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　三重県名張市は2月20日、2025年度当初予算案を発表した。一般会計は歳入歳出の総額が4年連続で増加し、前年度比13億2700万円（4・5％）増の307億9300万円で過去最大となった。27日に始まる3月定例議会に提出する。

　記者会見で北川裕之市長は、財政・災害・人口減少の「3つの危機から市民の命と安心を守り抜く予算」と説明。規模が膨らんだ要因については「人件費やエネルギー高騰、扶助費の増加など経常的な費用の膨らみによるもの」とした。

　歳入は、自主財源が42%。全体の29・3%を占める市税が90億3190万円で、国による定額減税の終了などから前年度比4・1%増となった。市債は8億2600万円で前年度比33・9%減。全て建設地方債で、緊急性や重要度など優先順位付けに努めた結果、発行額は過去10年間で最少額に抑えた。

　歳出は、障害者自立支援費や児童手当の増加などで扶助費が9・1％増の86億3524万円、物件費は自治体情報システム標準化対応事業（3億5254万円）などで20・9%増の35億8856万円となった。

　市の貯金に当たる財政調整基金は、収支不足を補う4億6650万円の取り崩しを行うため、当初予算編成後は14億5367万円に減る見込みで、市民一人当たりの残高は2万円となる。市の借金に当たる市債残高は当初予算編成後は285億9240万円で、市民一人当たりは38万5000円になる。

　行政課題解決に向けた外部人材の活用では、国の「地域活性化起業人制度」を初めて使い、観光地域づくりの推進や公民連携などに取り組む6人を採用する。地域おこし協力隊も更に4人を採用する方針で、いずれも予算計上した。

　主な新規・拡充事業は次の通り。

▼子ども若者第三の居場所創生事業（5499万円）＝市総合福祉センターふれあい（丸之内）3階に2026年4月開設を目指し調理場や浴室、学習スペースなどを備えたユースプレイスを整備する
▼都市構造再編集中支援事業（1億920万円）＝国交省の「名張かわまちづくり計画」に合わせ名張川沿いに地域振興拠点を整備するための用地（6500平方メートル）を購入する費用
▼防災対策費（3883万円）＝南海トラフ地震などへの備えで、避難所で使うプライバシーテントやダンボールベッドなどを購入する費用（2859万円）を拡充
▼医療体制推進費（1462万円）＝伊賀市と同じ「救急・健康相談ダイヤル」を運用するための負担金（785万円）や、県や伊賀市と連携した同市内の産科医療機関への支援事業の負担金（273万円）など
▼大阪・関西万博プロモーション事業（319万円）＝万博会場で市のPRの委託費とPR動画投影のための会場借上料など

補正案5・5億円

　この他、5億5079万円を増額する2024年度一般会計補正予算案も発表した。小中学校の大規模改良事業（錦生赤目小屋内運動場、名張・赤目・南中のエレベーター整備）や扶助費の追加などを盛り込んでいる。

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