対話のプログラムに参加できる機会となりそうだ。詳細は公式HPにて確認を。
開催概要
「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」
開催期間:2024年11月30日(土)~2025年2月16日(日)
開催時間:10:00~18:00(11月30日〈土〉、12月6日〈金〉・7日〈土〉は秋の夜間開館のため~20:00。入館は閉館30分前まで)
休館日:月(1月13日を除く)・12月28日(土)~1月4日(土)・1月14日(火)
会場:東京都庭園美術館(東京都港区白金台5-21-9)
アクセス:JR・私鉄・地下鉄目黒駅から徒歩7分。地下鉄南北線・三田線白金台駅から徒歩6分
入場料:一般1400円、大学生・専門学校生1120円、中学生・高校生・65歳以上700円
※小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料。障害者手帳をお持ちの方とその介護者2名は無料。第3水曜日は65歳以上無料。
※オンラインによる事前予約制 https://www.e-tix.jp/teien-art-museum/wonderment.html
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏ 050-5541-8600
公式HP https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/240914-1110_lookingatarchitecture/
取材・文=前田真紀 画像提供=東京都庭園美術館
前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。