新たな魅力をまとい進化する塩屋の坂の上のオアシス『784JUNCTION』 神戸市
塩屋の坂の上にある『784JUNCTION(ジャンクション)』(神戸市垂水区)は、オープンから今年で9年目を迎えるカフェです。
塩屋のカフェの先駆け的存在で、遠くから同店目当てに訪れる人も多い、カフェ好きには名の知れたお店です。少しずつかたちを変えながら紡ぎ続けられるお店の“今”を取材しました。
築60年を超える一軒家をリノベーションしたお店。
階段を上り、ぶどう棚をくぐって、青い扉を開くと広がる『784JUNCTION』の世界。
板張りの床に木のテーブル。趣の異なるいくつかの席が配置されています。どこに座ろうか、迷う時間も心ときめく瞬間です。
ふんわり優しい笑顔で迎えてくれるのは、現在の店主の仲さん。今年の6月からお店を任されています。これまでイベントなどで「おやつ」を販売していて、オーナーである伊達さんとの共通の知り合いからの紹介がきっかけで、カフェを引き継ぐことになりました。
「せっかく足を運んでいただけるなら、手作りのおいしいおやつを、できれば見た目も華やかで気分の上がるものをお出ししたいと思っていて。仲さんの作るおやつはぴったりなんです」と伊達さん。
今回は「2種のチーズのバスクチーズケーキ」をいただきました。
白いお皿にかわいく並べられたチーズケーキと季節のフルーツ。ころんと丸みを帯びたケーキが、優しい雰囲気を醸し出しています。
フォークを入れると、ふわっとチーズの香り。表面は香ばしく、中はトロ〜リ。口に含むとバニラの風味が広がります。
ぱらりとかけられたパルメザンチーズの塩味と、ピリッとしたピンクペッパーがアクセント。
なめらかな食感、優しい甘さの中にたまに感じる刺激。丁寧に作り上げられたことの分かるケーキを、瀟洒な空間でいただく贅沢。何ものにも代えがたい至福の時間です。
デザートメニューは他に、季節のフルーツを使ったデザートやタルトなど4種類ほどが用意されています。暑い時季にはジェラートもあるそうです。
「季節によっておいしいものを選びながら、自分が納得できるものを作っています」と仲さん。材料選びも大切に、作れるものは一から手作りするのだそう。ひとつひとつに、とにかく丁寧に向き合う姿が印象的です。
聞けば、お父さんが兼業農家、お母さんが料理人という環境で育った仲さん。作り手、食べ手それぞれの気持ちに寄り添いながら自身の表現に磨きをかける姿は、柔らかい雰囲気の中にもスッと一本筋が通っていて、揺るぎない意志の強さを感じます。
時間帯によってもさまざまな表情を見せる同店。9時30分から11時にはスコーンモーニング、11時から17時までは喫茶の他に軽食がいただけることもあります(不定期ですので公式Instagramをご確認ください)。
また、水曜日は「おにぎりモーニング」の日。朝もお昼も夕方も、そして雨の日も、店内の雰囲気が変わってそれぞれに素敵です。
「これまでは不定期の営業でしたが、これからはいつお越しいただいても楽しんでいただけるような場所にしたいと思っています」と笑顔のお2人。
塩屋の坂の上のカフェは、変わらず温かな雰囲気をたたえ、さらに新たな魅力をまとって進化していました。今後も多くの人のオアシスとして、末長くこの場所に存在し続けることでしょう。
場所
784JUNCTION
(神戸市垂水区塩屋町9-14-7)
営業時間
9:30~17:00
定休日
火曜日・不定休あり ※公式Instagramでお知らせあり