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電車の落とし物をメルカリで販売

TBSラジオ

皆さん一度は、電車に忘れ物をした事があると思います。
そんな最近の忘れ物、落とし物事情において、ある課題があるとのこと。
京王電鉄株式会社 鉄道営業部 佐藤亮介さんのお話しです。

驚きの落とし物事情

京王電鉄株式会社 鉄道営業部 佐藤亮介さん

2024年度は毎月約1万8000件の落とし物が届けられております。昨年度の月平均が1万6000件でしたので、毎月平均約2000件程度増えているというのが現状でございます。
数でいうとやはりコロナのころは、お客様自体がちょっと減少してしまいましたので、それに比例して届けられた数っていうのもかなり減ったんですけれども、最近はインバウンドのお客様だったりとか、また通勤のお客様も以前に戻りつつございますのでそれに比例して多く届いております。
例えば弊社に届けられた場合には、駅に1日から2日保管させていただいた後に、お忘れ物取扱所の方に送っておりましてそこでの保管も難しくなります。
またお忘れ物取扱所から飯田橋にある遺失物センターの方に全て送付をさせていただいてるんですが、忘れ物取扱所から飯田橋さんの方に輸送するコストだったりとか、一つの課題ではございました。

・昔から電車での落とし物の数は多いとの事ですが、スマホの普及によりスマホ関連のもの、(ワイヤレスイヤホンなど)も多くなっており、数のみならず落とし物の種類も増えてきている。
・駅の窓口で1日2日保管をし、その後、お忘れ物取扱所で3日4日保管、それでも持ち主が現れなかった場合、そこから遺失物センターへ送付しそこから3カ月経っても持ち主が現れないと、権利が京王電鉄に移り、また戻ってくる。
・この往復のコストや作業などがかかってしまう。更に、その後の処理にも困ってしまうと。

このような事態を踏まえ、ある企業からの提案によって新たな取り組みが今月から実証実験としてスタートしました。
どんな取り組みなのか、株式会社Find 和田龍さんのお話しです。

メルカリで販売

株式会社Find 和田龍さんのお話し

落とし主が見つからなくて法的に権利が施設側に移った落とし物、これをメルカリさんで販売していくというものです。
売り上げに関しては一部手数料を除いて、鉄道企業さんだったりタクシー企業さんだったりとか施設に還元していく循環型社会を目指す取り組みなります。

Findが鉄道企業さんだったりとかその商業施設の落とし物管理を楽にするっていうWebのツールを展開しているスタートアップになります。その中で現地に何回も訪問する中で、落とし主が見つからない落し物が破棄されてることを知りまして我々の方から何とかしたいと思ってご提案させていただいたっていうのが背景にあります。
処分に困ってらっしゃったので大量な落とし物を捨てるだけでも手数料だったり作業が発生してしまうので、それを丸々引き取ってくれたら嬉しいっていう声がありました

・鉄道会社のみならず、百貨店なども含め、落とし物で困っている企業が、持ち主が一定の保管期間を過ぎても現れなかった落とし物をメルカリで販売するというもの
・落とし主が見つからない場合、どんなに綺麗なものでも「廃棄」されてしまうもったいないので、それなら販売して、売り上げを還元しようということ
・還元出来ないと意味がないと言うこともあり、1000円以上で売れそうなものかを一つ目安にして仕分け。
・まだ開始したばかりですが、80点出したうちの30点ほど売れたそう。実際メルカリを見てみるとまだまだキレイなヘッドホンが4200円で売れていたり、お洒落な傘などは1000円から2000円の価格帯で売れていました。
・テスト期間は一旦8月まで、本格始動は9月以降とのこと。参画企業も現在の5社から増やしたいとのことでしたが、今のところ企業からは好評だそうです。

始まったばかりのこの取り組み、今後への期待を改めて京王電鉄の佐藤さんに伺いました。

京王電鉄株式会社 鉄道営業部 佐藤亮介さん

メルカリさんで販売することで利益を作っていきたいっていうことではなくて、まだまだ利用できるもの、例えば最近で言うと、スマートフォンに関しましては、やはり日頃の生活の中で、多分お客様にとってはすごい大事なものですので必死に探していただいたりとか、返却率自体はすごいスマートフォンとかは高いのが現状です。
一方で汎用的かつすごい大量に生産されている傘だったりとか、手袋だったりとかマフラーというのは、まだまだ使えるものであったりとか新品であっても、お客様が諦めてしまっているっていうこともあるでしょうし、特徴等もこちらも掴みづらいので、なかなかそれがお客様のものっていうふうな判断が難しいっていうのもありますので、なかなか手元に届くっていうところは難しいのかなというふうに思っておりますのでそういったものをですね、メルカリさんのプラットフォームで次の方に繋げることができれば、もったいないっていうところを減らしていけるんじゃないかなと考えております。

これまだまだ使えるのに・・・を沢山見てきたからこそ、コスト軽減は勿論嬉しい事ですが、SDGsの観点からも「ロス」やもったいないを減らしていければとの事でした。

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材:竹内紫麻)

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