市保育職員 紙芝居で伝える川崎の味 食を通じて郷土愛育む
川崎市は、郷土の味を子どもに伝えることを目的にオリジナル紙芝居を作成した。市の保育士、栄養士が制作を担当。2月18日には多摩区保育・子育て総合支援センター(多摩区生田)で完成品を披露する会が開催され、読み聞かせのほか、市の特産物・のらぼう菜の試食などが行われた。
これは「みんな美味しい!郷土の味」と題した市制100周年記念事業の一環。市は、市内特産物の認知度向上、郷土愛醸成のため、地産の食材や郷土料理を保育所給食に取り入れるなどの企画に取り組んできた。
企画の一つとして市内の保育所から案を募った際、普遍的かつ分かりやすく、子どもに思いが伝わるものを残したいと、「食育紙芝居」の制作があがった。市の保育職員の中から推薦され、保育士の清水敬子さんが文章を、栄養士の西川千晶さんが絵を担当した。
昨年4月頃から着手し、9月半ばに紙芝居『みんなおいしい!かわさきのあじ』が完成。主人公が過去へタイムスリップし、歴史を学びながら特産物など川崎の魅力を楽しむ内容だ。西川さんは「過去の風景を正しく紹介できるよう史料館に足を運び、ミニチュアを見て街並みを再現した」とこだわりを語る。
紙芝居は約300部制作され、希望があった各区の保育園や、市内図書館、地域子育て支援センターなどに配布された。市担当者は「これを機に、川崎のおいしい食べ物を好きになってほしい」と期待を寄せる。
今後は、小学校低学年用の教材としての活用も検討。担当者は「GIGA端末にPDFデータで配布するなど方法を考えていければ」と語った。
2月18日には完成を記念し、昨年11月に開所した同センターでイベントを実施。施設内にある土渕保育園に通う4〜5歳児約30人と、センターを利用する10組ほどの親子が参加した。
読み聞かせが始まると、子どもたちは紙芝居に釘付けに。作中にある特産品クイズでは、我先にと手をあげ、のらぼう菜や梨など、答えを口にする姿が見られた。市農業技術支援センターの職員も参加し、のらぼう菜とつや菜の違いや魅力を説明。試食も行われ、幼児たちは保護者と「川崎の味」を堪能した。