【タチウオ】釣具がなくても楽しめる!? 初心者でも安心!「テンビンタチウオ釣り」
日頃、堤防そのほかのオカッパリをメインに釣りをするなかで、「沖に出ればもっと大物が…、もっとたくさん釣れるのになぁ」なんて思ったことはありませんか? 釣り人として「もっと釣りたい」欲が生まれるのは必然です。とはいえ、船に乗るには道具や釣り方、そもそも船の乗り方さえも分からず、少々ハードルが高いのも事実。そんなモヤモヤを抱えつつ次のステップアップを夢見るアングラーに向けて、経験豊富なHEATライター陣が優しく指南してくれる当「船釣りのはじめ方」企画。
第11回目の今回は、HAZEKINGさんが人気のターゲット「タチウオ釣り」について、テンビン仕掛での釣りを解説してくれます。
タチウオ釣りにおいて、電動リールを使用して水深100mから釣り上げる高揚感は船釣りならではの魅力です。その一方で、タックル一式(電動)をそろえようとすると10万円超えということも…。かなり高価なのでハードルが高いと感じる方も多いかと思います…。
しかし、安価に手軽にタチウオ釣りを楽しめるレンタルタックルのサービスも昨今は充実。レンタルタックルを活用した楽しみ方についても丁寧に解説してくれていますよ。
タチウオ釣りとはどんな釣り?
タチウオを釣る方法はテンヤ釣りやルアー釣りなどさまざまですが、初心者の方にはテンビン仕掛を使った釣りをおススメします。「テンビン仕掛」とは、道糸に連結したテンビンにオモリとハリを付けて釣る仕掛です。エサはおもにサバやサンマなどの切り身をハリに通して使います。
タチウオが釣れる水深は幅が広く、一般的に30mから100 mほどですが、ポイントによってはさらに深いところもあります。
伊良湖周辺の遊漁船ではオモリの指定は80号程度…。かなりの重量感です。手巻きリールで1日に何10回も水深100mから巻き上げる作業を繰り返すと、翌日は筋肉痛です(笑)。そんな悩みを解決してくれるのが電動リール。自動で巻き上げをしてくれるので、重いオモリを使用するタチウオ釣りではおススメの釣具です。
電動リールがあれば深い水深でも快適
それと、タチウオ釣りで注意しなければならないのがタチウオの鋭い歯です。もはや牙といっても過言ではありません。素手で触ろうとすると指を噛まれてケガする危険もあるので、取り扱いには十分に注意が必要です。釣り上げた際はフィッシュグリップで安全につかむといいでしょう。
テンビンタチウオ釣りの準備!釣具はレンタルできる!?
最近は多くの遊漁船で、魚種に合わせてさまざまなレンタル用品が準備されています
それでは、テンビン仕掛を使ったタチウオ釣りの準備について見ていきましょう。
まずは釣行日を決め、遊漁船を予約
タチウオをねらう場合、釣法はテンビン仕掛やテンヤ、ルアーなどさまざまです。遊漁船によっては「テンビン仕掛」のみ可能なプランなど仕掛に指定があるので、目的の釣法に合わせた船のプランを選びましょう。同じ船で違う釣り方をすると糸がらみの原因となります。
次に釣行日程を決め、遊漁船を予約しましょう。WEBサイトから、もしくは電話で、魚種と希望の日程、必要なレンタル用品を伝えるなどし、予約を入れます。個人や少人数で行く場合は「乗合い」、大勢で行く場合は「貸し切り(仕立て)」にするとコスパよく楽しむことができます。あらかじめ同行者と相談しておくとよいでしょう。
釣り道具そのほかの準備
レンタルできる道具もある
近年、遊漁船のHPは充実しており、レンタルできる道具をチェックすることができます。もしレンタルが必要な場合は予約する前に調べておきましょう。HPがない場合は、直接電話で聞くこともできます。
また、最近では釣具のレンタルサービスを釣具店や通販でも扱っています。遊漁船でレンタルがない場合は利用するのも手です。
【タックル一式】
タチウオ釣りで使用するタックルには「手巻きリール」と「電動リール」の2種があります。水深が50mより浅い場合は、安価な手巻きリールでも問題なく快適に釣ることができます。
一方、さらに水深が深くなると仕掛の巻き上げがかなり大変…。自動で巻き上げてくれる電動リールが楽なのでおススメです。
