旅客線化を求める市民協 自民幹事長に要望書 実現へ地域一丸を強調
リニア中央新幹線関東車両基地回送線の旅客線化を求める市民協議会(関戸昌邦会長)は4月15日、自由民主党本部で森山裕幹事長と面会し、旅客線化の実現へ向け要望書を手渡した。
今回の訪問には、相模原市の本村賢太郎市長、愛川町の小野澤豊町長、清川村の岩澤吉美村長が同行。会のメンバーである津久井商工会、津久井観光協会、藤野商工会、愛甲商工会の会長や関係者ら14人で面会し、地域一丸で旅客線化を望んでいることを訴えた。
面会では関戸会長が旅客線化への地域の思いを森山幹事長に直接伝えた。関戸会長は「リニア中央新幹線の旅客線化は、国が注力する『観光立国』『国土強靭化』『地方創生』の3つのテーマに集約されるものであり、国の施策をここで実現できるという話を伝えた」と言う。さらに、「リニア中央新幹線で鳥屋に車両基地ができ、地域に線路が敷かれるなら、マグネットのように人を集めるものにしなくてはならない。決して地域にストロー現象を起こしてはいけない」などと主張した。
森山幹事長は、エリアの地図を見ながら関心を示したという。関戸会長は「国交省とJR東海に話をすると言っていただけた。もしかすると、旅客線化のために線路を地域に敷いてほしいという要望だと思っていたのかもしれない。そうではなく線路は敷かれるから、それに乗客を乗せてほしいという要望というのを改めて説明した」と言う。
国の将来見据えて
同会は2017年に設立。リニア中央新幹線の橋本に新設される神奈川県駅(仮称)から鳥屋の車両基地までをつなぐ車両を「回送線」ではなく、「旅客線」にしてほしいとJRに要望している。しかし、それに対しては「JRはないと回答している」と関戸会長は話す。
現状に対して、「線路が地域を通り、車両基地ができるのに、これを使えなければ地域の大きな損失でしかない。さらに、これは地域のわがままではなく、国の将来を見据えたもので、『観光立国』『国土強靭化』『地方創生』といった国の3つの施策にも十分にかなうもの。津久井地域は宮ヶ瀬、高尾山、少し先には富士山があり、旅客線になれば大きな可能性が開ける。しかし、回送線だけになってしまったら、これらの施策に逆行することにもなる」と思いを述べる。
今回の面会に関戸会長は手応えを示しており、「話を聞いていただけて可能性ある未来を感じている。今回は3市町村の首長にも同行いただき、地域が一つにまとまっていることをアピールできた。今後は決起集会の開催など、さらに活動を加速させていきたい」と意気込みを見せた。