初春 お出かけウエア 今年はハンドメイドで何を作りますか?
今作りたい! 春のブラウス3点に帽子にコート、新しい年にぴったりな5アイテムをそろえました。
今年も、心弾むハンドメイドを楽しみましょう!
手作り始めは晴れやかに! 初春 お出かけウエア
今作りたい! 春のブラウスコレクション
ドロップショルダーのゆったりブラウス
斉藤謠子さんが今年作って着たいブラウスは、着心地のいいこちらのブラウス。
1枚でコーディネートが決まる万能な1着です。
広い身幅とドロップショルダーの切り替えで、着やすく動きやすいブラウスです。
えりぐりのあきも程よく、かぶって着られるのもうれしいポイント。
体形をカバーしてきれいに見える丈やシルエットなど、斉藤さんのこだわりが詰まったブラウスです。
肩の位置を低くして、腕周りが動かしやすいデザイン。
写真左で斉藤謠子さんが着ている作品はウールガーゼで作りました。
ふんわりと空気を含む生地なので、1枚でも暖かく着られます。
パンツも斉藤さんのオリジナルです。
写真右はブラウスの上にベストを着たコーディネート。
ベストも斉藤さんのオリジナルです。
重ね着しやすく、いろいろなアイテムと合わせやすいブラウスです。
斉藤謠子(さいとう・ようこ)
パッチワーク・キルト作家、布小物作家。洋裁、和裁を学んだあと、アメリカのアンティークキルトに興味を持ち、パッチワークを始める。雑誌などで作品を多数発表するほか、教室などで講師を務め、海外でも作品展や講習会を行うなど人気が高い。
大人のセーラーブラウス
定番のブラウスに、セーラーカラーで今の気分を少しプラス。
ふだんとは違うスタイルに、新鮮なときめきが味わえそうです。
かわいらしすぎない小さめのセーラーカラーで、世代を問わず楽しめるブラウスに。
そで口のカフスや背中のギャザーなど、細部まで丁寧に仕上げる端正なデザインは、作りがいも十分です。
後ろ側も小ぶりなセーラーカラー。
えりで隠れる部分に切り替え線を入れ、たっぷりとギャザーを寄せています。
カフスはダブルボタンに。
自分の手首に合わせてそで口のサイズが調整でき、ジャストなフィット感が味わえます。
かわいきみ子さんが着ているブラウスの花柄生地は、かわいさんがふと入った手芸店で心引かれて選んだもの。
ふだんあまり柄ものを着ないという人は、全体に柄を使うのではなく、前身ごろだけ、えりだけと一部のパーツに柄を生かすと、ぐんと着やすくなるそう。
かわいきみ子(かわい・きみこ)
デザイナー。テレビや雑誌、書籍などで洋裁や手芸作品を発表。質の高いパターンとわかりやすい指導に定評がある。
1枚で華やか! キモノスリーブブラウス
上下の身ごろを縫い合わせるだけの、シンプルな仕立て。
そでのシルエットとウエストリボンの効果で、エレガントな1枚の完成です!
そでと身ごろが一体になったキモノスリーブの上身ごろに、下身ごろを縫い合わせました。
切り替え位置につけたリボンを結ぶと、胸元に自然なギャザーが生まれます。
1枚着るだけで様になる、そんなうれしいブラウスです。
後ろのあきは、パールボタンと糸ループで留めて。
生地とボタンの組み合わせを考えるのも楽しそう。
野木陽子さんが着た自分用のブラウスは、共布で作ったウエストリボンの裏側を花柄に。
そで口にも同じ花柄をプラスしました。
後ろ中央とウエストの切り替えで、きちんと感もアップ。
少し改まった場にも役立ちそうです。
野木陽子(のぎ・ようこ)
ニューヨークでオートクチュールを学ぶ。大人&子ども服や布小物などの製作・指導を通して、ソーイングの楽しさを伝えている。
型紙なし! 冬のやわらか帽子
「暖かく過ごしたい」「髪の毛の乱れを隠したい」という要望に応えてくれる画期的な布帽子をご紹介。
伸縮性のある肌触りのよい布を使い、頭頂部を縫い絞ったりたたんだりしてアレンジした、自分サイズで作る、かぶり心地抜群の帽子です。
作品A ギャザータイプ
筒状に縫った本体の頭頂部を縫い絞ると、ニット帽のように頭にぴったりと沿う形に。
柔らかくて光沢のあるリヨセル混のニット地を使いました。
作品B 風車タイプ
作品A の頭頂部を違う縫い方に。生地は綿楊柳(ようりゅう)です。
たて方向の細長いしぼにより、よこ方向に伸縮性が生まれて、かぶり口が頭にフィットします。
頭頂部のギャザーにより全体に立体感が出て、丸みのあるシルエットに。
頭頂部にタックをとり、風車のように倒して表に返すと、やや角ばった形に仕上がります。
作品C リボンタイプ
作品Aの前側にギャザーを寄せてリボンの形を作り、かわいらしい雰囲気に。
作品AとDに比べて、やや厚みのある(薄手のカーディガンくらいの)ニット地を使いました。
作品D ヘアバンドタイプ
帽子とヘアバンドの中間のようなデザインです。
髪の毛が垂れ下がるのを防ぎたいときにサッとかぶれてストレスフリーに。
使用したウール混の天竺(てんじく)生地は、薄手なのに暖かく、滑らかな質感が特徴です。
作品E 三角巾タイプ
三角形の本体を部分的に縫い縮め、頭を包むカーブを作り、よりかぶりやすく工夫しました。
生地は伸び縮みしない薄手の木綿地ですが、バイアスに裁つので伸縮性があります。
後ろ側の一部を縫い絞ることで立体感が出て、まとめ髪をすっぽりと包み込めます。
頭にさっとかぶり、三角形の左右の角を結ぶだけで、ヘアスタイルが決まります。
森 恵美子(もり・えみこ)
手芸作家。人形、パッチワーク、洋裁、手織りなどさまざまなジャンルで活躍。豊かなアイデアとユニークな発想から生まれる作品は幅広い年齢層から人気を得ている。仕立てやすく使い勝手のよい作品にも定評がある。
【連載】昆布尚子と一緒に 暮らしの中のソーイング 大きなえりのコート
京都在住の人気ソーイング作家、手芸家の昆布尚子さんが、自由な発想で、幅広い世代の人たちに向けて作る服や小物をご紹介。
昆布さんにまつわる方々が登場します。
中厚手のウール地で作ったひとえのコートです。
大きなえりと、えり元に1つだけつけた大きなボタンがポイント。
身ごろの両側にパッチポケットをつけました。
モデルは、昆布さんの友人の林 泰子さん(身長167㎝ 40代)です。
そではドルマンスリーブなのでゆったり。
そでつけもないので作りやすいのもポイントです。
ドルマンスリーブの場合、布が多く残ってしまうため、残り布を活用してべストを作りました。着丈約60㎝、身幅約80㎝。
昆布尚子(こんぶ・ひさこ)
ソーイング作家、手芸家。昔の着物地や海外のビンテージ布などを使い、個性あふれる服やバッグを製作している。モダンでおしゃれなデザインと、作りやすさ、仕立ての美しさを追求した作品に定評がある。
今作りたい! 春のブラウスコレクション
撮影/白井由香里 モデル/森 貴美子 講師撮影/ローラン麻奈
型紙なし! 冬のやわらか帽子
撮影/中野博安 モデル/松永ちさと
昆布尚子と一緒に 暮らしの中のソーイング 大きなえりのコート
撮影/津久井珠美 モデル/林 泰子 イラスト/稙田光子