ENJIN 結成4周年、新たなスタートをきった8人の決意 “大人セクシー”な2ndアルバム『Inception』に込めた想いを聞く
昨年12月31日をもち熊澤歩哉がグループを卒業したことで8人組の新体制になり、グループ名は円神からENJIN(読み:エンジン)へ。メンバー名もA.rik(エーリック)、RYONO、TSUBASA、HYUGA、TOY、TAIGA、SOL、KYOへと表記を変え、新リーダーにはTOYが就任し、新たなスタートをきった。結成4周年を迎えたダンス&ボーカルグループとしての彼らの決意、その熱い思いがみなぎる作品となった2ndアルバム『Inception』について、そしてグループを卒業した熊澤への想いにも触れながら8人に話を聞いた。
――まずは、新体制になったENJIN始動に際してのみなさんの想いを、各々1ワードで表現してみて下さい!
RYONO:「海外進出!」。それを視野に入れて、インスタやTikTokで毎日投稿し始めたら、1ヵ月で海外のフォロワーさんが10万人も増えたんです。本気で海外目指していきたいです。
TOY:「メジャー」。自分たちがメジャー、俺たちが主流になってやるぞという意味です。
HYUGA:僕は、「新エリア」。テーマパークがあったとしたら、そこに新エリアが加わった感じ。
A.rik:「猪突猛進」。(スマホを見ながら)猪が突進するように……。
TAIGA:読むんじゃないよ(笑)。(意味は)みんな知ってるから。(SOLとKYOが?顔になっているのを見て)すいません、この2人はあやしいです(笑)。
A.rik:これからのENJINもがむしゃらに突き進んで、勢いよくInceptionできたらなと思います。
TSUBASA:「ネクストレベル」。今までとは違うようというのをみなさんに見てほしいなという想いです。アルバム『Inception』でもう一段階上げたダンスのパフォーマンスや歌唱力を出していきます。
TAIGA:僕は、「意思表示」。ENJINという表記もさっきRYONO君が言っていたように、海外進出の意思表示であったり、『Inception』に収録された楽曲も僕たちの意思表示。どの素材も僕たちの決意がつまった意思表示なんです。今回はヴィジュアル一つをとってもそう。前とは明らかに変わってると思います。ダンススキルもボーカルスキルも、どこをとっても僕たちは今後メジャーになっていくんだという意思表示がつまっていると思います。
SOL:「仲良し」。今年は世界の人ともファンの人とも、メンバーとも、もっともっと仲良くなって、絆が深まればいいなという気持ちで仲良しにしました。
KYO:「やってやんぞ!」僕ら6月で結成4周年なんです。ここでまた僕らの新しい魅力、新しい僕らをみなさんにお届けしたいなという気持ちと、これからマジでやんぞ、という意味も込めて、気合いのこもったメッセージ性のあるワードを挙げました。
――新体制での新たな始動を告げる2ndアルバムに『Inception』というタイトルをつけた理由は?
TOY:直訳すると、“発端”とか“始まり”という意味になるんですけど。今年からグループや名前の表記が変わったり、新しいENJINになったという意味を込めて、ここからが本当の始まりだぞという気持ちでInceptionというタイトルにさせていただきました。いままでのENJINとは違った新しい一面を見せたいと思い、今回は“大人セクシー”をテーマに、アルバムに収録した新曲を制作しました。いままでに掲げたことがないテーマなので、そこはミュージックビデオやボーカルの声色、曲調から感じてもらえると思います。
――ということは、アルバムのメインアー写も?
TAIGA:大人性セクシーはテーマになってます。メンバーによっては衣装の布が少なめで。いままでのビジュアルで肌の露出はあまりしてこなかったんですけど、ここまでの期間にメンバーみんな体作りを頑張ったんです。
TOY:あと、いままでの楽曲には露出が似合わないというか。
TSUBASA:たしかに。曲調が爽やかで。
TOY:ポップだったから。そこから曲調も変わってきたので、肌を出しても似合うかなと。
――アルバムの新曲に合わせて体作りまでしていったということですか?
