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憧れたバイカーたちの足元を飾った、意図せず生まれる当時のリアルな茶芯。

Dig-it[ディグ・イット]

ブラックに染めた革の下から、茶色い素地が“浮き出る”通称「茶芯」と呼ばれるこの現象が、なぜここまでブーツ好きを熱狂させるのか。今回は、「福祿壽」代表・奥山武さんにお話を伺った。

アメリカ人のいい意味での適当さ、大らかさこそ茶芯の魅力。

18歳で靴の修理を学ぶために上京し、現在では東京でブーツの修理といえば「福祿寿」と言われるほどの確固たる信頼を築き上げた奥山さん。

ブーツへの愛情もひときわ深く、15年以上前に友人から譲ってもらったという1足を見せてくれた。

「高校生の頃にバイクに興味を持ち、卒業後ハーレーを買いました。ハーレー乗りならば’50年代のアメリカのバイカーたちに憧れるのは必至で、例に漏れず僕もそのひとり。当時の写真を眺めることが好きでしたね。目に映るバイカーはみんなブーツを履いていて、そのうち自然とブーツに惹かれ、仕事にしてしまうほどにブーツ好きになっていったんです。

修理業という商売柄、旧いブーツはかなりの数を見てきました。最近はオリジナルのブーツを作るようになり、ものづくりに正解がないんだなと思う一方、修理業の正解はひとつで、履き潰された靴をどれだけ購入した状態まで戻せるのか、これに尽きると思うんです。

なので、できるだけ多くのオリジナルを知っておくためにもヴィンテージを見るようにしています。当時の縫製や部材などオリジナルを知っているからこそできる忠実な修理というものがあると思うんですよね。

そんな理由もあり、この靴も僕が旧い靴を収集しているということを知っていた友達が連絡をくれて譲ってもらったんです。これは’50年代、憧れるた時代のブーツです。当時は茶芯なんて言葉は存在していないので、このブーツも計算してブラウンをブラックに染めたというわけではないと思います。

茶芯という言葉が生まれた時も、ブラックレザーが足りなくなり、仕方なくブラウンを黒に染めたことが始まりです。そういったアメリカ人のいい意味での適当さというか、大らかさが垣間見えるところが僕にとっての茶芯の魅力ですね」

「福祿壽」代表・奥山武さん|高校卒業後、靴修理を学ぶため上京。2002年、三ノ輪にオープンした「福祿寿」は、月に500足以上の修理を手がける、ブーツ愛好家の駆け込み寺として信頼を集めている
’50s Vintage Santa Rosa

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