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【藤沢 イベントレポ】アートの本屋「メイテン」 - 50名のオリジナルZINEが大集合

湘南人

藤沢市民には馴染み深い「フジサワ名店ビル」は今年で築60年だそうです。八百屋や肉屋、本屋や喫茶店が入り、なくてはならない商業施設として昔から地元の方に大事にされてきました。

その「フジサワ名店ビル」がいま、アート系イベントの会場として盛り上がっています。

2025年7月19日(土)〜21日(月・祝)、フジサワ名店ビル3階にて、POPUPイベント『アートの本屋「メイテン」』が開催されました。

これはLandscape THEATRE(ランドスケープシアター)が運営する391theatre project(391シアタープロジェクト)の一環として開催されたものです。企画したのは江ノ島でギャラリー&カフェ「Gigi」を営む石川直也さんです。

アートの本屋、フジサワ名店ビルに現る

フジサワ名店ビルの3階、有隣堂の隣のスペースに現れた『アートの本屋「メイテン」』。

会場に入ると、両側の壁には「ZINE(ジン)」がずらりと並んでいました。企画者の石川さんが声をかけた50名のアーティストが「オリジナルであること」「作り手の思いが詰まっていること」をテーマに、過去のZINE作品や、新作ZINEを展示販売しました。

「メイテン」という企画名は、会場のフジサワ名店ビルに由来するそうです。フジサワ名店ビルという名前には「名店」揃いのビルにしようという思いが込められています。その意志を引き継ぐような、名品ぞろいのイベントを目指して命名されました。

「ZINE」ってなに?

「ZINE」とは何ですか、という質問に、石川さんはこう説明してくれました。

「ZINEはマガジン(magazine)のジンです。雑誌未満の冊子でも、きれいに製本されていなくても、作り手の思いが入っていればZINEだと思います。また、マガジン(magazine)は銃に弾薬を込める『弾倉』の意味もあり、転じてコレクションするというニュアンスも含まれています。」

 

ZINEというと詩や小説やエッセイが載る文芸の冊子を思い浮かべますが、今回参加されているほとんどの方は、普段から油絵を描いたり、彫刻をしたり、写真を撮ったりしているアーティスト。ZINEのかたちもより個性的です。

美術図録のようなZINEもあれば、スケッチをそのまま束ねたZINEもあり、彫刻作品を魚拓のように紙に転写したZINEもあり、木の小箱に絵を描いた小物入れのようなZINEもありました。

美術館で展示されるハレの作品と、アトリエで試行錯誤するケの時間を繋ぐのが「ZINE」なのかなと思いました。

  

今回は第1回「メイテン」でしたが、第2回の開催も考えていると石川さんは話します。

今後は企画ごとに店長を変えていき、新しい店長がアーティストを集め、毎回違う内容、違うアーティストと出会えるブックイベントにしていきたいそうです。今回ゆっくり見れなかった、足を運べなかった方には嬉しい知らせなのではないでしょうか。

391シアタープロジェクト

アートの本屋「メイテン」は、Landscape THEATRE(ランドスケープシアター)の391theatre project(391シアタープロジェクト)の取り組みのひとつとして開催されました。どんな活動をされているのか、Landscape THEATREディレクターの木津潤平さん、メンバーで美術家のTETTAさんにお話を伺いました。

ランドスケープシアターは「建物を持たない劇場」を意味するそうです。作品に適した場所を劇場として作り変える活動をしてきた木津さんは、これまで、江の島サムエル・コッキング苑での朗読会や、フジサワ名店ビルの空きスペースで「ロミオとジュリエット」の上演を企画してきたりしました。

グリーンルーム(フジサワ名店ビル6階)

391theatre projectは、藤沢駅南口の391街区(フジサワ名店ビル・ダイヤモンドビル・CD ビル)の空きスペースをアトリエやスタジオとして活用し、芸術家の活動の場を作るプロジェクトです。391というのは、藤沢市の都市計画の際につけられた土地のブロック番号なのだそうです。

グリーンルーム(フジサワ名店ビル6階)

案内していただいたのは、フジサワ名店ビルの6階です。そこには、劇場のバックヤードをイメージした「グリーンルーム」、その隣の部屋には、アーティストが作品を作ったり、練習するための「スタジオ」が出来ていました。アートの本屋「メイテン」の会場の「ブックシアター」も手掛けており、ビルの屋上や、ハゼノキ広場の活用も考えているようです。

スタジオ(フジサワ名店ビル6階)

391theatre projectはこの春、391街区を使って作品の制作・発表を行うアーティストを募集しました。応募の中から採択された、音楽家やダンサー、演劇団体など14組が、2025年から2026年の3月まで391街区を彩っていく予定です。

Landscape THEATREはいま、一緒に活動してくれるスタッフを募集しています。共催や、資材を置けるような空き場所、空き店舗、アーティストのための宿泊施設も探しています。アーティストの手伝いをしてみたい、391theatre projectを応援したい方はぜひLandscape THEATREまでご連絡ください。

これからますます面白くなっていきそうな391街区。アートの本屋「メイテン」にも、Landscape THEATREの活動にも、目が離せません。

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アートの本屋「メイテン」

開催期間

2025年7月19日〜7月21日 11:00〜19:00(最終日は18:00まで)

開催場所

フジサワ名店ビル3階
〒251-0055 神奈川県藤沢市南藤沢2-1-1

駐車場:なし

参加費

無料

主催

石川直也

協力

Landscape THEATRE

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