(株)サーティーフォー唐橋和男会長 大船渡に100万円寄付 「この輪が広がれば」
相模原市内に本社を構える(株)サーティーフォーの唐橋和男会長が4月17日、大規模な山林火災で被害を受けた岩手県大船渡市の市民に役立ててもらおうと、個人として100万円を寄付した。相模原市の石井賢之副市長に目録を手渡し「多くの相模原市民に実情を知っていただき、こうした輪が広がっていけば」などと話した。
大船渡市が17日に発表した情報によると、2月26日に発生した山林火災は、41日目の4月7日に鎮火。住民1人が死亡し、住宅87棟など計222棟の建物が被害を受けた。これまで約2900ヘクタールとしていた焼失面積を約3370ヘクタールに上方修正。消防庁によると、1964年以降で最大規模の山林火災となった。
友人からの生の現地情報
岩手県内に暮らす友人2人から「東日本大震災の時よりもひどい。においがひどく、今年は山菜は食べられない」などと被災状況を知らされた唐橋さんは「報道では伝わってきていない状況がある。何かしなくては」と思案。「大船渡市民の生活再建に役立ててもらおう」と、個人として寄付することを決めた。
市役所を訪れた唐橋さんは石井副市長に目録を手渡し、「思っているよりも状況は悪い。相模原は昔から情に厚い人が多い。こうした支援の輪が広がれば」と話した。「思い」を託された石井副市長は「東日本大震災の時も大船渡はいち早く立ち直った。会長からのお気持ちをしっかりと伝える」と応じた。
銀河連邦の繋がり
相模原市と大船渡市を含め、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究施設がある全国7市町は「銀河連邦」という組織を立ち上げている。交流事業を通じ友好関係を結んでおり、災害時には相互の応援活動を行ってきた。2019年の東日本台風の水害の際には相模原市が支援を受けた。
今回の山林火災で相模原市消防局は3月3日、被災地へ緊急消防援助隊を派遣した。市第一次派遣部隊の8隊27人が3月4日から活動にあたり、6日には二次隊が派遣された。4月5日には連邦に加盟する4市2町の首長らが相模原市内に集い、大船渡市にそれぞれ100万円、計600万円を寄付した。
義援金約6億円一部配分決まる
大船渡市は4月16日までに集まった「山林火災被災者への義援金」およそ6億円のうち、約2億8千万円の配分を決めた。30日に支給される。死亡見舞金が250万円、全壊した単身世帯に400万円(2人以上の世帯は1人につき30万円増)、半壊世帯に80万円など。東日本大震災で被災し今回も被災した世帯には、被災程度により50万円〜100万円が加算される。