ミャンマーで保護された日本人高校生、中国に詳しいルポライターが解説
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時)2月19日の放送は、“ミャンマー国境に中国系詐欺拠点”というニュースに触れ、中国問題を中心に取材・執筆している、ルポライターの安田峰俊氏が出演し、現地の状況を解説した。
野村邦丸(パーソナリティ)「タイと国境を接するミャンマーの東部カイン州の犯罪地区で、特殊詐欺に関わっていたとみられる愛知県に住む男子高校生らの日本人が保護されたニュースです。内線で政情が不安定なミャンマーの国境地帯に、中国系犯罪組織が拠点を置いて、偽の求人で呼び出された外国人が特殊詐欺に従事させられる事例が相次いでいます」
安田峰俊「東京新聞の記事には、東美園区にあったといっているのですが、似たような地区のことを現地ではパークと呼びます。このパークは日本の一部の報道では6カ所あると伝えられていますが、中国語系のニュースサイトで調べると、20数個あると書かれています。さらに、タイの事情に詳しい人に聞いたら30以上あると言われました」
邦丸「そんなにあるのですね」
安田「その1つについて、日本人が捕まっていることが明らかになっています。恐らく他の拠点でも捕まっているだろうと思われます」
邦丸「みんな騙されて、連れてこられているのですか?」
安田「ケースバイケースです。日本の場合は高校生もいるので、純粋に騙されたと思います。アフリカやブラジルなどから送られてるのですが、一部の人は最初から悪いことをやるとわかってて行ってる人もいるという話はあります」
邦丸「中の様子はどうなっていると考えられますか?」
安田「中国の犯罪組織が町1個支配している。完全に閉鎖されていて、周りは軍閥の兵士が固めていて逃げられない。行為に従事しなかったら、殴られる、拷問される。詐欺の成績が上がらなかったり、反抗したりする人は、一部のパークにおいては、内臓を臓器移植用に摘出されて、遺体は捨てられてしまう。そういった情報が少なくとも中国系のニュースではたくさん出ています」
邦丸「日本人の高校生はミャンマー政府に保護されたのですか?」
安田「ミャンマー政府は無力です。そもそもこうしたパークの話は、3、4年前からありました。ですが、ミャンマーは内戦を行っているので助けられる状況ではありませんでした。ですが、最近になって国際問題化されてきました。それによって、犯罪組織のほうが今の状況を継続するのはまずいとなって、拉致してる人をたくさん釈放してます。タイ国境にあるので、タイ側に送り出しています。恐らく男子高校生もそのパターンで釈放されたのではないでしょうか」