TAIGA:そうですね。事の発端は、みんな“変化”というのが頭にあったからだと思います。新曲もそうですけど、ビジュアルでも変化を見せるために各々体を大きくしたりシュッと引き締めたり。いままでとは違う、変化した自分を見せるのが大事だったから、各々一生懸命取り組んだ結果がこれです。
――なるほど。では、アルバム『Inception』の楽曲について聞かせて下さい。アルバムには新曲を含め、計10曲が収録されています。今作のなかで各々推し曲を1曲ピックアップして、楽曲紹介をお願いします。
RYONO:僕からいきますね。僕は「Killa」が曲調的にめちゃくちゃ好きなんです。
――サウンドもパワフルで、歌詞も強い意志を歌いこんでいる曲ですよね。
RYONO:はい。この曲はメンバーのKYOが振り付けと構成を考えたんですけど、カッコいい曲調をめちゃくちゃ活かした躍動感ある動作と、単純なんだけどメンバー全員が揃うとど迫力を与える動きが「Killa」の魅力をさらに引き出してくれたので、すげぇなと思いました。サビの振り付けにぜひ注目してもらいたいです。
KYO:この曲はライバルを押しのけてでも上にいくぞという気合いのこもった歌詞で、音的にもガツガツしたサウンドだったので、そこを意識して振り付けは作りましたね。
TOY:「Killa」はアルバムの1曲目だから、僕は2曲目の「Major」を紹介したいと思います。この曲はアルバムのリード曲で、新生ENJINはこれからどんな道を進んでいくんだろう?ってみなさん気になっていたと思うんですけど、まさにこの歌詞に、これから自分たちが進んでいく道が記されているんです。俺たちがMajor、主流になっていくんだぞという強い気持ちが込められた歌詞なんです。なかでも、僕が好きなところは《慣れてきていたんでしょ? You donʼt even know まだこれから Showtime》という一節で。いままでのENJINに慣れてきていたんでしょ、でも本当の僕らはまだ見れてないんだよ、これからが本当のShowtimeだよ、と言ってるところがいまの自分たちと重なってて、すごく好きなんです。ここはTSUBASAが歌ってるんだよね?
TSUBASA:そうです。
TOY:これを聴いて、進化したENJINをライブで観て“あ! 変わったんだ”というのを実感してもらえたらめっちゃ嬉しいなと思う。
TAIGA:それ、ライブの前に実感したよ。6月1日にサブスクで先にこの曲が解禁になったんですけど。みんなのリアクションが楽しみで、解禁直後からずっとエゴサしてたんです。そうしたら、まさにいまTOY君がピックアップしたフレーズをファンの人たちがピックアップして“次のライブが楽しみ”っていう感想を書いてくれていて。
TOY:おぉー!!
TAIGA:だから、やっぱりここはすごいファンには刺さってるんだなと思って。
TOY:それ、めちゃくちゃ嬉しいな。
――でもこれ、自分たちが書いた歌詞ではないんですよね?
TOY:はい。そこは作家さんが僕たちのいまの気持ち、意志を汲み取って作詞をしてくれたのかなと思います。
――実際に自分たちで書いていない歌詞でも、自分のいまの心情とリンクしていくことは。
全員:あります!!
TAIGA:いままでの楽曲ももちろん大切なんです。けど、最近よくメンバーと話しているのは、今回の新曲の曲調や歌ってること、これが僕たちがデビュー当時からずっとやりたかったことだよね、という話をよくしてて。それぐらい新曲の歌詞は僕たちの想いが全部まるまる乗っかっちゃってる状態なんです。だから、僕たちが書いても書かなくても変わらないんですよ、そこは。歌詞に合わせて気持ちを作らなくても、歌えばそのまま自ずと気持ちが乗っかっちゃう。だからこそ、ファンの方にもすぐにあのフレーズが僕らの気持ちとして伝わったんじゃないかなと思いますね。
――では、次はHYUGAさんお願いします。
HYUGA:僕は新曲のなかの「Danger」です。個人的にこの曲はデモをもらった段階からメロディーやハウス調な曲の雰囲気がオシャレで好きだったんです。歌もラップがつまってたり、ちょっとウィスパーな歌い方が多かったり。1曲でいろんなところが楽しめるんです。歌詞はちょっとセクシーな歌詞なんですけど。
――ちょっとどころではない気が…(微笑)。
HYUGA:まぁ言っちゃってますよね(照笑)。でもそれをオシャレな言い回しで書いていて。ダイレクトにセクシーなのではなく、嫌味のない感じで書いてるところがオシャレやなと思ってます。これはTSUBASAが振り付けを作ってくれたんですけど、昨日もその振り入れをしてたんですが、TSUBASAって音の取り方が細かいんですね。そういうところにも注目しながら振り付けは見てほしいですね。
TSUBASA:ありがとう(照笑)。「Danger」に関してはセクシーさも醸し出せるようになった僕らを見てほしいというところと、レベルアップした僕たちは危険な存在だよという意味合いも込められているなと捉えて振り付けは考えました。歌詞のなかに、サビ以外で2回出てくるフレーズがあって。《Stopgofastslow》という英詞のところなんですけど。僕はここを振り付けの肝にしてて。1回目は構成で見せる抽象的な表現なんですが、2回目は“そういう意味合いだったんだ”というのが分かるような振り付けにしているんですよ。
――そんな仕掛けが振り付けに?
