電気の世界に興味を 釜石商工高生が白山小で出前授業 魅力ある高校の学び伝える
釜石市大平町の釜石商工高(小松了校長、生徒176人)の電気電子科3年生は7日、同市嬉石町の白山小(鈴木慎校長、児童33人)の5、6年生14人を対象に出前授業を行った。高校生4人が訪問し、指示通りに黒い線上を走る「ライントレースカー」を使った実験を披露。小学生に模型の操作を体験してもらいながら、電気を使った技術を学ぶおもしろさを伝えた。
講師を務めたのは秋田捷太さん、佐々木新生さん、笹山大河さん、成田彗七さんの4人。課題研究の授業で作ったライントレースカーを持ち込み、走行させるために使われる技術、光センサーや超音波センサーについて解説した。
センサーは身の回りにあるものと高校生。「どんなものがある?」と質問すると、児童は「自動ドア」「顔で熱を測れる機械」「手を出すと消毒液が出てくるものとか」などと答えた。その上で、「センサーは測定したいものを、コンピューターや装置が仕事をしやすいよう電気信号に変換する役割を持っている」と説明。ライントレースカーでは走行、障害物を回避するのに活用されているという。
小学生が分かりやすいようにと、高校生は体を使った寸劇を披露。2種類のセンサーの動きを確かめる実験も取り入れたり、教え方を工夫した。
原理を何となく理解したところで、ライントレースカーの実走。2台を走らせ、ぶつかりそうになると止まる様子を小学生は好奇心に満ちた表情で見つめた。模型の車を使った無線遠隔操作(ラジコン)も体験。ゲーム感覚で楽しみながら、電気を使った技術に関心を深めた。
川﨑仁遥さん(5年)は「センサーの動き方を分かりやすく教えてもらえた。難しかったけど楽しかった」と笑顔を見せた。
白山小出身の成田さんは、母校に懐かしさを感じながら後輩たちと向き合った。説明を聞く時は真剣に、体験時には楽しそうな児童の姿に、「電気の世界に興味を持ってもらえた」とうれしさを実感。電気工事ものづくりコンテスト岩手大会2位との実績を持ち、専門的な授業や課題研究で興味関心のある学びを深められるのが商工高の魅力だとし、「将来は商工高に来て」と期待を込めた。
出前授業は、工業系の専門的知識を学ぶことができる学校の魅力を発信しようと続ける企画。これまで中学生向けに行ってきたが、昨年度末に市教育委員会から要請があり、今回初めて小学生を対象に実施。秋頃に、ほかの小学校でも開催を予定する。