魚に見えないラインを使ってライトゲームしてみた 目が良いメバルへの効果はいかに?
釣りには釣り糸を使うわけだが、この「当たり前」の中に、ひとつ大きな疑問がある。それは、「魚はイトを視認しているのか」というものだ。もしラインが見えているのだとしたら、釣果に多大な影響をもたらすはずだ。今回は、魚に見えにくいといわれるピンク色のフロロを使った筆者の感触を紹介したい。
魚にはイトが見えているのか?
やはり魚には釣り糸が見えているらしい。魚は決して視力がよくないが、釣り糸がもたらす微妙な影は魚に違和感を持たせるのだろう。目で見えていなくても、わずかな水切りの波動で感じている可能性もある。よって、「ラインを細くすると釣れやすい」と一般に言われるのは、これはどうも真実らしい。
以前、ボラだらけの海でシーバスゲームをしていたときの話だ。ボラは一切ルアーには反応しなかったが、体にイトは当たりまくっていた。そんなものを気にしている様子もない。ルアーがあるのは見えているし、釣り人の姿も感じているから、無視するほどのこともないということか。不遜な奴らである。
また、ライトゲームをしていても、たまにジグ単リグでなく、ラインに魚の体が当たったのかなと思う瞬間はある。明確なバイトではなく、じゃれるような感触だけが手元に伝わる。あれもラインが見えていて、別に避けるまではないと感じているのかもしれない。見えている限り、ラインは脅威ではない。
ピンクのフロロカーボンは見えにくい?
では、なるべくラインを見えないようにすると、どうか?まずは、先述のように、ラインを細くする作戦だ。これはライトゲームでたとえば0.3号から0.1号のPEにかえると、はっきりと違いが実感できる。メバルのような目が効く魚は、露骨に太いイトを嫌う。細いイトにかえると、たちまち食う。
メインラインには細くするという方法があるのだが、では、リーダーはどうだろう?もちろんある程度は細くできるのは同じだが、PEと違って強度が高いものではないので、そこまで大きくはかえられない。
ならば、「色」で、まさしく目先をかえてやる。どうも、ピンク色のフロロカーボンラインは見えにくいという説があるのだ。実際、魚に見えないラインとして、商品化されている。
自分の釣りのために、1.5号(6lb)のものを買ってみた。ライトブリーム、LTシーバス、そしてメバルプラッギングの号数だ。守備範囲が広い号数。自分ながら、これはなかなか良い買い物をしたものだ。
反応は上々
こいつを試してみたところ、ひとまずはよく釣れた。数日にわたって、チヌ、シーバス、メバルを合計10尾以上は釣った。しかし、一番ラインを見切りそうなメバルに関しては、2尾に留まった。
ともあれ「魚に見えにくい」とメーカーがいうのだから、せっかく買ったのだし、今後もこれを使わない手はない。今回の検証だけではデータ不足の感がある。また、私が実験に選んだ日が悪いのだが、釣行日はいずれも曇り空で濁り潮と、そもそもイトがかなり見えにくい状況だったと思う。
このピンクフロロの見た目、なんというか、ちゃんと色のついたまっピンクではない。透明のラインにほんのりとピンクを差したような具合だ。ナチュラルカラー。あくまでささやかな細工である。
デイゲームで追加検証してみよう
どうも追加検証が必要そうだ。そろそろ夏の穴釣りも始まる。デイメバルにも使える号数なので、そのへんで。日中の、イトの視認が非常にいい状況でどこまで魚を騙せるか、じっくりと使ってみたい。
もちろんそれでよい手ごたえを得ることができたら、3lbや4lbも追加購入していく予定である。こんな小さな道具でも、魚にこだわる気持ちで買っていけば、釣りはもっともっと楽しくなる。
<井上海生/TSURINEWSライター>