同窓会解散、会費を寄付 八王子北高「子ども食堂に」
「ユニセフなどに寄付することも考えたが、せっかくなら八王子の子どもたちに役立ててもらいたかった」--。
都立八王子北高等学校の同窓会(山下幸徳会長)が3月26日、八王子市役所を訪れ、3月末に同窓会を解散するにあたり保持していた会費の一部である約130万円を、市社会福祉協議会(赤澤将会長)に寄付した。
山下会長によると、同校の卒業生のうち、同窓会員は約8700人。「年々入会者が減少し、既存の役員への負担が増すようになっていた」という。昨今のSNSの普及も影響している。かつてはどこも同窓会組織を基盤として同窓会が行われていたが、近年はフェイスブックなどで気軽につながれる時代になった。
北高にも寄付
北高同窓会の役員は約10人。山下さんは第7期生で、20年以上会長を務めている。「(組織として)体力があるうちに」と会をたたむ準備に入った。会員からの会費を完全に消化するため、600万円を2年に分けて同校に寄付。残余金であった約130万円はユニセフなどに寄付することを検討したが、「八王子の子どもたちのために使ってほしい」と役員らで話し合い、地域で子ども食堂を実施する市社協に寄付することにした。寄付金は市社協の名誉会長である初宿和夫市長が受け取った。
解散について、同窓会員で第4期卒業生の女性(市内在住)は、「長く続いた同窓会を解散することは勇気のいることだと思う。残念だが時代の流れで致し方ない」とコメントし、役員らの決断に理解を示した。
山下会長は「解散や寄付については会報に掲載したが、(見ていなければ)知らないかも知れない。できるだけクリーンな方法で取り組んだので、ご理解いただければ」と話している。