南九州四県対抗選手権大会県予選 バスケットボール男子 柳ケ浦が無敗継続、「守って勝つ」信念で優勝 【大分県】
第79回南九州四県対抗選手権大会県予選
決勝 4月13日 クラサス武道スポーツセンター
柳ケ浦55(16-8、9-15、15-12、15-11)46別府溝部学園
2月の県高校新人大会の再戦となった南九州四県対抗選手権大会県予選の男子決勝。柳ケ浦は別府溝部学園を55-46で下し、昨年から続く県内無敗記録をさらに更新した。今大会でも、相手に主導権を渡すことなく、狙い通りのロースコアゲームに持ち込み、持ち味である守備力を前面に押し出して勝利をつかんだ。
「主力にけが人が出ていた中で、50点未満に抑えられたのは大きな収穫だった」と中村誠監督は胸を張る。前回の県新人大会では、終了間際の3点シュートで逆転に成功したものの、「実質は負け試合だった」と悔しさをにじませていた。あれから1カ月。新チームは多くの2年生がコートに立ち、経験を積み、確かな成長を見せている。
攻撃の軸となったのは、ポイントガードの古謝脩斗(3年)。冷静な判断力と的確なパスでチャンスを演出し、試合を通じて攻守で安定感をもたらした。「昨年はスリーポイントシューターと2人の留学生がいた。彼らに頼る形があったが、今年はそうはいかない。ノーマークのスリーポイントやドライブで点を取る、より多彩な攻撃が求められる」と中村監督は語る。
試合をコントロールした古謝脩斗
特筆すべきは守備だ。相手のエースに対してはマンツーマンで張り付き、他の4人がゾーンディフェンスで固める「ボックスワン」を採用。パス回しや1対1の中でマークをかわそうとする相手の動きには、スイッチ(マークマンを交代する戦術)で柔軟に対応し、スペースを与えず自由を奪った。「今年はサイズでも劣るし、絶対的な得点源もいない。だからこそ、守備で勝ち切るしかない」と語る中村監督の言葉通り、守備こそが勝利のカギとなった。
5月の県高校総体に向けて、中村監督は「得点力の向上」を課題に掲げる。能力の高い新1年生も加わり、競争はさらに激しくなる。「選手選考は白紙。全員をフラットに見て、相性や組み合わせを見極めていく」と語る中村監督の視線は、次なる舞台の頂点をしっかりと見据えている。
県総体では連覇を目指す
(柚野真也)