全国高校選抜大会 卓球男子 明豊 団結力で上位進出を目指す 【大分県】
卓球男子団体の県高校新人大会で優勝、続く九州高校新人大会で8位に入り、全国高校選抜大会への出場を決めた明豊。しかし、そこまでの道のりは決して平坦ではなかった。新チームは2年生1人、1年生3人。団体戦に出場できるギリギリの人数であることに加え、藤本賢司監督が「エースなきチーム」と言うように突出した力を持つ選手はいない。チームの総合力、団結力で勝ち上がってきた。
「今年のチームは1人でも欠けたら団体戦に出場できない。一人一人が自分の役割を自覚し、力を尽くす必要がある。体調管理も必須。九州新人は8位という結果に終わったが、選手たちはよく頑張った。1年生にも伝統校として負けられないという気持ちがみえた」。藤本監督の言葉通り、九州新人ではエース候補の横田卓磨(1年)を筆頭に、 負ければ全国を逃すという緊迫した試合で粘り勝ちをしたキャプテンの船橋一真(2年)、中学の頃からほとんど大会出場経験がないにも関わらず、勝利に貢献した一柳大翔(1年)、辰口直希(同)と全員が見せ場をつくった。信頼できる仲間と共に接戦を戦い抜いた経験、そこで手にした自信と悔しさを糧に選手たちは着実な成長を遂げている。
部員4人で切磋琢磨する
全国選抜での目標はベスト8。後進のためにもこれまで守り抜いてきたシード権をなんとしても死守する覚悟だ。そのためには練習あるのみ。現在は、基礎練習、細かい技の修練に励んでいる。「地味な練習が好きな選手は少ない。だが、それをしないと勝てない。極力ミスを減らし、地道にポイントを積み重ねる。全員が奮起すれば勝機はある」(藤本監督)。
決して楽な戦いではないが、選手たちも臆することはない。全国選抜出場の立役者である船橋は、「九州新人で最後に勝てたのは、2試合連続で負けて吹っ切れたのが大きい。負けたらどうしようというネガティブな思考が消え、純粋に卓球を楽しむことができた。自分は精神的に弱い部分があるので、この経験を生かしたい」、将来チームを引っ張るエースとして期待される横田は「先輩が残したベスト8を超えたい。目の前の一つ一つの戦いに集中したい」と静かな闘志を燃やしている。
4人という人数の少なさ、決して高いとはいえない経験値。自分たちの弱い部分を自覚しているからこそ、団結力、勝利への渇望は例年にも増して強い。全国ベスト8という大きな目標に向かって残りわずかな期間を全力で走り切る。
今年のチームは団結力で勝負する
(甲斐理恵)