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【鎌倉 イベントレポ】湘南美術学院「基礎科祭2025」- 個性あふれるティーンの自由な表現を隅々まで堪能しよう!

湘南人

画像出典:湘南人

年に一度のアート祭り。若き感性光る作品たちを鑑賞しよう。

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湘南美術学院「基礎科祭2025」は、様々な芸術活動を楽しむことができる鎌倉芸術館のギャラリー1&2(JR大船駅東口から徒歩約10分)で開かれました。

2025年3月1日(土)~2日(日)の2日間に渡り開催された本イベントは、基本は年に1度開催され予約不要・入場無料。※来年度の開催時期は秋頃を予定。

湘南美術学院の生徒さん達によるフレッシュな感性を楽しめる、貴重なイベントです。

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筆者は表彰式の見学も兼ねて2日目に参加。入口でポストカードサイズのイベント案内をいただきました。高校2年生、鎌倉大船校の生徒さんが描かれたデザインです。

このイベントでは初日と2日目の正午まで、一般来場者による投票が行われます。参加型のアート展ということで、より楽しめます!

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基礎科祭では、美大受験を控えていない高校1・2年生の作品を中心に(中には中学生の作品もあり)、普段の授業の内容に留まらない、オリジナリティあふれる自由制作展示が行われています。

デッサンだけでなく立体や絵画など様々な美術作品を鑑賞できるのが嬉しいポイント。

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早速、一部の作品を紹介していきます。

こちらの作品タイトルは『息を吸って、目を瞑ったときの感覚』。作品の前で思わず立ち止まり、息を吸い目を瞑ってしまった作品。美術作品であれ、言葉であれ、はたまた料理など、表現したいことを何らかの形にする方法について考えさせられました。

高校2年生の作者曰く「自分が美しいと思ったものを寄せ集めた」とのこと。各受験科による賞を受賞した本作品は「言葉にできない感覚をどうにか形にしたい、という思いが感じられ表現手法に囚われていない点が良かった」と評価されていました。

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こちらは「抜群に上手い!とにかく上手い!」と評価、表彰されたイラスト作品『女神の水浴び』。

美少女系キャラクターは特に日本のそれ特有の「カワイイ」を感じることが多いですが、この作品は表情や仕草、フォルム、背景などにほんのり切なさと妖艶さが感じられ、一味違う魅力を感じます。

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湘南美術学院賞を受賞した『ムーンフラワー』。バクをモチーフにした立体作品です。

何故バクを選んだのか?とても気になります。関節の色が工夫されていたり、作品のネーミングセンス、細やかな作り込みと小技が評価されたこの作品。色味は落ち着いていますが、見ている人を明るい気持ちにさせてくれます。

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こちらは『傍にいる』という作品。ケージの中の透明な箱に生肉の塊らしきものが入っており少々驚きました。

作品についての説明書きには、世の飼い主のペット(犬)に対する愛についての違和感が記されていました。飼い主は、ペットの心に愛情を抱けているのか?と問いかけています。

受賞作品とはなりませんでしたが、動物の心だけでなく、人や植物、鉱物や身の回りの物質への愛情について思いを馳せるに至った印象深い作品です。

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他にも、自分が作品の一部となれる参加型の作品(写真)や、アニメーション作品などの動的なアートにも触れることができます。

作品の前で、作者の意図を推し量ってみたり、純粋に好みの作風の絵画の前で心ゆくまでその美しさを堪能したりと、静かで豊かな時間を過ごすことができました。

また、作品を鑑賞する中で、言葉で表現するライターとしても学びが多く、彼らと同じいち表現者として心や感性を磨き続けていきたいと感じました。

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さて、15時を回ると全20点の受賞作品が一部屋に集められ、表彰式の準備が始まります。

どの作品も生徒さんそれぞれの個性が立ち魅力的な作品でしたが、筆者が特に心を奪われた作品も表彰式会場に続々と運ばれてきました。

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受賞作品の発表と賞状は、主催の有限会社金沢アトリエ代表尾竹仁氏をはじめ、各科指導者からも授与が行われました。

筆者は鑑賞中「一体どんな人が、何故この作品を作ろうと思ったのか」に非常に興味が湧いたため、実際に受賞者の口からその思いや人柄を垣間見ることができ、とても満足しました。※表彰式は、取材のため特別に参加させていただきました。

金沢アトリエの尾竹仁氏曰く、時代の流れに伴い若者の作風は変わってきているようです。特に激動のコロナ渦を経験した彼らの表現は、今後も注目していきたいと感じました。

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最後に受賞作品を何点か紹介します。こちらは「金沢アトリエ大賞」を受賞した作品『大それた会議』。

ユーモアや色使い、設計や鑑賞者思いの作品であると評価されていました。筆者も、作品のネーミングと作風のギャップが気に入った作品。

金沢アトリエ代表の尾竹仁氏に制作中の生徒さんの様子を伺ってみると、「数学のように答えありきの取り組みではなく、答えの無い自分らしさを表現できる機会。皆のびのびと楽しみながら取り組んでいる子が多い」とのこと。作品に反映される作者のポジティブなエネルギーが、観る者にもしっかりと伝わっていると感じました!

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金沢アトリエ大賞は今回、特別に2作品が受賞。こちらはそのもう一つの作品『金魚』です。

ビビッドなブルーと、柔らかな金魚のフォルムにあえて直線を織り交ぜた作品。気付いたら立ち止まってしまうようなユニークさを持ち合わせています。

作者の自宅で飼っている金魚を描いたそうですが、ただ金魚を模写するのではつまらないため、直線を盛り込んだとのこと。鑑賞者がまんまと釘付けになってしまう仕掛けがなされた、素晴らしい作品と評価されていました。

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最後にご紹介するのは、一般来場者の投票による人気投票1位の作品『鯨』。この作品は、ダイナミックさと共に繊細さ、質感も楽しめる見応えのある作品です。作者はとにかく素材にこだわったようで、絵具も自らの手づくりとのこと。作品に対する思いを熱く語る作者の姿も印象に残りました。

いかがでしたでしょうか。ここで紹介した作品以外にも、素晴らしく、美しく、そしてユニークな作品が目白押しの本イベント。ぜひ年一度の基礎科祭、実際に会場で隅々まで堪能していただきたいと強く思いました。

また、基礎科祭にて受賞した作品は、金沢アトリエが運営するVALLOON STUDIO(東京・渋谷)にて選抜展を開催予定です(詳細は下記【選抜展 イベント概要】をご確認ください)。普段触れ合う機会の少ない、多感な現代ティーン達の表現を楽しめるおすすめのイベントです。ぜひチェックしてみてくださいね。【選抜展 イベント概要】イベント名:基礎科祭 優秀作品展 @ VALLOON STUDIO SHIBUYA開催期間:2025年3月28日(金)〜4月7日(月)時間:12:00 - 20:00(休廊日:火曜・水曜)会場:VALLOON STUDIO SHIBUYA(https://valloon.co.jp/studio/)入場料:無料(事前予約不要)

湘南美術学院「基礎科祭2025」-10代が創る、未来のアート-

開催期間

2025年3月1日〜3月2日 11:00〜18:00 ※2日目は表彰式開催のため15:00まで

開催場所

鎌倉芸術館 ギャラリー1&2
住所:〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船6丁目1-2

駐車場:あり ※有料

参加費

無料(事前予約不要)

主催

有限会社 金沢アトリエ

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