スマートなごみ箱「スマゴ」の力でポイ捨て激減! 道頓堀での活躍に2.5万人感激「ゴミの山はなくなりました」
大阪の代表的な観光地のひとつで、飲食店が多く集まる食べ歩きスポットとしても知られる繁華街・道頓堀。
国内外から訪れた多くの観光客で賑わうこの場所で活躍する「ハイテクごみ箱」が、X上で注目されている。
「食べ歩きの多い道頓堀に等間隔で設置された圧縮式のゴミ箱が絶大な効果を発揮しており、道にゴミは落ちていません」
2025年2月16日、大阪在住のXユーザー・けんたろう(@ken_ta_rou)さんがそんな呟きと共に投稿したのは、「道頓堀商店会」の文字が書かれたゴミ箱の写真だ。
たしかに、周囲の道は繁華街にしてはキレイに片付いている。とはいえ、ごみ箱自体はどこか変わったところがあるようには見えないが......。
このごみ箱が、いったいどうやって「絶大な効果」を挙げているというのだろうか?
スマートなゴミ箱、スマゴ
Jタウンネット記者が調べてみたところ、けんたろうさんが見かけたのは、フォーステック(本社:東京都千代田区)が販売している「SmaGO」というごみ箱。
ICT(情報通信技術)を活用することで、ごみの蓄積情報をリアルタイムで確認できる上に、貯まったごみを自動で圧縮する機能なども搭載された、〝スマートごみ箱〟だ。
同サイズのゴミ箱の6倍ものごみを収容することが可能で、状況はPCやスマホから確認できるため、効率的に回収ができるのである。
けんたろうさんがそのSmaGOを発見したのは16日の午後5時半ごろ。道頓堀を散策中、目に留まったという。インバウンドがごみをごみ箱に捨てている様子を見て、十分な数のごみ箱が等間隔に設置されていることと、その周囲にごみが落ちていないことに気づき、その効果を実感したという。
「テイクアウトで商売をしていながらゴミの持ち帰りのマナーに訴えることには限界を感じていたので、テイクアウトの多い道頓堀にはやはり必要な設備。 単にゴミ箱を置くだけではなく、ゴミ箱そのものの機能や処理施設のキャパも踏まえ、望ましい対応だと思います」(けんたろうさん)
スマートごみ箱はいつ道頓堀に現れ、実際のところどれほどの効果を発揮しているのか? 道頓堀商店会事務局にも聞いた。
「ゴミの山がなくなった」
道頓堀のSmaGOは23年1月に実施された実証実験を経て、同年11月に本格的に導入されたものだ。
11月16日付けで公表された道頓堀商店会・JTB・NTTコミュニケーションズ・フォーステック・合同衛生による共同リリースによると、道頓堀では商店街の道路にごみ箱が設置されていなかったことで、ポイ捨てごみによる景観悪化や公衆衛生の問題が発生していた。
2025年も大阪・関西万博の開催が迫るなか、その課題へ対応するため、実証実験として道頓堀商店会エリアの一角にスマートごみ箱を仮設置してみたところ、設置前と比較して約4割ものポイ捨てごみを削減できたという。
それだけの効果が見られたことで、本格的な導入への検討がスタート。国土交通省観光庁の「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業費補助金(インバウンド受入環境整備高度化事業)」を活用し、道頓堀商店会エリア内の計10か所に設置されることに。
「効果は絶大でゴミの山はなくなりました」
19日、Jタウンネット記者の取材に応じた道頓堀商店会事務局の局員は、SmaGOの活躍についてそう語った。
道頓堀のポイ捨てを見事に減らしてみせたスマートごみ箱の存在に、X上では2万5000件以上のいいね(20日昼時点)のほか、こんな声が寄せられている。
「全国にもっと増やして欲しい」 「食べ歩きを売り物にするなら、設置しとかないとだめですよね」 「インバウンドに限らず私達も街中でのゴミの行き場には困っているので、経費はかかると思いますがこういう取り組みが拡がって欲しいです」