筋肉の差は遺伝に関係あり?日本人は筋肉がつきにくいのか?【眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話】
【COLUMN】日本人は筋肉がつきにくい?
スポーツの世界大会や海外のドラマを見ていると、欧米人は日本人よりも筋肉が多い印象があると思いますが、これは遺伝的な要素が関係していると考えられています。
農耕民族の日本人は、長時間に及ぶ農作業に順応し、速筋よりも遅筋が発達してきました。それに対し、石器で攻撃して動物を獲るなど、瞬間的に大きな力を要する狩猟民族を先祖に持つコーカソイド(白色人種)は、遅筋よりも速筋が発達。特に北極圏に近い地域の人は、寒さに耐えるためにより多くの筋肉と脂肪を必要としました。反対に、温暖な地域に住むアジア人は、身体に熱をためないように筋肉や脂肪がつきにくいと考えられています。
ただ、人の体格や体型を決める全要素のうち、遺伝的な要素はその3分の1程度。欧米でも筋トレが一般的になったのは1980年代以降で、それ以前のスポーツ選手や俳優の体格は日本人と大差ありません。正しくトレーニングをして適切な食事を摂れば、欧米人に負けない体は実現できます。日本人だからと悲観する必要はないのです。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話』著:坂詰 真二