井上尚弥「ボクシングの聖地」T-モバイルアリーナで77年ぶり世界記録更新へ、いざカルデナス戦
計量パス「最高の仕上がりです」
プロボクシングの4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(32=大橋)が4日(日本時間5日)、アメリカ・ラスベガスのT-モバイルアリーナでWBA同級1位ラモン・カルデナス(29=アメリカ)と防衛戦を行う。
3日にMGMグランドで行われた前日計量では井上が121.9ポンド(55.29キロ)、カルデナスが121.8ポンド(55.25キロ)で両者とも一発パス。井上は自身のSNSに「計量パスしました!最高の仕上がりです☆明日は自分自身に期待します」と投稿し、意気込みを示した。
当初はWBC1位アラン・ピカソ(メキシコ)と対戦する方向だったが、ピカソが対戦を回避。試合開催日が「シンコ・デ・マヨ」(1862年5月5日にメキシコ軍がフランス軍を撃退したことを記念するメキシコ・プエブラ州の祝日)の前日とあって、メキシコ系アメリカ人のカルデナスが対戦相手に決まった。
予想は「井上尚弥が9回までにKO勝ち」圧倒的多数
カルデナスはアマチュアで100戦以上のキャリアを誇り、プロでも26勝(14KO)1敗。2017年から14連勝し、じわじわと世界ランクを上げてきた。アマチュア出身らしく、ガードの高い基本に忠実なスタイルだ。
ただ、KO勝ちが約半分しかないことが示す通り、迫力不足は否めない。ハードパンチャーではなく、華麗なフットワークを使うアウトボクサーでもない地味な戦い方が評価されにくい理由となっている。
イギリスのブックメーカー「Bet365」では、井上勝利に1.02倍、カルデナス勝利に19倍のオッズがついており、井上の圧倒的有利は不動。
SPAIA公式Xで実施した4択のアンケートでも「井上尚弥1~4回KO勝ち」が40.9%、「井上尚弥5~8回KO勝ち」が54.5%を占め、「井上尚弥9~12回KO勝ち」は0%、「それ以外」が4.5%と、井上が中盤までに試合を終わらせるとの見方が大勢を占めている。
ジョー・ルイスの記録更新する世界戦23KO勝利なるか
井上がKO勝ちすれば、世界戦25連勝(23KO)となり、世界ヘビー級王座を25度防衛したジョー・ルイス(アメリカ)の22KO勝利を抜いて世界新記録。歴代最多防衛記録を持つ名王者が世界戦で最後にKO勝ちしたのは1948年6月だから、実に約77年ぶりの記録更新となる。
さらに世界戦25連勝はジョー・ルイスとフロイド・メイウェザー(アメリカ)の26連勝に次いで歴代3位タイ、世界戦25勝はフリオ・セサール・チャベス(メキシコ)らに次いで歴代5位タイに浮上する。まさに記録ずくめの一戦となるのだ。
会場のT-モバイルアリーナはラスベガスの中でもトップファイターしかリングに上がれない聖地。井上は2020年10月のジェイソン・モロニー戦をMGMグランド内ザ・バブルで行ったがコロナ禍のため無観客で、2021年6月のダスマリナス戦は同じラスベガスでも格下のヴァージン・シアターだった。
WBAミドル級王者だった村田諒太も2018年10月にラスベガスでメインを張ったことがあるとはいえ、キャパシティの小さいパークシアター。約2万人を収容するT-モバイルアリーナでメインのリングに上がる井上は、ボクシングの本場も認めた文字通りのスーパースターなのだ。
日本が誇るモンスターは、目の肥えたラスベガスのファンの前でどんな試合を見せるのか。世界新記録達成の瞬間を見逃してはならない。
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記事:SPAIA編集部