特殊詐欺 「偽警官」に注意を 若い世代の被害目立つ
今年に入り、県内で特殊詐欺の被害が急増している。大和警察署(松本和彦署長)によると、国際電話番号からの不審電話が依然として多い中、犯人が警察官を装い被害者を巧みに「本物」と信じ込ませて金銭を奪うケースが目立っているという。同署では、被害に遭わないよう市民に警戒を呼びかけている。
同署生活安全第一課によると、「偽警官詐欺」などと呼ばれる詐欺の手口は、実在する警察署の代表番号を装ったり、末尾が「0110」のように警察を連想させる国際電話番号からの連絡に端を発する。
「あなたは犯罪に加担している」などと不安を煽った後、ビデオ通話に誘導。警察官を装った犯人が被害者に偽物の警察手帳などを示し、「身の潔白を証明するため」などと金銭を要求する。
5月に入り大和署には宮城県警や滋賀県警などの番号からこうした着信があったという相談が相次いでいるという。
同課の担当者は「ビデオ通話に映った犯人の制服姿や警察手帳は明らかに偽物だが、国際電話番号を偽装し、実在する番号から着信があると、被害者は信じ込んでしまう」と巧みな手口に警鐘を鳴らす。
こうした手口は、息子や親族になりすまして金銭をだまし取る「オレオレ詐欺」の典型例だ。
オレオレ詐欺は高齢者が被害に遭うケースが多かったが、「増加傾向にある偽警官の詐欺はより幅広い世代、とくに若い世代がターゲットとされる傾向がある」と担当者は指摘する。
対策
警察官がSNSで連絡を取ることはなく、警察手帳や逮捕状を画像で見せたり、キャッシュカードを預かったり金銭を要求したりすることも絶対にない。偽警官への対策として、担当者は「電話がかかってきたら応じず、電話を切る。相手が警察官を名乗るのであれば、部署・氏名・連絡先を聞き最寄りの警察署に確認を」と話す。
さらに、海外からの電話が不要な人は、一定の条件はあるが国際電話番号からの着信を無償で休止できる「国際電話不取扱受付センター」(【フリーダイヤル】0120・210・364)による着信休止手続きも対策に有効という。
4市の被害状況
今年に入り、県内の特殊詐欺の認知件数は506件で被害金額は21億5900万円(3月末時点)。大和市では14件・5440万円(4月末時点)、海老名市は11件・7993万円(同)、座間市は18件・6426万円(同)、綾瀬市は4件・350万円(同)となっている(暫定値)。