尾根幹線 4車線化工事進む 完了時期は未定
町田街道につながる南多摩尾根幹線道路の4車線化などの整備が進められている。橋りょうの基礎工事や陸橋がかかり、事業を担当する東京都南多摩東部建設事務所によると、現在は主に4カ所の工事が進行しているという。
尾根幹は町田街道から、八王子・多摩両市などを経由し、多摩川にかかる多摩川原橋までの約16・5キロに及ぶ都道。町田方面から、都心方面を結ぶ道路として活用されている一方、週末や通勤時間帯には交通渋滞が発生することが少なくなく、混雑を避けるため、周辺の生活道路を通過しようとする車両が多い点が問題となっている。
そのため、都は交通渋滞緩和を目指し、2車線から4車線化などの整備を進めてきた。現在、主に工事が進められているところは4カ所。稲城市などの東側区間ではJR武蔵野(貨物)線にかかる堅谷戸大橋のエリアで、橋りょうの基礎(足)となる工事が始まっている。
トンネルも
また、昨年施工会社との契約がまとまり、まもなく工事が行われるのが、約1・8キロのトンネル区間。この多摩稲城トンネル(仮称)は多摩市聖ヶ丘5丁目から稲城市長峰3丁目の区間で、多摩市方面と稲城市方面に向かう2車線のトンネルがそれぞれ整備される。トンネル内には消火栓など非常用設備が配置され、6カ所で隣のトンネルと接続し、緊急時には隣に避難できる構造になっているという。
一方、多摩市などにかかる西側区間では、中央卸売市場近くに南野陸橋(仮称)をかける工事が進められている。尾根幹と交差する鎌倉街道をまたぐようにかかる予定だ。加えて、多摩市の鶴牧中学校近くでは、4車線の幅を保つため、高低差を無くすための擁壁工事が行われているという。
2021年の計画では国から事業認可を受けている期間は2029年度までとなっているが、都の担当者は「トンネルの掘削だけでもおよそ6年はかかる。工事はそれ以降も続いていく」と話し、全線4車線化の完了時期は未定としている。