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「市地震防災戦略」内容は? 近藤戸塚区長に聞く

タウンニュース

本紙のインタビューに答える近藤区長

新たな横浜市地震防災戦略が3月末に公表される予定だ。本紙では、策定目的や意義、内容のほか、戸塚区民に改めて取組んでほしい地震対策について近藤武戸塚区長に話を聞いた。

――横浜市が策定する「新たな地震防災戦略」について教えてください。

「横浜市防災計画に基づき、大規模地震の被害軽減に向けて横浜市が取り組む行動計画(アクションプラン)です。

防災・減災に関する市民アンケートや能登半島地震の被災地支援にあたった本市職員の声などを反映するとともに、12月に素案を公表、市民意見募集からのご意見等を踏まえ、まとめました。戸塚区でも多くの区民の皆様にアンケートなどのご協力を得ました。

新たな戦略では、大規模地震から市民の皆様の命と暮らしを守るための取組を進めます。例えば、在宅避難(自宅での避難生活)ができない場合に生活を送る場所である地域防災拠点について、トイレの洋式化や体育館の空調整備を進めること、避難者の栄養補助や衛生維持、プライバシーや就寝環境を向上させるための物資備蓄など、誰もが安心して避難生活を送ることができる仕組みの構築などを戦略に盛り込んでいます」

――地震防災戦略で戸塚区民に特に伝えたいことはありますか。

「能登半島地震で再確認された自助の重要性です。私たち行政も、市民の皆様の命と暮らしを守るための取組を進めていきますが、大規模地震に備えるには、皆様のご協力が必要不可欠。まずはご自身・ご家族の命を守るための備えをお願いしたいと思います。

新たな戦略では、発災前からの備えの強化を掲げています。例えば、圧死などを防止するための家具転倒防止器具の設置や、地震時の通電火災による出火を防止するための感震ブレーカーの設置の支援などを進めます。

ご自身・ご家族の命を守るため、ぜひご活用いただき、備えの促進を」

在宅避難を想定した準備

――在宅避難がポイントになります。改めて区民に用意・準備して欲しいものは。

「家具転倒防止対策などを挙げさせていただきましたが、次に避難生活のための備えとして、最低3日間分の水や食料、トイレパックなどの備蓄です。特にトイレについては、いざ使えなくなった時の生活への影響がとても大きい。忘れずに備えてほしいです。

また、今は家族・知人との連絡や情報収集ツールとしてスマートフォンを使う方は多いと思いますが、停電してしまうと充電できなくなり、使用できなくなることが考えられます。モバイルバッテリーなどの非常用電源を用意しておくことが重要です。

必要な備えは人によって変わります。水・電気・ガスなどのライフラインが止まってしまったとしても問題なく生活するには何が必要か、ご自分の生活を振り返り考えてみていただきたいと思います」

災害時に助かる「つながり」

――2025年度に戸塚区として力を入れて取り組んでいくことは。

「災害時に安心して在宅避難できるようにするため、引き続き在宅避難の周知や備えのサポートなどを行います。特に戸塚区では、区内の半数以上の世帯が集合住宅にお住まいという現状を踏まえ、居住者同士が手を取り合って集合住宅特有の課題の解決に向けて取り組むための『マンション防災ガイドブック』を新たに作成する予定です。

また、避難行動をサポートするためのスマートフォンアプリ『横浜市避難ナビ』について、操作方法をわかりやすく解説したチラシを配布し、本アプリの活用を推進します。区役所災害対策本部が災害時に確実に機能するよう、職員による訓練も強化します。

また、区の医師会はじめ関係者の皆さまと連携し、発災時に医師や看護職で編成される医療救護隊に関する訓練や情報受伝達をはじめとする医療機関との発災時を想定した訓練を引き続き実施します」

――最後に区民に呼びかけを。

「昨年夏には南海トラフ地震臨時情報が発表されましたが、横浜市においても災害はいつ起きてもおかしくありません。皆様にはこの記事を読んでいる今から備えを始めていただきたいと思います。

何から始めたらいいかわからないという方は、戸塚区役所ホームページや区役所窓口などで配布している『お家で避難リーフレット』を読んでいただけたらと思います。窓口で職員に相談いただいても大丈夫です。

また、周り近所とのつながりを作っておくことは、災害時における助け合いにつながります。つながり作りの第一歩として、ぜひお住まいの地域のイベントに行ってみたり、防災訓練に参加してみてください」

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