過疎地医療の解決策?!日本の約20倍もある広大な国、オーストラリアで活躍する空飛ぶ医者/フライングドクターとは?【図解 地理と経済の話】
過疎地医療の解決策?空飛ぶ医者・フライングドクターって?【図解 地理と経済の話】
飛行機なら救急車より速い
オーストラリアの面積は769万㎢。日本の約20倍もある広大な国ですが、人口は約2660万人(2024年)と日本の4分の1に過ぎません。人口密度にすると、1㎢あたりわずか3人。なんと日本の100分の1です。シドニーやメルボルンなどの都市部を除けば、必然的に人口過疎地帯となってしまいます。隣の家まで数キロというのもよくある話で、見渡せば視界の端まで草原や砂漠が続くシチュエーションも珍しくありません。
ゴミゴミしていなくてよいといえばそのとおりですが、このような広大な過疎地帯に住むときにはデメリットもあります。買い物をしたり医療を受けたりするのに不便なのです。買い物は定期的に遠出して買いだめしておけばよいのですが、急な病気や体調不良が生じたとき、簡単に医療が受けられないのは不便なうえにリスキーです。そこでフライングドクターというサービスが誕生しました。
運営するのはロイヤル・フライング・ドクター・サービス(RFDS)という非営利法人。地方都市や内陸部、島しょ地域など、医療の行き届かない場所を航空機を活用してフォローする緊急医療サービスです。RFDSでは緊急医療のほか、巡回検診や電話・無線によるリモート診察も行っています。
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主なサービス内容
医師、看護師、パイロットが24時間体制で待機。医療の不足した内陸や遠隔地の現場に飛行機で向かい、さまざまなサービスを行う。
緊急医療サービス:医療の行き届かない土地からの救急依頼に応じ、患者の応急処置と搬送を行う。
定期診察:定期的に遠隔地を訪問し、健康診断や小児医療、歯科、眼科などの診察を行う。
リモート診察:電話や無線を通じて、遠隔地の人々の健康相談に応じる。
病院間の搬送:必要に応じて病院から別の病院へ患者の搬送を行う。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』