懐かしの旧車たちが丹波篠山に大集合!中兵庫クラシックカーフェスティバル【兵庫県丹波篠山市】
最近は全国的に自動車愛好家たちが開催する催しがたくさん開かれています。
筆者が住む兵庫県丹波篠山市を含む丹波地方周辺でも複数の自動車関連イベントが毎年開催されています。
愛車を広場でディスプレイするだけでなく、京阪神の都市部と比べて信号機も渋滞も少なく快適な丹波地方の道路でドライブを楽しみつつ 、愛車が走る姿を披露しながらパレードできるのがこの地域のメリットといえるでしょう。
そんなのどかな環境の中にある丹波篠山市の「黒豆の館」駐車場にて開催された中兵庫クラシックカークラブ(前田茂 会長)主催の中兵庫クラシックカーフェスティバルを取材してきました。
欧米先進国では自動車文化が古くから浸透しており、その形態も多様で幅広くクラシックカーを保存、維持する活動も非常に盛んです。そういった背景をよく表しているのか、たとえばドイツなどでは日常の足にする以外のクラシックカーに関しては自動車税の優遇制度があるくらいです。
税制に関しては欧米と逆行する我が国、欧米諸国より自家用車の普及が遅かったのでいまだに「ぜいたく品」としての側面が強調される傾向があるのかもしれません。
とりわけ都市部では住宅事情が良くないということもあり自動車の複数所有がなかなか容易ではない日本ですが、しかしながら日本人の自動車愛好家、とりわけ旧車維持に関しての総合的なレベルは世界的に見ても決して低いものではありません。きちょうめんな日本人の気質からくるのか自動車の保存状態の良さに関しては世界屈指のものを感じます。
関西地方の阪神間地域や北摂(ほくせつ)地域、さらに丹波地域は、古くから大都会だった大阪市、京都市、そして神戸市に隣接した郊外だったせいか敷地に余裕があったため住宅事情が比較的良く、また富裕層も多かったことから、首都圏に先んじて自動車文化が定着していたと言われています。東名高速道路よりも名神高速道路の開通のほうが先だったのもそのあらわれのひとつかもしれません。
もともとこの中兵庫クラシックカーフェスティバルは隣の兵庫県丹波市で開催されてきましたが、収容車数の関係で近年は丹波篠山市に開催場所を移して続けられています。
実行委員会の山本勝博さんは、以前から愛車で各地の旧車イベントを巡ってこられた方で、地元である丹波地方でも行えたらと思ったのがこのイベントがスタートしたきっかけだったそうです。兵庫県丹波市がまだ市制を施行する前の旧氷上(ひかみ)郡だった20年以上も前のことです。
地域密着型でまた素朴な愛好家が多く、関西では数少ない無改造のオリジナルな状態の車両中心のイベントとして続いてきたことがこのイベントの大きな魅力となっています。
参考文献:別冊CG 自動車アーカイヴ 二玄社
※写真は全て2025年4月5日筆者撮影