進路に悩む中高生へ自己分析ノート「あしあと」を届けたい!高校生と地元企業がタッグを組んでクラウドファンディングに挑戦中
高知国際高校の生徒らが高知の地元企業である「ミタニ建設工業」と協力して、対話型自己分析ノートを高知市内の中高生へ配布するためのクラウドファンディングに挑戦している。
今回は、このプロジェクトに取り組む高知国際高校の卒業生と在校生を取材した。
進路に悩み自己分析をスタート
この自己分析ノートを作ったのは高知国際高校の卒業生で、現在京都の大学に通う楠瀬帆乃佳さんだ。
進路について考え始めた中学3年生の頃。
興味のあることや、やってみたいことはたくさんあるが、進路を決めるにはそのたくさんの可能性の中から絞っていかなければならなかった。
楠瀬さんは、数ある選択肢の中からどうやって選んでいけばよいのか分からなかったのだという。
悩んだ楠瀬さんは、中学生の時から就活生向けの自己分析の本やサイトを見始めた。
楠瀬さん:自分について知りたいと自己分析を始めましたが、既存の自己分析は社会人としてのキャリアがテーマになっていることが多く、設問などもピッタリとくるものが少なかったです。自分を知りたくて始めたものの、気が進まないこともありました。そこで、中高生でも考えられる質問に置き換えてみたところ、スルスルと進んでいく感覚がありました。そこから、ノートとしてまとめてみようと考えるようになりました。
高校3年生のときにノートとしてまとまり、友人など高校生に声がけしてワークショップを主催した。
友人や先生の意見を聞くほか、高知の建設会社で地域創生などにも取り組むミタニ建設工業が開催した中高生向けの自己理解を深めるためのワークショップに参加するなど、ノートの内容をブラッシュアップしていった。
そして、対話型の自己分析ノート「あしあと」を完成させた。
自己分析ノート「あしあと」を、進路に悩む中高生へ届けたい
楠瀬さん:私だけじゃなく、周りの友達も進路や将来に同じように迷っていました。そんな中高生が自分のことを理解できるように、順番に質問に答える形で分析を進める対話型のノートを作りました。
ノートは過去・現在・未来という3つのパートに分かれている。
過去の楽しかったことやがんばったこと、そして現在、未来と自分を見つめながら強みや苦手を発見していく構成になっている。
監修には類似する取り組みを行なっていたミタニ建設工業が入り、楠瀬さんの活動を引き継ぐ在校生4名も現れた。
楠瀬さんと在校生4名、そしてミタニ建設工業で進めているのが、「あしあと」を高知市内のすべての中高生に配布するというプロジェクトだ。
このプロジェクトを進めるにあたって、任意団体「トキメクBook実行委員会」も立ち上げた。
楠瀬さん:自分自身が進路に悩んだ経験から始まったこの取り組みが、こうしていろんな人の協力を得て、実現の手前まで来れているのは感慨深いです。進路や将来に悩む中高生の力になれるプロジェクトだと思います。
2週間に一度行われる実行委員会のミーティングには京都からオンラインで参加し、準備を進めている。
トキメクBook実行委員長の小﨑百葉さん(ミタニ建設工業)は、「『あしあと』は、高知の高校生が一から制作したノートです。このノートがたくさんの中高生の手に渡り、それぞれが自分自身を知るきっかけになればと思います。」と語る。
まずは高知市内で、そして県内での配布を目指したい
クラウドファンディングにご協力いただいたお金で、まずは高知市内の中高生に向けてノートの制作・無料配布を行い、8月の夏休み期間には県内の中高生向けのワークショップ開催を目標としている。
そして、その先に定めているのは高知県内のすべての中高生への配布だ。
まずは、一つ目の目標を達成するために200万円をゴールに設定している。
県内に配布するためのネクストゴールは、300万円。
楠瀬さん:このプロジェクトがたくさんの人の目にふれ、共感を得ることができれば嬉しいです。高い目標ですが、達成し、中高生の力になれたらと思っています。
力強い仲間と共に進めている、このプロジェクト。
このノートを手にした中高生が、一人ひとりの興味や強みを理解し、自分の進む道を自ら決める一助になることを願いたい。
▼▼▼クラウドファンディングはこちらから▼▼▼
https://readyfor.jp/projects/156314
文/長野春子