Yahoo! JAPAN

TVアニメ『魔法使いの約束』ムル役・仲村水希×シャイロック役・立花慎之介が語る愛憎コンビの魅力②

Febri

TOPICS2025.03.06 │ 12:00

TVアニメ『魔法使いの約束』ムル役・仲村水希×シャイロック役・立花慎之介が語る愛憎コンビの魅力②


絶賛オンエア中のTVアニメ『魔法使いの約束』より、ムル&シャイロックを演じる仲村水希さんと立花慎之介さんのインタビューをお届け。後編となる今回は、第9話で描かれたムルとシャイロックのエピソードを中心に、「愛憎コンビ」と呼ばれるふたりの関係性の魅力について語ってもらった。

取材・文/鈴木幸(株式会社リアルコーヒーエンタテインメント)

※本記事には物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

仲村水希声優立花慎之介魔法使いの約束

愛憎と懐かしさが混ざり合った第9話

――第9話ではムルとシャイロックの新たな関係性が描かれました。演じてみていかがでしたか?
仲村 ムルの魂の欠片が登場してシャイロックと舌戦を繰り広げるシーンですよね。あそこはムルとシャイロックの関係のこじれた部分……言い換えれば、特別な部分が描かれているのですが、ムルの欠片がシャイロックを煽り倒すので、演じている側としてはすごくワクワクして楽しいシーンでした。シャイロックって普段は完璧に見えるのですが、時折本音がこぼれるんですよね。瓶の中に入っている水が、ふっと溢(あふ)れるような。そういうシャイロックを見て、ムルは楽しんでいるんでしょうね。

――ムルの欠片を演じるうえで意識したことはありますか?
仲村 意識して、普段のムルと声を変えようとはしませんでした。ただ、ムルは子供のような純真な部分もあれば、元のムルが持っていた聡明な部分や、狂気的に月を求めるマッドサイエンティストのような部分など、いろいろな面を持っています。そこから彼の子供の部分を排除して、目的を達成するためには手段を問わない少し恐ろしい部分をお芝居のメインに据えようと思っていました。なので、意識的に声を変えたというよりは、内面が変わった結果、自然と表現も変わっていったという感じです。

――立花さんは、第9話を演じていかがでしたか?
立花 第9話は、昼ドラですよね(笑)。ムルにちょっと似た泥棒猫がやってきて、さんざん煽り散らしていく話なので、そういう意味ではシャイロックがこれまでは見せてこなかった荒げた感じやイライラした感じがふんだんに詰まっているシーンでした。でも、やっぱりそういったことも全部含めてムルだよね、と最後に受け入れるところはシャイロックらしいなと。ただ単に好きなだけでムルを愛でているわけではなくて、いろいろな面を全部ひっくるめてムルだと認められる、もしくは納得してあげられるシャイロックの大人な部分が表れていたと思います。
仲村 僕はあのシーンのシャイロックに、ほんのりと懐かしい気配を感じたんです。もしかしたら、シャイロック自身はそういう風に思っていなかったかもしれませんが、こういうやり取りを昔からしていたんだろうなというニュアンスが感じられて。だからこそスリリングで楽しくて、同時に癇(しゃく)に障(さわ)ったんだろうな、と。

立花 あとはやっぱり、このふたりの関係性に特別感を覚えましたよね。普段感情をぶつけないシャイロックが唯一ぶつけられる相手がムルで、反対にシャイロックに対して感情をぶつけてくる相手も珍しい。そういう意味であのふたりの関係はとても特別なので、第9話を通して視聴者の方にもその特別感が伝わったのではないかと思います。

