源氏物語の世界観を表現!螺旋階段でつなぐ四季のフロア『珈琲春秋Kobe 三宮店』 神戸市
神戸・岡本で2004年に創業した『珈琲春秋Kobe』は、自家焙煎コーヒーと居心地の良さで地域に愛されるお店。今回は昨年6月にオープンした、春秋6店舗目となる三宮店に行ってきました。
場所は、三宮センター街の一本南の通り沿い。買い物スポットもあり、人通りはかなり多いところ。朝7時から22時までの営業時間とあって、いつでもお客さんで賑わっています。伺ったのは平日の午後4時でしたが、お客さんの出入りはひっきりなし。
春秋の店舗の中でも、路面店なのは岡本本店と同店のみ。重厚な外観は通りから目を惹きます。
三宮店の立ち上げを担当されたゼネラルマネージャーの早柏(はやかし)さんによると、同店のテーマは「源氏物語」。入口の店名パネルにも「珈琲春秋神戸 三宮六条院」とあります。
源氏物語の主人公、光源氏の住まいである六条院に足を踏み入れるかのような遊び心ある設定に、なんだかワクワクしますよね。
中に入ってみると、右手には深い色合いの木製カウンターがどっしりと置かれています。春秋らしい赤い壁紙が印象的。
そして店舗奥には、豪華な螺旋階段が!同店は地上2階、地下2階の4フロア、全180席あるんです。見上げると、螺旋階段をとり囲むように書棚が供えられています。
谷崎潤一郎や円地文子といった、名立たる小説家による「源氏物語」の現代語訳も並んでいます。取材日は3月だったので、素敵なひな人形も飾られていました。
4つのフロアはそれぞれ日本の四季をテーマに、趣向をこらした部屋になっています。
地下2階は、紫と緑という寒色の壁紙で”冬”を表現。居心地良さそうなソファが並び、最下階ということもあって、つい長居してしまいそう!
囲炉裏を置くという構想もあったんだとか。
地下1階は”秋”のイメージで、壁の赤が紅葉を表現しています。
1階のフロアは”夏”。壁に掛けられた絵にはさわやかな夏の花が描かれています。
2階へ上がると目に飛び込んでくるのは、淡い色のグラデーションが可愛い藤棚。ここで写真を撮るために来られるお客さんも多いんだそう!
ガラス屋根からは光が降り注ぎ、明るい空間に。藤色の壁紙で統一された”春”のフロアです。
ここに三宮店をオープンしたのは、このユニークな建物をジュンク堂書店が買い取り、神戸らしいお店にしてもらいたいとの意向を受けたのがきっかけだったそう。
必要な箇所のみリフォームをしていますが、螺旋階段や2階のガラス屋根などはそのまま利用してうまく空間づくりをしています。2階の藤棚は、複数店舗で色違いで購入したものをうまく組み合わせてグラデーションに仕上げたのだそう!
趣の違う4フロアなので、どこに座ろうか迷ってしまいますよね。席が決まれば、1階のカウンターで注文を。階数を伝えてメニューを運んでもらいます。
今回お願いしたのは「自家製ホワイトソースのグラタンセット」。ホタテやサツマイモを中心に、パプリカ、ズッキーニ、しめじと、とにかく野菜の種類が豊富!具材は季節ごとに変わります。
看板商品の春秋ブレンドは、兵庫区の「春秋珈房」で自家焙煎した深煎り豆を中心にブレンド。酸味が少なく飲みやすい味で、ほっこりと落ち着きます。
創業から20年以上続くメニュー「野菜と卵のサンドウィッチセット」は、トマトの角切り入りのタマゴと、コールスローサラダをサンド。パプリカや大葉の風味がアクセントになった春秋にしかない唯一無二の味です。
アイス珈琲は春秋らしくマグカップで提供されます。他の焙煎所では釜が痛むのでやらないというくらいに深煎りした、ストロング豆を使っています。苦みに加えて豆の香りとコクがスゴイ、飲みごたえのある1杯でした。
これだけ席数があっても、土日や祝日には並んで待つこともあるんだそう。その人気の秘密は、趣向を凝らした映える空間と、20年変わらず「春秋らしさ」を極めたメニューにあるんだなと感じました。
定番のオリジナルコーヒーを始め、ドリンク類は専用窓口からのテイクアウトも可能です。
場所
珈琲春秋Kobe 三宮店
(神戸市中央区三宮町1丁目4-22)
営業時間
7:00〜22:00
定休日
なし