DREAMS COME TRUE中村正人、ファッションデザイナー丸山敬太とコラボした過去最大級の衣裳展覧会で「大阪愛を全国に広めていけたら」
12月4日(水)~16日(月)の期間、阪急うめだ本店9階 阪急うめだギャラリーにて初開催されている『KEITAMARUYAMA 30周年×DREAMS COME TRUE 35周年 記念祝祭「大衣装展覧会」-大阪LOVER-』。
ステージ衣装を中心とした過去最大級の衣裳展覧会の一般公開に先駆けて12月4日(水)に、DREAMS COME TRUEの中村正人とファッションデザイナーの丸山敬太がオープニングイベントに登壇した。同日のオフィシャルレポートが到着したので紹介する。
1991年に行われた初めてのコラボレーションとなる『史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND’91』。今回、初展示を含む80点以上の圧巻の衣装が並ぶ会場について、中村は「本当に素晴らしいです。我々としても、よくここまで衣装を保管できたなと感嘆するばかり。世界中には数多くのアーティストが存在しますが、ここまで完璧にステージ衣装を保存・揃えたのは、ドリカムだけではないでしょうか」と興奮気味に語り、DREAMS COME TRUEの名曲と共に、記憶に残る作品として大切に保管されてきたことが窺えた。その衣装を製作し、本会場のディレクションも担当した丸山は、「本当に無謀とも言えるような、長い長い”挑戦という旅”をしてきたんだなと思います。自分たちが積み重ねてきたことの意味や、その背景にある多くの要素が浮かび上がってくると同時に、やっぱりコスチュームって本当にすごいなと実感しました。ライブやお客さんの熱気など、さまざまなものを吸い込んでいるせいか、存在感が半端ないんです」と30年以上の歴史を噛み締めるとともに、衣装が放つ存在感について語った。
また今回の衣装展のタイトルにもふくまれる、DREAMS COME TRUEの名曲のひとつである「大阪LOVER」。開催地であるここ大阪についての印象を尋ねられると、中村は「私は、大阪にゆかりのある“エセ関西人”でして、大阪の寝屋川に6年間住んでおりました。小学校から中学校と、一番言葉を覚える時期に大阪で過ごしたため、私の人格形成はまさに大阪でした。とはいえ、今でもエセ関西弁で話すと怒られることがあります(笑)。それから、ドリカムのデビュー日である1989年3月21日、大阪でライブを行ったことや、初めて「ドリカム」と略称したのが大阪のスタッフだったことなど、大阪とは本当に深い縁があります。また、吉田美和さんが初めてレギュラー番組を持ったのも大阪のラジオ局です。大阪という存在が自分にとっては切り離せない特別な場所です」と答え、大阪がDREAMS COME TRUEにとって重要な場所であることを明かした。
そして、2人の出会いについて問われると、中村は、「マッチングアプリでしたっけ?」と冗談で会場全体を笑わせ、温かな空気に。本当の出会いについて、丸山さんは「DREAMS COME TRUEがデビューした当時からすごい大ファンで大好きでした。最初に紅白に出られた時、僕はまだ出会っていないんですけど、勝手にデザイン画を描いていたくらいです(笑)。 当時はSNSなんてない時代で、本当に文字通り口コミだけが頼りでした。そんな中で、僕は「ドリカムの衣装がやりたい!」と、あらゆる場所で言い続けていました。さらにドリカムの行きつけのお店に、自分のデザインブックを預け、「もし(ドリカムが)きたら見せて!」と言っていたのが本当に吉田さんの手に渡り、そこからご縁が生まれたんです。夢が叶った。まさにDREAMS COME TRUEです」と当時のエピソードを振り返りながら、運命的な出会いへの感謝と喜びを言葉にした。それに対し中村は、丸山と出会う前は自分たちで衣装製作をしていたと当時を思い出し、「本当に大変だったんですよ。ライブの前はというと、音楽の練習じゃなく吉田美和の着替えの練習をするんです。ライブハウスだと、控え室が小さめじゃないですか。 そこに吉田美和が自分で作った衣装が入らないんですよね。だから僕らいつも控え室の外にいるというね……(笑)」と出会う前のエピソードについて語った。
