東京、12月14〜16日に開催される祭り3選
クリスマスに年末年始と何かと慌ただしい師走は早くも半月が終わろとしている。2024年12月14日(土)・15日(日)の週末も東京では魅力的な伝統行事や祭りが開催されている。なんといっても注目は15日に行われる世田谷の「ボロ市」だろう。数十万人が詰めかける人気の風物詩で、世田谷線は電車を増発する。
このほか、山形発祥の「花笠祭り」が杉並区で開催。東久留米では、鬼が登場する奇祭「花祭り」が行われる。週末の祭りを存分に楽しもう。
世田谷のボロ市
700店近くの露店が路上に軒を連ねる伝統の市、「世田谷のボロ市」が今年も開催される。440年以上も続く歴史を持つだけに、開催されれば数十万人が訪れるという、東京を代表する一大イベントだ。
メイン会場は、世田谷代官屋敷を中心とした「ボロ市通り」。名物「代官餅」の売店には大行列ができるので、1時間以上待たされることも多い。様子を伺いつつ、並ぶタイミングを調整したい。
おすすめは、世田谷線世田谷駅で降り、ボロ市通りを歩いて上町駅から帰るコース。混雑を避けたいなら、世田谷線の隣駅である松陰神社前を利用するのも良いだろう。
※15・16日 9〜18時/ボロ市通り/入場は無料
杉並花笠祭り
都内でも3番目に境内が広い「大宮八幡宮」で開催される祭り。2024年で31回目を迎え、初冬の風物詩になっている。西永福の商店街や同宮表参道入り口から社殿前まで続く、「花笠踊り」のパレードが見ものだ。
花笠踊りとは山形発祥で、菅笠(すげがさ)に赤い花飾りを着けた花笠(はながさ)を手にし、音頭に合わせて街を練り歩く。「やっしょ、まかしょ」のにぎやかな掛け声が踊りを盛り上げる。独特の囃子(はやし)に体がうずけば、飛び入り参加もできる。
また、参道には山形の農産物の特産品や露店が立ち並び、名物の芋煮や山形の地酒、おでん、ラムステーキなどを配布するチャリティーを実施。募金箱を設置しており、集まった募金は「杉並区社会福祉協議会」に全額寄付する。
同宮の近くには善福寺川が流れ、和田堀公園が広がる。川に沿って善福寺川緑地が続いているので、帰路に散歩するのもおすすめだ。
※14日 10~15時/大宮八幡宮/入場は無料
東京花祭り
東久留米市で開催する祭り。愛知県の奥三河各地で冬に行われる伝統の「花祭」が伝承され、1993年から行われている。 奥三河の花祭は、国の重要無形民俗文化財に指定され、700年超の歴史を持つ神楽だ。鬼が現われ、夜を徹して開催されることから奇祭ともいわれる。およそ40種類もの舞があり、子どもから大人まで参加する。
「東京花祭り」は、愛知県東栄町御園(みその)の「花祭」を見学しに出かけた子どもが踊っているのを現地の人が見かけ、舞を教えたのがきっかけで始まった。過疎が進む村の人は、子どもたちの「花の舞」を東京で継承できればと考えたという。小学校の図書館から始まった祭りは、今では地域の祭りになった。
「花の舞」をはじめとして約20種類の舞が見られる。現地でも盛り上がる、最も重要な役鬼である「榊(さかき)鬼」の火を使った舞や、煮えたぎった釜の湯をまき散らす「湯ばやし」も見られる。奥三河まで足を延ばさず、日中に体験できるのもうれしい。
花祭は太陽の力が一番なえる時期に八百万(やおよろず)の神々を呼び寄せ、その力を復活させて無病息災を祈念する。鬼のパワーを借りて、ひと冬を乗り越えよう。
※14日 11~19時/東久留米市西部地域センター前広場/入場は無料