TSUBASA:はい。「Danger」の大人の駆け引きのなかに見えてくる色気とかセクシーさ。それを、段階を経て見えなかったところが見えてくるような振り付けで。しかもそれを、大人の余裕ある雰囲気で踊ってるところに注目してほしいです。
A.rik:僕は「Candy Poppin’」をオススメしたいです! その理由は、この曲は新しいENJINと、いままでの円神=かわいい/爽やか/ポップという、その間にある曲だからです。新しく変わるために、僕たちは英語のレッスンとか、歌のなかにラップをもっと入れていこうという感じになって、ラップのレッスンとかもしていたんですね。それで、この曲から英語もラップも増えたんですよ。
――あ、ホントだ!
A.rik: しかも、ラップはTSUBASAが作詞をしているんです。新しい僕らと前の僕ら、どっちもつまった曲で、新しいENJINに向かうためのターニングポイントになった曲でもあるなと思います。
――次はTSUBASAさん、お願いします。
TSUBASA:はい。僕がチョイスしたのは「Wanna Love Me」です。いままでの僕たちは爽やか目の曲で、みんなで明るく楽しく会場一丸となって盛り上がろう、というパフォーマンスの仕方をしていたんですけど。そのなかにちょいちょいガツガツした曲や、ちょっぴりセクシーな曲も散りばめていたんですね。そのちょっぴりセクシーな曲の一つがこれ。だからこの曲は、サビ以外は日本語なんですよね。思いっきりガツガツした「Major」や最新の大人セクシーな「Danger」という曲を持ったいまの新しい僕らが、この曲をパフォーマンスしたときにどうなるのかがすごく楽しみで。そんな期待を込めて、僕はこの曲を選びました。僕ら、体作り以外にダンスレッスンもたくさん受けさせてもらって。ここまでの間に体の表現の幅もいろいろ増えたと思うので、こういう既存のセクシーな曲もさらにパワーアップして表現できるんじゃないかなと思うんです。この曲をパフォーマンスしたとき、前と違うなという見え方をしたら嬉しいなと思います。
――「Danger」があることで、アルバムではこの曲のセクシーさがシングルのC/Wだったときよりも際立って聴こえました。
TSUBASA:「Wanna Love Me」、「Spellbound」と並んでいるところで物語が続いていって、そこからさらに深い関係になって「Danger」に繋がっていく、みたいな捉え方もできますよね。セクシー3連単!!
――ナイスなネーミングですね。では、TAIGAさんはどうですか?
TAIGA:僕は「Superb Love」一択なんです。もう大好きなんですよ。
――昼間の恋愛のほうがお好きだと(微笑)。
TAIGA:夜も好きなんですけど(爆笑)。まあ、それは冗談ですが。僕がこの曲を好きなのは、どんなテンションのときにでも聴けるっていうところなんです。耳馴染みがいいっていうところではダントツ好きなんです。だから、僕は毎日この曲だけは聴いてしまうんです。アーティストさんって普段は自分の曲は聴かないと思うんですが、僕はこの曲だけは聴いちゃうんですよね。アップでもないしバラードチックでもない。その間をいってるからいつでも聴けるんです。あと、僕たちは『PRODUDE 101 JAPAN』というオーディション番組の出身なんですけど、そのときに一緒だったOWVの本田康祐君がこの曲の振り付けをしてくれていて。ハートに羽を付けてエンジェルハートを作ったり、メンバーが横一列になって肩に手をかけたり。ライブで可愛さが映える、見どころの多い振り付けになっているんですね。今後は「Major」や「Killa」をライブのセットリストに組み込むことで、よりこの曲がいい味を出してくれるんじゃないかなと期待してます。
SOL:僕は、まだ出てない曲を選びたいところなんですけど、自分はめちゃくちゃ「Killa」が好きなので、同じ曲になってもいいですか?
