井岡一翔の歴代大晦日決戦一覧、13度目のリングでマルティネスにリベンジなるか
マルティネスは公開練習キャンセル
プロボクシングのWBAスーパーフライ級6位・井岡一翔(35=志成)が12月31日に東京・大田区総合体育館で同級王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)に挑戦する。
WBA王者として7月7日にIBF王者マルティネスと統一戦を行ったが、0-3の判定負け。七夕以来、約5カ月ぶりのダイレクトリマッチとなる。
2団体統一王者となったマルティネスは、IBFから同級3位ウィリバルド・ガルシア(メキシコ)との指名試合を指示されていたが、井岡との試合を優先してIBFのベルトを返上。今回はWBA王者として来日した。
ただ、26日に予定されていた公開練習をキャンセル。合宿を張っていたアメリカ・フロリダ州マイアミから寒い日本に来たこともあり、37.8度の発熱があるという。減量中のボクサーが発熱することは珍しくないとはいえ、ベストコンディションでリングに上がれるのか危惧される状況だ。
35歳の井岡はこれが36戦目(31勝16KO3敗1分け)。プロ7戦目、21歳で世界ミニマム級王者となってから13年間も世界のトップ戦線で戦ってきた。
日本人初の4階級制覇など輝かしい実績を残してきたベテランは、今回がラストチャンスとなるかもしれない。試合内容によるが、同じ相手に連敗すれば世界ランキングのトップ10から名前が消える可能性が高く、年齢的にも再浮上は容易ではないからだ。
2020年は田中恒成に会心の8回TKO勝利
井岡の試合はTBSで大晦日に生中継されるのが恒例だったが、テレビ局の体力低下もあって動画配信されるようになった今も、大晦日のリングに上がり続けている。
今回で実に13戦目。表の通り、過去10勝(7KO)1敗1分けと好相性だ。
2017年のみ、TBSの番組内で引退を表明したが、それ以外は毎年リングに上がっている。引退から復帰2戦目の2018年大晦日には、マカオで行われたドニー・ニエテス(フィリピン)とWBOスーパーフライ級王座決定戦に12回判定負け。これが大晦日唯一の黒星だった。
2020年大晦日には、無敗で3階級制覇を達成した田中恒成(畑中)を迎え撃ち、左フックで会心の8回TKO勝利。世界で最も権威があるとされるボクシング誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンドで10位にランクされるなど、海外からの評価も高めた出世試合だった。
2022年大晦日には、WBAスーパーフライ級王者ジョシュア・フランコ(アメリカ)と統一戦を行い、ドロー防衛。井岡の試合を見て年を越すというのが、ボクシングファンにとっては恒例となっている。
マルティネスは身長157センチと井岡より小柄だが、アルゼンチンらしい頑丈さと突進力を持つ強敵だ。これまで何度も日本中を沸かせてきた大晦日のリングで、井岡は王座に返り咲くか。富も名声も手に入れた男がプライドを懸けて戦う集大成のリングに注目したい。
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記事:SPAIA編集部