ふたりの関係は見返りを求めない「親子の愛」

――第9話までで描かれているムルとシャイロックの関係性について、ふたりはどう捉えていますか?
仲村 すごく良い関係性だと思います。言いたいことをお互い率直に言い合えているし、ああ見えてお互いのことをちゃんと尊重していますし。憎らしいのも本当だし、親しく思っているのも本音。晶やクロエは第9話でのふたりのやりとりを見て深刻に捉えていましたが、当人たちにとってはそうでもないのかもと思ったんです。ムルが煽らなくても誰かが欠片に戻さなきゃいけないわけで、それは誰かと言ったらきっとラスティカでもクロエでも晶でもなく、シャイロックしかいない。ああいう風に煽ったりしなくても、結局話した末に欠片に戻して、ムルに食べさせるという結論になっていたと思うんですよね。
立花 このふたりは「愛憎コンビ」と言われていますけど、たぶん「愛」の部分が大きいんでしょうね。「見返りを求めない愛」と考えると、親子の関係に近いのかなと思ったりします。「親の心子知らず」なんて言いますけど、親が子供のためにしてあげたことであっても、子供は無邪気にそれを裏切ることもありますし、親は親で子供に対して腹が立つこともあったりするけれど、それも含めて自分の子供なわけで。「自分がこうだったから子供にはこうなってほしい」というのを求めないのが親子の愛なのかなって僕は思ったりするので、お互いを認めて拒絶しないところは、喜怒哀楽が混ざった親子の愛に近いような気がしています。

――直感的に親がシャイロックで子供がムルなのかなと思ったのですが、お互いが認め合っているという面では、ムルからシャイロックへ親から子の愛の矢印が向いているという捉え方もできますね。
立花 そうですよね。どちらにも向いていると思うんです。お互いに、見返りを求めない無償の愛を持っているんだと思います。

――最後に、第10話以降の放送を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
仲村 物語もいよいよ佳境です。最終回に向けて加速する魔法使いたちの物語、ぜひ最後までお楽しみください。
立花 物語が佳境になるにつれて、ムルとシャイロック以外にもいろいろな関係値を持つ魔法使いたちが登場します。彼らがどんな関係でどんな風に物語に絡んでいくのか、楽しみにしていてください。そして、アニメから入った方はぜひアプリのストーリーも読んでいただきたいですし、アプリから入った方には、もう一度アプリを振り返っていただけたらうれしいです。

立花慎之介たちばなしんのすけ 4月26日生まれ。岐阜県出身。BLACK SHIP所属。主な出演作は『アイドリッシュセブン』シリーズ (千)、『ブルーロック』(時光青志)、『百千さん家のあやかし王子』(紫)など。仲村水希なかむらみずき 7月18日生まれ。福井県出身。ぷろだくしょんバオバブ所属。主な出演作は『ちはやふる3』(土屋憲一)、『魔法少女まどか☆マギカ』(市役所広報車)など。作品情報

TVアニメ『魔法使いの約束』
好評放送中

©coly/アニメまほやく製作委員会

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 「無限列車編」から続く役作り。柱稽古で成長した伊之助を自由に演じるーー『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』嘴平伊之助役・松岡禎丞さんインタビュー

    アニメイトタイムズ
  2. 声優・谷始央理が朗読で紡ぐ、物語への新たな扉/講談社とアニメイトグループが開催する「声を聴く、本を読む」フェア 収録後インタビュー

    アニメイトタイムズ
  3. 【新潟市立豊栄図書館】本との出合いを導く計算された建築美を感じて|新潟市北区豊栄

    日刊にいがたWEBタウン情報
  4. ドラマ「あいせき列車只見線 」上映会 福岡県出身俳優らによるトークショーも【北九州市小倉南区】

    北九州ノコト
  5. 千葉県の<海の幸>を巡る展示「房総うみの幸 大百科」開催! ぼうずコンニャク氏による講演会も【千葉県千葉市】

    サカナト
  6. 九州最東端に行ってみたら…

    LOG OITA
  7. 【2025年】京都・河原町の人気カフェ12選!おしゃれ喫茶や注目スイーツも

    PrettyOnline
  8. 人の数だけ「怖さ」がある さまざまな“恐怖心”に触れる「恐怖心展」体験レポ

    おたくま経済新聞
  9. トウモロコシにコロッケまで!「神戸北野ノスタ」のパンケーキサンドが新しい

    anna(アンナ)
  10. ついに第2期がフィナーレを迎えたアニメ『薬屋のひとりごと』の猫猫役・悠木 碧さん、小蘭役・久野美咲さん、子翠/楼蘭役・瀬戸麻沙美さんにインタビュー!「壬氏目線の猫猫は、まつ毛が多くてキラキラしているんです!」

    アニメイトタイムズ