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県高校総体前特集 バスケットボール男子(3)大分舞鶴 着実に「本番で勝てるチーム」へ 【大分県】

オー!エス!OITA

写真/オー!エス!OITA SPORTS

 県高校総体の前哨戦と位置付けられる南九州四県対抗バスケットボール選手権(南九対抗)の県予選は柳ケ浦が圧倒した。追随する別府溝部学園、大分舞鶴らも着実に力を付けており、夏の県王者を目指す。約1カ月後の大一番に向けて、実力校の現在地を探った。第3回は地力を蓄え、牙を研ぎ、県総体での逆襲を誓う大分舞鶴に迫る。

 

【チームパラメーター】( )は昨年の数値

オフェンス 8(7)

ディフェンス 8(7)

リバウンド 7(6)

シュート 9(8)

スタミナ 7(6)

高さ 6(6)

 

 大分舞鶴が、いよいよ本気を出す―。県高校新人大会、南九州四県対抗県予選と、いずれも3位で終えた新チーム。昨季より攻撃力、守備力などすべての面で上回っているが、池田剛監督の言葉を借りるなら「まだ6割の力しか出していない」。県高校総体に向けて、その「残り4割」の力を静かに蓄えている。

 

 池田監督は南九対抗県予選を「手の内を見せない」と明言した上で、「ミスを減らす」「基本の徹底」といったベースアップを着実に図ってきた。特にシュートとパスの選択、勝負どころでの判断力といった地味ながらも勝敗を分ける事柄を積み重ね、春休みには広島や高知の強豪校との遠征で実戦経験を積んだ。

 

 その成果は、選手たちの口からも自然とにじみ出る。キャプテンの甲斐翔大(3年)は「留学生相手の1対1の守備を徹底的に練習してきた」と語り、オールコートでのゾーンプレスの手応えを実感している。実際に今大会では、別府溝部学園との対戦で徹底したボールマンへのプレッシャーを見せ、チームとしても守備の意識が格段に向上している。

 

判断力を磨き、実戦で生かす甲斐翔大

 

 副キャプテンの児玉光(3年)もまた、「ゾーンプレスは自分たちの持ち味」と断言。パスカットからの速攻という理想形が何度も出せたことで自信を深めたという。1年時から主力として試合に出場してきた経験は、最上級生となった今、しっかりとチームの中心軸として生きている。

 

 ただ、課題がなかったわけではない。池田監督は「攻撃の軸がぼやけた」と振り返る。ディフェンスをかわした後の得点までの流れの中で、3点シュートを狙う動きが少なく、せっかく生まれたフリーのタイミングを味方とのコンタクトミスでつぶしてしまうような場面も散見された。児玉も「良いリズムでシュートが打てなかった」と反省する。それでも、収穫と課題をしっかり見極めているあたりに、県総体での飛躍への期待が膨らむ。

 

 池田監督は「まだ『隠し球』は三つある」と明かし、県総体ではさらなる仕掛けを用意していることも示唆した。相手チームの留学生対策も含めたディフェンスの組み立てには、相当なこだわりがある。そうした準備の積み重ねが、「本番で勝てるチーム」を形作っていく。「気持ちの面で押されないようにしたい」。児玉が語ったその言葉には、これまで幾度も悔しさを味わってきた者だけが持つ、静かな炎が宿っている。これまでとは違う、確かな成長と自信。次こそ、自分たちの力を証明するつもりだ。

 

1年時から主力として試合に出ている児玉光

 

 

(柚野真也)

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