「尊厳を失わないために」祖母2人の認知症と向き合い続けた家族の時間の先に見えたものは【体験談】
父方と母方の祖母を、2人ともわが家で介護していました。家族総出で一緒に介護していたのですが、2人には認知症の症状があり、少しずつ進んでいくのを目の当たりにしました。
少しずつ進行する認知症
日々忘れっぽくなるだけでなく、徐々に重度の認知症症状も見られるようになり、主に介護していた母は毎日大きなストレスを抱えていました。私はその母を支える立場でした。
とにかく祖母たちと母に少しでも息抜きをしてもらえるよう、あまり物事を重く捉え過ぎないように心がけたり、笑顔を忘れないようにしたりしました。ときどき「大丈夫だからね」と声をかけながら、片づけを手伝ったり、話を聞いたりもしていました。そうした何気ないやりとりが、少しでも気持ちを和らげる手助けになっていたらいいなと思っています。
突っ走るだけでは息切れしてしまう
今では2人とも亡くなりましたが、振り返ると、介護は私にとって貴重な経験だったと感じています。介護とは、人と人との関わりの中で助け合い、ときに根気よく付き合っていくものだと思いました。大変なことが多い半面、心に余裕を持つためにひと息つくことの大切さを学んだのも、このときでした。
家族と共に乗り越えた介護
認知症の祖母たちは、こちらの様子をよく観察していた印象があります。尊重されていないと感じると、途端に不安げになったり、頑固な一面が出てきたりしたのです。そのたびにどう接すればいいのか手探りでしたが、それでも家族皆で向き合う過程で、やり場のない怒りや混乱を一緒に抱えながら乗り越えようとしていました。
まとめ
大変なことばかりだった介護ですが、だからこそ人と深く関わることの喜びや尊さを知る機会にもなりました。祖母たちとの日々は、今になって思えば、自分自身を見つめ直すきっかけとなり、大切な気付きを与えてくれたように思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:御米好子/40代女性・パート
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年1月)