【藤沢市】リサイクルプラザ藤沢 リチウムイオン電池で火災か 復旧工事に10億円弱
ごみ処理施設「リサイクルプラザ藤沢」(桐原町)で9月に発生した火災を巡り、藤沢市は21日、リチウムイオン電池内蔵製品が原因と推定されると発表した。同施設は火災以降、廃棄物処理機能を停止しており、市は復旧工事費として10億円弱を盛り込んだ一般会計補正予算案を市議会12月定例会に提出する。
同施設では不燃ごみの処理や環境に関する啓発、市民からのごみ持ち込み受け入れなどを行っている。9月4日に発生した火災では、布団や木材などを受け入れる大型可燃ごみ破砕機ヤードで発火。置いてあった資源が全焼し、施設全体の電源が喪失するといった被害があった。火災後は処理機能が停止し、持ち込みごみの受け入れが中止された他、市民に資源やごみの排出を控えるよう市が呼びかけるなどの影響が出た。
市消防局による立ち入り調査で、現場からリチウムイオン電池に使われる銅箔の破片が発見されたことから、市は「何らかの原因でリチウムイオン電池内蔵製品が紛れ込み、発火したのではないか」と推定している。
こうした状況を踏まえ、市は速やかに廃棄物の処理を再開し市民生活の維持を図るため、復旧工事費として9億8902万円の補正予算案を提出。可決されれば、来年1月に不燃ごみ、3月に資源物、6月に大型ごみの処理機能が順次復旧する見込み。持ち込みごみの受け入れ再開時期は決まっていない。
同様の出火増加
リチウムイオン電池は繰り返し充電や放電でき、主にスマートフォンやモバイル充電器など小型で大量の電力が必要な製品に使用されている。放熱が妨げられる環境で使うと高温になる恐れがあり、近年全国でこれらの製品が原因となる火災が報告されている。
市内でも電気機器関連が原因の火災が増加。そのうちリチウムイオン電池内蔵製品が原因となった火災は昨年7件、今年4月から10月末までに6件発生した。市消防局では「製品の膨張、充電できない」「バッテリーの減りが早くなった」「持てないほど熱くなる」といった異常がある場合は、直ちに使用を中止するよう呼びかけている。
市では各品目ごとのごみの廃棄方法について、区域別ごみ収集カレンダーや公式アプリなどで周知。リチウムイオン電池を含む電池類は、蛍光管や水銀体温計などと共に「特定処理品目」として、区域ごとに週に一度ほど回収している。また膨張したモバイルバッテリーは特定処理品目として回収できないため、同施設への持ち込み廃棄を受け付けている。モバイルバッテリーの持ち込みについては火災後も受け付けを継続しており、市環境施設課によると、今年4月から今月20日までに2136件の持ち込みがあったという。