「吐く」だけがつわりじゃなかった! 妊娠後期まで絶え間なく続く変なつわり
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5歳と1歳の娘2人を育てながら、フリーランスでライターの仕事をしているKanakoです。私が長女を妊娠したのは、6年前の夏。予期せぬ妊娠で何も知識がなかったので、最初は妊娠によって引き起こされる不可解症状に振り回される日々でした。今回はその代表格である、「つわり」体験について綴りたいと思います。
匂いつわり(妊娠初期)
私の妊娠が判明したのは、海外旅行を控えていた夏休み直前のことでした。心配もありましたが、直前でキャンセルできないので行くことにしました。
宿泊先のホテルでの食事は、現地の料理とイタリアンを中心としたバイキングでした。最初はおいしく食べていたのですが、3日目ぐらいになるとだんだん匂いに我慢ができなくなり、旅行最終日には食事の匂いがするだけで吐き気をもよおし、フルーツしか食べられなくなりました。
これが私の初めてのつわり体験です。もともと香辛料のきいたアジア系料理は大好きなのですが、この体験がトラウマになり、それから産後1年ぐらいまですべてのアジア料理が食べられなくなりました。それぐらい、このときの食事の匂いが強烈に感じたのです。
匂いつわり2(妊娠中期〜後期)
妊娠中期ごろから、洗濯洗剤や食器洗剤、ボディーソープの香りが“良い匂い”に感じはじめました。最初は、いつも使っている食器洗剤が「この洗剤、こんなに良い匂いだったかな?」と思うところから始まりました。
その後、ボディーソープや洗濯洗剤など、家で使っているありとあらゆる洗剤が、突然いつもよりも“良い匂い”に感じるようになってしまったのです。
入浴中はボディーソープの匂いをかいで「スーハー・スーハー」。洗濯後の洗濯ものを鼻に当てて「スーハー・スーハー」。何かの中毒者のように、あらゆる洗剤の蓋を開けては「スーハー・スーハー」匂いをかいでいました。自分でも「変だな」と思っていましたが、やめられませんでした。
食べつわり(妊娠後期)
妊娠後期の食べつわりは、様々なつわりの中でも一番つらかったことを覚えています。それは食べても食べてもおなかが空くというつわりでした。
妊娠後期は赤ちゃんが大きいので、普通は食べられる量が少なくなるそうです。それにもかかわらず食べすぎてしまうので、胃のキャパシティを超えて吐いてしまい、食べる→吐く→食べることを繰り返していました。
一番大変だったのがお好み焼きを食べたときです。粉物は胃に重いので吐きたいのになかなか吐けず、トイレにこもる羽目になりました。これもまたトラウマになり、それ以来しばらくお好み焼きが食べられなくなりました。今は食べられるようになりましたが、お好み焼きを食べるときは、いつもこのときのつらい経験が頭をよぎります。
口の奥が敏感になるつわり(妊娠後期)
これも変なつわりでした。歯磨きをしていると、口の奥が気持ちが悪くなり「オエッ」となってしまうのです。実際にそのまま吐き気が止まらずに吐いてしまったこともありました。こんなつわりは私だけだろうと思ったら、義理の妹も同じ症状に苦しんだそうです。
妊娠後期は吐くのが非常につらく、おなかに力が入るので破水や早産も心配でした。そのため毎日の歯磨きはすごくゆっくり、慎重にやり、特に奥歯の方を磨く時は神経を使いました。それでも毎日「オエっ」てなっていましたけれど…。歯磨きの時間が恐怖なつわりでした。
私の妊娠期間は“変なつわり”が多かったように思います。友人の中には、チョコレートとジャンクフードばかりが食べたくなる人もいたので、人それぞれ大なり小なり“変なつわり”はあるのかもしれません。妊娠初期から後期まで、いろいろなつわりに振り回されて身にこたえることもあり、一時的な症状だとはわかっていても、当時は永遠のように長く感じられました。でも妊娠39週に2988g、49cmの元気な女の子が無事に生まれ、出産とともにつらかった症状もすっかりなくなりました。
[ Kanako Sato * プロフィール]
5歳と1歳のママ。2人目の出産を機に会社員を辞め、フリーランスとしてライティング、翻訳などの仕事をしています。子どもに自然と触れ合う機会を増やしてあげたいと思い、最近は家族でキャンプを始めました。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。