池子の森運動で絆強く 元市議松本さん語る
逗子市の池子米軍住宅建設にまつわる1982年から始まった反対運動の記録をまとめた資料集「戦後日本住民運動資料集成13『逗子市池子米軍住宅建設反対運動資料』」の第2弾が完成し2月24日、逗子市に寄贈された。
当日、贈呈式に合わせ「池子」について語り合い交流を深めるイベント「池子の森の深い〜い話」も開催され、74年から4期16年間、市議会議員を務めた松本みどりさんが、当時の市民運動を振り返った。
松本さんが議員になる直前に市は「青い海とみどり豊かな平和都市」という都市宣言をした。松本さんは「平和があってこそ青い海と豊かな緑は維持できるんだ」という思いが、池子の森を守る運動を行う上での支えになったと振り返った。一方で、「今の時代の方が『戦争』が近くなっていて『平和都市』が必要だと思う」とも語った。逗子を二分したといわれる池子の問題については「賛成にしろ反対にしろ、多くの市民が関わり、市政についての関心が高くなった。問題を通して人と人が近しくなった。運動そのものは成功したとは言えないが、いろいろ市民に与えた影響は大きかったと思う」と総括した。
自然守った反対運動
講演後には参加者同士が席替えをしながら対話をするワールドカフェを実施。「長期にわたる反対運動があったことで池子の森に自然が手つかずで残った」「弾薬庫が置かれた戦争の歴史を伝える平和教育の場としての活用を」といった意見が出された。