――もちろんです。
SOL:曲の雰囲気からして、ライブでやるときは演出で炎が出ていそうなぐらいガツガツしている曲で。男らしいところも好きで。曲の始まりが《YeahMake way for the new killa in town》というんですけど。ここは、“俺たちがこの街にお前らの心を奪いに来たぜ”という感じで、俺らがすべてを奪ってやる、みたいな強さがカッコよくて好きですね。この、強くて男らしい感じはいまのENJINだからこそ表現できるのかなと思います。
KYO:困ったな~。俺も「Killa」が好きなんですけど。アルバム全曲好きなんで、ここは「MERRY GO ROUND」にします。これ僕、すごい好きなところがあって。それはメロディーなんですね。このメロディーを聴くだけで、あくまでも僕はなんですけど、メンバーと過ごした風景、切磋琢磨してきた時期を強烈に思い出すんですよ。去年ツアーでこの曲をやってたので、そのときのファンのみんなの嬉しそうな顔が蘇りますし。きっとこれからも、ずっと心のなかに残っていく曲だと思います。聴くだけで、涙が出そうなぐらい過ごしてきた時間や思い出が刻まれてる。自分だけかもしれないですけど、僕はこの曲を聴いたらそういう感情になるんですよ。楽しい曲なのに。
TAIGA:KYOはライブの演出を担当していたから、この「MERRY GO ROUND」をリリースする時期にちょうど全国ツアーもあって大変だったから、心情的に思い入れがあるのかなと思いますね。
KYO:そう! その通り。いまTAIGA君が言ってくれたことを言いたかった。
HYUGA:この曲だけじゃなくて、どの曲もそのときの心情を思い出すよね。
――アルバムのお話はここまでなんですが、いまKYOさんがライブの演出を担当していたとおっしゃってましたが。各々いろんな担当をかかえてらっしゃるんですか?
TAIGA:前までは。衣装やグッズのデザインもメンバーがやっていました。でも、それも全部リニューアルして。
TSUBASA:信頼できる方に任せて、僕らは歌とパフォーマンスに集中していく方向にシフトチェンジしました。
――音楽だけに集中して本気で次のステージを目指すということですね。
KYO:はい。ガチです!!
TAIGA:それをライブで意思表示して届けていく。それが、今後僕らがやっていくべきことなのかなと思ってます。
――アルバムの初回限定盤には、昨年グループを卒業した熊澤さんの卒業公演のドキュメンタリー映像が収録されるそうですが。メンバーが9人から9人になって、何が一番変わりましたか?
TOY:今年になってA.rikが怪我しちゃって、7人でパフォーマンスしてた時期があったんですけど。そのときは、ステージってこんなに広かったんだってシンプルに感じて。一番変わったのはステージの広さですね。あとは歌割り。
SOL:いままでの熊ちゃんのところは、ライブではRYONOが歌ってるんですよ。熊ちゃんの意志を継いで。
RYONO:僕、ENJINのなかで一番仲が良かったんですよ、熊ちゃんと。お互い昔から悩みとか言い合いながらご飯に行ったりして、この3年間、熊ちゃんとの思い出がいっぱいあったので。熊ちゃんの想いを継いで、もっともっとENJINを大きくしたいですね。
TAIGA:だから、背負う想いが増えたっていうところが変わったところだね。一番大きく変わったのはそこですかね。
TOY:熊に恥ずかしいところは見せられへんし。進化したところを見せないと顔向けできないので。そこは1人欠けた分、さらに一人ひとりが頑張らないといけないなと思ってますね。
――「Overheeeeeeeeet」の表記は今後どうなるんですか?
TOY:そのまんまです。これでeを8個にしてしまうと悲しんでしまうファンの方もいるでしょうし、俺たちも寂しいので。変わらずeは9個のまんまで。
――分かりました。新しいENJINは何を武器にメジャー、主流を狙っていこうと考えてますか?
TSUBASA:僕らはいろんなジャンルの曲があるということと。あと、ENJINは深掘りしていったらすごくハマる。それぐらい多種多様な人間が集まってるところですかね。1回入ったら誰かしらにハマるだろうというのは、僕らの武器かなと思ってます。
TOY:楽曲とかダンスは武器なんですけど、全ジャンルのイケメンがいる。世界で、それぞれ好みはあるとは思うんですけど、誰か一人はヒットする。メンバー各々、身長、顔の系統、キャラクターがまったく違うので、そこは武器の一つかなと思いますね。
TAIGA:僕らはコロナ禍でのデビューでもあったので、いままでは知られる機会があまりなくて、正直に言うと伸び悩んでいたと思うんです。日本武道館に立ちたいとデビュー時から言っていたのに、いまもその目標が叶えられてないですからね。だからこそ、僕たちがここから這い上がっていくためには今日お話ししたように大きな変化は必要で。それで、最近になってやっと大きなステージに立たせていただいたり、対バンをさせていただく機会が増えてきたので、他のアーティストさんにはないこの個性を活かしながらこの先も変化していけば、知ってもらえる機会さえあれば、絶対誰かにハマるんじゃないかなと。そこは自信をもって言えるところです。
――分かりました。今後のENJINは、このアルバムを引っさげてツアーも計画されているんですか?
TOY:そこは今後のお楽しみと書いておいてください。
取材・文=東條祥恵