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造形美の詰まったヴィンテージバイシクル・コレクション12選。

Dig-it[ディグ・イット]

ヴィンテージという概念が存在する世界には、必ずコレクターが存在する。そのカテゴリーは細分化されており、デニムのようにメジャーなものから知る人ぞ知るニッチなものまで、奥深い世界が広がっている。今回はアンティークと乗り物好きが高じてアンティークショップ「INNOCENT」を立ち上げ、自身もヴィンテージバイシクルを多数コレクションする飯塚さんを取材した。

イギリスで出会ったヴィンテージのRALEIGHの実用車がコレクションの始まりだった。

飯塚徹|1972年生まれ。静岡県出身。高校を卒業後、上京してバンタンデザイン研究所に入学。学生時代よりヴィンテージショップでバイトを始め、バイヤーとしてアメリカを行き来するようになる。30歳の時に独立し、レディースのOEMなどを手掛けた。2011年の東日本大震災をきっかけに、自身が好きなことを追求しようと一念発起し、イギリスのアンティークやモーターサイクル、自転車などを取り扱うINNOCENTをスタートした。

10代頃からUKパンクやロカビリーなどの音楽に多大な影響を受け、現在もバンドTV DI STORTIONのメンバーとして活動している。ヴィンテージバイシクルを集めるきっかけになったのは、イギリスで出会ったRALEIGHの実用車。

自身が英国のスーツを好んで着ており、そのスタイルのままでも乗って絵になる英国の実用車に魅了されたという。現在は自転車とヴィンテージモーターサイクルを合わせて20台以上所有するほど、大の乗り物好きである。

今年より飯塚氏が所有するヴィンテージバイクからアンティーク小物までプロップとして使える貸しスタジオも運営。一流のプロフェッショナルも懇意にするほど、評判を呼んでいる。

1980s CHESINI

イタリアの老舗メーカーがリリースしていたクロモリフレームのロードバイク。ヴィンテージ市場で高値となっている通称イカブレーキなど、Campagnoloのコンポで統一している。

1959 PENNIE

英国らしい落ち着いたレッドのカラーリングが光るマイナーメーカーのクロモリフレーム。TAのクランクやアルミのマッドガードなど、クラシックなツアラースタイルだ。

1910s ARGENTEUIL

1800年代の自転車の名残を感じられるクラシックな自転車は、フランスのメーカーのもの。造形美を感じるクランクのデザインやウッドのグリップも◎。これでレースに参戦。

1910s Unknown

メーカーは不明であるが、アメリカのヴィンテージバイシクル。クランクやチェーンを使っていない黎明期の頃の駆動方式となっており、当時のオリジナルパーツが多く残っている。

1920-30s SUNBEAM

1888年に創業したSUNBEAM(サンビーム)は、バイクの印象が強いが、自転車からスタートしている。当固体は、当時のステッカーが残る貴重なコンディション。クランクには頭文字のSのアルファベットが入っているのもおもしろい。

1944 SWISS ARMY

実際にスイス軍に支給されていた自転車。フレームに入った1944の刻印から第二次世界大戦時に使われていたものだとわかる。多くのオリジナルパーツがそろっているグッドコンディションだ。

1940-50s BSA

英国を代表するモーターサイクルメーカーであるBSAの実用車。おそらくRALEIGHなどの実用車を得意とするメーカーのOEMだと思われる。クランクがBSAをモチーフとしたデザインになっているのが特徴。

1960s TRIUMPH

今も高い人気を誇る英国モーターサイクルメーカーの実用車。ブレーキやフレームの形状から1960年代と考察できる。当時生産していた自転車メーカーのデカールも残っている。

1960s RALEIGH

今も現存する英国の実用車を代表するメーカーであるRALEIGH(ラレー)のManhattanというモデルのシティサイクル。オールスティールフレームで重厚感があり、マッドガードやチェーンカバーも黒で統一されている。

1982 TRIUMPH

どこかアメリカナイズされたデザインの小径車は、TRIUMPH(トライアンフ)のトラフィックマスターというモデル。STURMEY ARCHERのハブ内蔵変速ギアが付く。メイドインイングランドだ。

1969 TRIUMPH

TRIUMPH20というモデルで、フレームには当時の販売店のステッカーが残っている。上で紹介している赤いの同社の車両とデザインが似ており、様々な種類があったのだろう。

1960s MOULTON

英国を代表する小径車であるMOULTONの初期のF型フレーム。前後にサスペンションが付き、今でも快適な足になる。当時のパーツがしっかりと残っており、荷台も付いている。

(出典/「CLUTCH Magazine 2024年11月号 Vol.97」)

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