また、電動リールには水深表示計(カウンター)が付いており、タチウオの群れがいる水深に仕掛を投入しやすくなります。操作性もよく、釣果が安定しやすいので初心者の方にはとくにおススメです。
【ライフジャケット】
遊漁船で釣りをする場合は、法律で定められたタイプAのライフジャケットが必要です。命を守る大切な安全対策なので、持っていない場合はレンタルしましょう。
エサや仕掛などをそろえよう
タチウオのテンビン釣りで必要な道具は仕掛のほか、テンビン・オモリ・ハリの3種類とエサです。ポイントの水深に合わせたオモリの号数やハリの本数などが遊漁船で指定されているので、準備する前に確認しておきましょう。
ただし、仕掛がプラン料金に含まれる場合や、遊漁船によっては船内販売がある場合もあるので、準備に不安がある方は船内での購入が確実です。
【エサ】(船内販売、レンタルに含まれる場合もある)
テンビン釣りで使用するエサは魚の切り身です。釣具店にはテンビンタチウオ専用のエサが販売されているので購入しておくと、船内で買い足す手間が省けます。コストを抑えたい場合は、スーパーなどで販売されているサバなどを短冊状に切って自作することもできますよ。
【仕掛】(船内販売、レンタルに含まれる場合もある)
船天秤 スムースアーム(ハヤブサ)
●テンビン
タチウオ釣りは水深が深いので、テンビンは感度のよい、脚がL字型のストレートタイプが一般的です。糸絡み防止のため、脚の長さは20cmから50cmのものを選ぶといいでしょう。
遊漁船の指定号数を事前に確認しましょう。目玉集魚シンカー 舵型(ハヤブサ)
●オモリ
オモリはテンビンのスナップを掛ける管が付いた管付オモリを選びましょう。号数は船から指定があるので注意が必要です。蛍光色など集魚効果のあるものを選ぶと、釣果が伸びやすくなるのでおススメですよ。
●ハリ(仕掛)
仕掛はタチウオテンビン専用のハリのものを選びましょう。1本バリと2本バリの2タイプありますが、初めての場合は1本バリが扱いやすくおススメです。ハリのサイズは魚の大きさで使い分けると釣果は伸びやすいので、サイズを3種類ほど用意しておけば幅広く対応できます。
あると便利な釣りアイテム
釣れたタチウオを美味しく食べるため、冷蔵保管できるクーラーボックスを持っていきましょう。タチウオはとても細長い魚なので、30L以上のサイズがあるとしっかり収納することができます。また、取り扱う際には歯が鋭くて危険なため、前述の通りフィッシュグリップがあると安全です。
出船前のステップ
受付でレンタル用品を借りる
まず現地に着いたら受付を済ませましょう。受付場所で会計を済ませてレンタル用品を借ります。もし購入するものがあれば、先に伝えておくと船内でスムーズに購入できます。
受け付けが済んだら、指定された釣り座に荷物を持ち込んで出船までに準備を整えておきましょう。
釣り座に着き、身の回りを整理整頓
乗船したら釣り座(釣る位置)に着きましょう。基本的には先着順ですが、船長の指示がある場合は必ず従いましょう。
次に荷物をまとめておきます。船の通路に荷物を置いてしまうと、あとから来る人の妨げになってしまうので、極力足元にまとめておきます。
釣具をセットしよう
釣り座に着き荷物をまとめたら、タックル一式に仕掛をセットし組んでおきましょう。船内にロッドホルダーがある場合、ここに竿を立てて利用すれば便利です。
手順としては、テンビンに道糸を結びオモリとハリ(仕掛)を付けます。もし、セット方法が分からなかったり、電動リールの扱いに不安がある場合は、集合時間より早く行って、船長に扱い方をレクチャーしてもらいましょう。
釣り方の手順
それでは実際に電動リールを使用したテンビン仕掛での釣り方をご紹介します。
まずはハリにエサをセット
エサの中心にハリを通します。ここで大切なポイントは切り身が真っすぐになること。曲がってしまうとタチウオがうまく捕食できずフッキングが難しくなります。海中で回転する場合はエサを付け直してください。
船長の合図で一斉に投入
ポイントに着いたら船長の合図で一斉に仕掛を投入します。電動リールのクラッチを切って糸を出しましょう。ただ、フォール中に勢いよく糸を出すと仕掛が潮に流されて糸絡みの原因となってしまいます。垂直に投入できるようスプールを親指で軽く押さえながら、落下速度を調整しつつ糸を出してください。
