真珠って食べられるって知ってた? 養殖に使われる『アコヤガイ』も美味な二枚貝
真珠の養殖に使われるアコヤガイ。実はこの貝も、そして真珠そのものも食用とされています。
鳥羽の隠れ名物「真珠貝の貝柱」
真珠養殖の発祥地である三重県鳥羽市。真珠産業の中心地としても知られ、街中に真珠の文字が踊っています。
そんな鳥羽のお土産屋さんや料理屋さんでは、しばしば「真珠の貝柱」なるものが目玉商品として売られています。物珍しさから購入する人も多いようです。
もちろん、真珠そのものには貝柱はありません。これは真珠の養殖に使われる「アコヤガイ」という貝の貝柱です。
アコヤガイは美味しい
アコヤガイはウグイスガイ目というグループに含まれる二枚貝の一種で、同じグループにはカキ(牡蠣)も含まれます。
アコヤガイはカキと同じように岩などに固着して一生を送るためアサリのような足を持たず、その代わりに殻の開閉のための貝柱が発達しています。この貝柱が肉厚で歯応えがよく、刺身や天ぷら、粕漬けなどにされて食べられています。
貝柱以外の身は基本的には捨てられてしまうのですが、この身も酒蒸しにして食べるとカキに似てなかなか乙な味です。貝柱だけでなく身も料理して食べた方が無駄が少なくて済むようにも思います。
真珠そのものも食べられる!?
そういうわけで真珠貝は美味しく食べられるのですが、実は「真珠そのもの」も食べられることがあるのをご存知でしょうか。といっても食用というよりは「薬用」としての意味合いが強いです。
真珠はアコヤガイの殻と同じ成分である炭酸カルシウムを主成分としますが、これは口にしても毒はありません。むしろ胃炎を治めるなどの薬効が認められており、生薬として使われてもいます。
ちなみに、真珠を口にした人物で最も有名な人は、かのクレオパトラです。彼女はとある宴にて、自分の耳を飾っていた真珠を酢の中に入れて溶かし飲み干したのだと言います。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>