衣装が作られる過程について、丸山は「コスチュームというのは、決して自分一人で完結するものではなく、アーティストの方がどのように表現したいのか、そしてどのようにオーディエンスを熱狂させたいのか、そういった想いを汲み取りながら作り上げていくものです。吉田さんから、多くのアイデアや言葉、時には雑誌の端切れやメモのようなものまで、さまざまな形でコンセプトのヒントが届けられ、それらをもとに、一緒に試行錯誤を重ねながら、一つの世界観を形にしていきます。まさに戦いのようなものですが、切磋琢磨しながら作り上げた衣装には、私一人のデザインでは到底成し得ない、チーム全体の想いがぎゅっと詰まっています」と衣装製作について、衣装は単なる服ではなく、一つの作品として、その世界観を体現するものだと語った。さらに、「今回、90年代からの衣装を飾りながら、自分でもこんなに重たいものをよく着てくれていたな、と驚くことが多々ありました。当時はまだ、動きや着心地などをそこまで深く考えずに作っていた部分もあったんですよね。それでも、ステージの上でできるだけ引っ込む時間を減らし、パフォーマンスを最大限に引き立てるために早替えを工夫したり、衣装にさまざまな仕掛けを組み込んだりとか、そうしたものが衣装やパフォーマンスに活かされていて、それがDREAMS COME TRUEのライブ特有の圧倒的な熱量が生まれているのだと感じています」とコメント。それに対し中村は「本当にうちの場合は吉田美和が総合演出家というか、もうディテールまで吉田が作っています。特にフライングっていうのがうちの1つの大きな特徴で、そのフライングの衣装がまた大変で……。例えばスカートで飛ぶ場合、スカートがだらっとなっちゃいけないし、下着が見えてもいけないし、遠くの観客にもその衣装の表現を伝えるのが非常に難しいんですよね。またハーネスとかいろんな機械、安全性、消防署管轄のいろんなエリアもあってですね、そういうのもクリアしながら先生(丸山)と吉田美和が作り上げています。 あとは、やはり吉田はダンスがメインにあるので、スニーカーを必ず履きますね」と衣装製作の裏側や、作る上での苦労など、出会いから30年以上にわたる当時の思い出や共に歩んできた歳月を通じて築き上げられたドリカムの世界観が鮮明に感じられるひとときとなった。
特に印象に残っている衣装について丸山は、「1995年の『ワンダーランド』です。吉田さんがひまわりの花のスカートを着て、途中で花がふわっと開く演出があったんですけど、その衣装を本当に久しぶりに見て、青さというか、勢いというか、今の自分では作れない、当時ならではの素敵さをぜひ見ていただけたらと思います。ドリカムを昔から愛してくださっている方々だけでなく、若い世代の方々にも、その時代のエネルギーを感じ取ってもらいたいです」と今回の展覧会の見どころについても語った。
最後に、 KEITAMARUYAMA30周年、DREAMS COME TRUE35周年という節目を記念するこの最大規模の展覧会がスタートするにあたり、中村は「ほんとにこの奇跡を、まさに夢が叶った”DREAMS COME TRUE”というイベントを、できるだけたくさんの方に来ていただきたいと思います」とコメント。丸山は「長い年月の中で、数えきれないほど多くの方々が関わり、一つの作品として積み重ねてきた歴史と想いを、多くの方々に見ていただきたいと心から思っています。さらに、今回の展覧会は大阪でのみ開催される特別なイベントです。『大阪LOVER』という言葉を前面に押し出しながら、大阪愛を全国に広めていけたらと思っています」と一つひとつの衣装に宿る時代の空気感やドリカム、そしてファッションデザイナー丸山敬太の世界観を存分に味わえる本展覧会の意気込みを語り、イベントを締めくくった。
『KEITAMARUYAMA 30周年 × DREAMS COME TRUE 35周年 記念祝祭 「大衣装展覧会」 -大阪LOVER-』は12月16日(月)まで、阪急うめだ本店 9階 阪急うめだギャラリーにて開催。チケットはイープラスにて販売中。