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新国立劇場バレエ団、20世紀の珠玉の作品を三本立ておくる『バレエ・コフレ』を上演

SPICE

『火の鳥』

2025年3月14日(金)~3月16日(日)新国立劇場 オペラパレスにて、新国立劇場 2024/2025シーズン『バレエ・コフレ』が上演される。

20世紀の珠玉の作品を三本立てで楽しむことができる、本公演。「コフレ」とは「宝石箱」を意味するフランス語で、様々な魅力を放つ3作品が感性を刺激する、特別なプログラムだ。

上演されるのは、華麗なテクニックとバランシンを思わせる幾何学的な美しさが魅力のランダー『エチュード』とシャープな動きが特徴のフォーサイスの人気作品『精確さによる目眩くスリル』、そして2013年以来の上演となるバレエ・リュスの代表作『火の鳥』。『エチュード』と『精確さによる目眩くスリル』は新制作で、待望のレパートリー入りを果たす。

『エチュード』      (C) Yonathan KELLERMAN / OnP Courtesy of The Paris Opera Ballet

『エチュード』

Guillaume Diop, Valentine Colasante and Paul Marque in Etudes, by Harald Lander
(C) Yonathan KELLERMAN / OnP Courtesy of The Paris Opera Ballet

選りすぐりの作品をおくるトリプル・ビルでは、物語の世界に浸る全幕バレエとは一味違うバレエの楽しみがある。そして各作品にはプリンシパルを筆頭とする精鋭のダンサーたちが次々と登場し、古典バレエとは違った輝きを放つ。それぞれに優れた音楽、美術、振付からなる短いバレエが厳選されたプログラムで、多彩な刺激と楽しみ、そして満足感を得ることができるトリプル・ビルとなっている。

『火の鳥』        撮影:鹿摩隆司

『精確さによる目眩くスリル』        Photo by Mitsunori Shitara

『精確さによる目眩くスリル』        Photo by Mitsunori Shitara



『火の鳥』
1909年にパリで鮮烈なデビューを果たし、一世を風靡したバレエ・リュスの初期の作品。バレエ・リュスはロシアのエキゾティシズムとして人気を集め、やがてピカソやマティス、コクトー、ローランサン、シャネルら、当時パリで活躍していた前衛の若手アーティストを取り込み、新しいスタイルの「総合芸術」として、バレエだけでなく美術やファッション、音楽の世界にも革新をもたらし、大きな影響を与えた。『火の鳥』ではロシアの民族色濃い物語とストラヴィンスキーの音楽に、フォーキンもロシアの民族舞踊の要素をふんだんに取り入れて振り付けられている。気高く孤高の火の鳥、魔王カスチェイの手下たちのダイナミックな踊りなど、短い作品ながら緊張感あふれる踊りを楽しもう。

『精確さによる目眩くスリル』
時代の先端をいく作品を創作してきたフォーサイスによる、クラシックバレエへのオマージュが込められたプロットレス・バレエ。1996年にフランクフルトで初演されて以来、パリ・オペラ座バレエなど多くのバレエ団によって上演されてきた。クラシックバレエの型とテクニックが用いられつつもオフバランスと多重心が多用され、ダンサーたちは身体の強靭さと限界までの柔軟さが求められる。シャープなテクニックと、キレのある鋭い踊りを楽しむことができる。

『エチュード』
デンマークの振付家ハラルド・ランダーによる、クラシックバレエのレッスンをオマージュしてつくられた作品で、1948年にデンマーク王立バレエで初演された。バレエダンサーの練習は、ウォームアップから始まり、小さな動きから徐々に身体を大きく動かすように行われていく。本作はそれと同様にバーを使った踊りから広がりのある動きへと展開し、最後はスリリングな回転とジャンプで幕を閉じる。ダンサーたちが日々訓練を行っているシンプルな動きが、いかにして芸術になりうるのかに焦点があてられた、ランダーの代表作。

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