侍ジャパンで衝撃デビューの日本ハム水谷瞬、データから分かった意外な強みと今後の課題
オランダ戦で先頭打者アーチ
野球日本代表「侍ジャパン」が5日、京セラドーム大阪でオランダとの強化試合を行い、5-0で快勝した。結果的に決勝弾となった先頭打者アーチを放ったのが日本ハム・水谷瞬だ。
1番DHでスタメン出場すると、オランダ先発ケビン・ケリーの2球目を振り抜き、バックスクリーン左へ放り込む豪快な一発。初選出の侍ジャパンで自慢のパンチ力を見せつけた。
石見智翠館高から2018年ドラフト5位でソフトバンクに入団してプロ7年目。ナイジェリア人の父と日本人の母の間に生まれた高い身体能力を期待されながらソフトバンクでは一軍出場を果たせなかったが、2023年オフの現役ドラフトで日本ハムに移籍すると一気に素質開花した。
昨季は97試合に出場して9本塁打、39打点、打率.287をマーク。規定打席には届かなかったものの打率3割以上がソフトバンクの近藤健介しかいなかったパ・リーグで好成績を残した。
ストレートより変化球に強い水谷
オランダ戦の衝撃的な侍デビューで今季への期待も膨らむ水谷。昨季のデータからストロングポイントと今後の課題を探ってみよう。
まず目につくのがストレートより変化球の方が打率が高いこと。思い切りのいいスイングからは意外に感じるが、変化球に強いのだ。
特にチェンジアップは30打数13安打の打率.433、ツーシームを含むシュート系は26打数10安打の打率.385、カットボールは20打数7安打の打率.350と結果を残している。135打数38安打、打率.281のストレートと比べても、変化球打ちのうまさが際立っており、パワーだけでなくテクニックも持ち合わせていることが分かる。
それはスイング率を見ても明らかだ。ストレートのスイング率47.1%に対して変化球は54.8%。変化球を得意にしているからこそ手が出ているのだろう。
低めは低打率、特に2ストライク後は脆さ露呈
ただ、当然ながら課題もある。下の表の通り、速い球を打てていない。150キロ以上は打率.114と苦しんでいる。
また、高めは打率.347と高いが、低めは打率.226と1割以上低い。当然ながら相手バッテリーも高めにはあまり投げてこず、低め割合の50.2%に対して、高め割合は25.5%。さらに2ストライク後の低め打率は.146と低く、追い込まれると脆さを露呈している。
内角打率.241、外角打率.276とそこまで大きく変わらないことから、左右の揺さぶりより、高低の変化に弱いと言えるだろう。球種別成績表にあった通り、得意の変化球の中でもフォークだけは打率.189と苦しんでいる。
昨年はパ・リーグ2位に躍進しながらクライマックスシリーズで敗れ、日本シリーズ進出を逃した日本ハム。新庄剛志監督就任4年目で勝負をかけるチームにおいて、水谷のさらなる成長が期待される。
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記事:SPAIA編集部