ピックアッププレーヤー 卓球男子 成長著しいキャプテン船橋一真(明豊2年) 【大分県】
卓球男子団体の全国高校選抜大会に挑む明豊のキャプテン船橋一真(2年)。彼が卓球と出会ったのは6歳のときだった。卓球経験者の父に連れられてクラブチームに行き、他の球技にはないスピード感、ボールの回転などその面白さにあっという間に夢中になった。しかし、好きと実力は常に比例するわけではない。中学時代は伸び悩み、「全国大会に出場したい」「勝ちたい」そんな思いがずっとくすぶり続けた3年間だったという。
「高校は強くなるために強豪校へ進みたかった。長崎、宮崎などいろいろ探した結果、最終的に当時九州で1、2を争っていた明豊に決めた」。高校入学後は先輩の背中を追い、ひたむきに練習に励んできた。新チームになってからはただ一人の2年生としてキャプテンを任され、自分のことだけでなく、周囲に気を配ることも覚えた。しかし、真面目な性格ゆえに精神的に弱い部分があり、まだ中学時代に思い描いた結果は出せていない。
粘り強いプレーを信条とする船橋一真
そんな船橋は現在、己の殻を破ろうとしている。大きな転機となったのは昨年12月の九州高校新人大会。負ければ全国選抜出場を逃すという大一番に勝利し、会場を沸かせた。「2試合連続で負けて吹っ切れたのが大きい。開き直ったというか、負けたらどうしようというネガティブな気持ちが消え、純粋に卓球を楽しむことができた。この経験を次に生かしたい」。大舞台で卓球を楽しむ感覚をつかみ、結果が出せたことは大きな自信につながった。藤本賢司監督は「結果を出すこと、恐れずに失敗することで成長できる。全国選抜出場がかかった一戦はプレッシャーで腕が振れなくなってもおかしくないような場面で丁寧にボールを入れ、勝利した。一皮むける良い経験になった」と振り返る。
全国での目標はベスト8。船橋は「気持ちで負けたら絶対勝てない。卓球を楽しみ、粘り強いプレーで勝利に貢献したい」と意気込んでいる。キャプテンとして、2年生としての自覚も強い。メンバー全員が同じ方向を向いて頑張れるよう、日頃から情報共有や声かけを積極的にしているという。キャプテンとしてはまだまだ未熟な自分を支えてくれる監督やチームメート、卓球を始めてからずっと支えてくれた両親へ、結果という形で感謝を伝えるためにも、さらなる成長を目指す。
キャプテンとしてチームをまとめる
(甲斐理恵)