目的の水深に到達したらクラッチを戻して誘いを入れます。
指定された水深の最深部からゆっくり巻き上げよう
たとえば、「水深100m、タチウオの群れが水深70~50mにいます」というアナウンスが船長からあったとします。この場合、手元のカウンターで水深75mから水深45 mまでをゆっくりと巻き上げるといった具合です。電動リールの巻き上げレバーを少し傾けると低速でラインを巻き上げるので、これで誘います。
アタリがない場合は、途中で巻き上げを止めたり、巻き上げ速度に変化をつけるなど、いろいろと試してみてください。
竿が重くなったらフッキング
タチウオの前アタリ(ハリに食らいつく前のアタリ)は竿先が小さく振動する程度です。この際、タチウオはまだハリを飲み込んでいないので焦りは禁物。気にせずゆっくり巻き続けて、竿先が大きく絞り込まれたら竿を持ちあげてフッキングします。
もし外れてしまってもタチウオは貪欲なので、同じレンジで何度も誘うとすぐにフッキングすることもあります。
アタリの瞬間
竿を持ち上げてフッキングタチウオが掛かったら慌てず巻き上げる
タチウオがハリに掛かったら、電動リールの巻き上げ速度を上げて一定のスピードでラインを回収しましょう。ただし、速く巻きすぎると負荷がかかってラインが切れることもあるので、中速程度で巻き上げるのがおススメです。
もしタチウオが激しく暴れるなら速度を落としましょう
リールの機種にもよりますが、残り5mの位置になると巻き上げが止まるのであとは手巻きで巻き上げます。仕掛が水面に見えたら竿を(ロッドホルダーなどに)置いて、ラインを手でつかみタチウオを素早く船上に引き上げましょう。
慣れてきたらテンヤに挑戦してみるのも面白い
今回はアクションが比較的シンプルなテンビンでの釣りをご紹介しました。少し慣れて「新しい釣法を試したい!」という熱意ある方は、ステップアップとしてテンヤがおススメです。その最大の特徴はルアーとエサを融合した独自の感度。
魚の動きが手に取るように分かる感触は、一度体験すれば病みつきになります。以下の記事で釣法について紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
初心者でもかんたん!船タチウオ おススメはエサを使った2つの釣り方
帰港したらレンタル用品を返却
帰港したら、船長の指示に従いレンタル用品を返却しましょう。もしウロコやエサなどが付着して汚れている場合は、サビの原因になるのでキレイにするのがマナーです。釣り人としてお互いが心地よい環境を目指しましょう。
また、購入した仕掛は持ち帰ることができます。忘れ物がないよう、使用した釣り座を海水で流すなど清掃してから帰るといいでしょう。
今回は船からテンビン仕掛でねらうタチウオの釣り方について、一連の流れをお伝えしましたがいかがだったでしょうか? 普段堤防からねらえない深場の魚を釣り上げる喜びは、船釣りの醍醐味です。しかも電動リールを使用すれば、誰でも快適にタチウオ釣りを楽しむことができるので、釣具をレンタルして手軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。
また、誘い方はシンプルで数釣りも楽しめる釣りモノなので、初心者の方でも安心。タチウオは胴の幅が指5本を超えると「ドラゴン」と呼ばれ、釣り上げた感動は一生モノです。慣れてきたらサイズアップをねらってみてもイイですね。
タチウオ釣りについては、HAZEKINGさんのYouTubeにもアップされているので、ぜひそちらもご参考に。
レポーター
プロフィール:HAZEKING
東海エリアを中心に活動する釣りユーチューバー HAZEKINGです。エリアトラウト、ハゼ釣り、海釣り、ロックフィッシュなど釣りジャンルは全部! 今も自身の新ジャンルを開拓しています。初めて魚を釣ったときの感動をみなさんと共有するためSNSをスタートし、HEATでは1人でも多くの方に釣りの魅力を伝え、「よし、明日釣りに行こう!」と思ってもらえるような記事を執筆したいと思います。
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