秋アニメ『しゃばけ』シリーズ構成・待田堂子さんインタビュー|「どの短編をひっぱってくるのかは、いろいろと話し合いました。」
シリーズ累計発行部数1000万部を突破した畠中恵氏の妖怪時代小説『しゃばけ』シリーズのテレビアニメが、現在、全国フジテレビ系“ノイタミナ”にて絶賛放送中です。
本作の舞台は江戸時代。日本橋有数の大店である長崎屋の若だんな・一太郎が、“白沢”の仁吉と“犬神”の佐助をはじめとした妖と協力しながら猟奇的な殺人事件を解決していく、江戸の町人と妖たちが織りなす愉快で不思議な時代劇ミステリー。
このたび、アニメイトタイムズは、本作のスタッフ陣にメールインタビューを実施。第九話終了後にお届けするのは、シリーズ構成の待田堂子さん。長編の『しゃばけ』をアニメーションの1クールに落とし込む際、監督と話し合いを重ねたそうです。
【写真】秋アニメ『しゃばけ』シリーズ構成・待田堂子インタビュー
大賛成した監督の提案とは?
——公式で「もともとファンだった」とコメントされていましたが、『しゃばけ』との出会いを教えてください。
シリーズ構成・待田堂子さん(以下、待田):妖怪と江戸時代……この2つのワードは私にとってとても興味があるもので、『しゃばけ』にすぐに飛びついたのを覚えています。
身体の弱い若だんなと彼を支える妖の佐助と仁吉をはじめとした個性豊かな妖達や人物が登場するとてもおもしろい物語だなと。
——畠中恵先生を含めた原作サイドから、何かオーダーはありましたか?
待田:先生からのオーダーというわけではありませんが、アニメーションの1クールを構成するにあたって、長編の『しゃばけ』以外にどの短編をひっぱってくるのかは、いろいろと話し合いました。
監督がこの短編を入れましょう!とおっしゃいまして、私もそれには大賛成で。それがあの八話です!
——シリーズ構成として、本作で特に意識したこと、こだわった点を教えてください。
待田:やはり江戸言葉でしょうか。シナリオは原作がありますので、苦労はしませんでしたが、江戸市中に流れる音とか、物売りの声とかにはこだわりました。
——待田さん自身、完成した映像をご覧になってみて、いかがでしたか?
待田:上映会で初めて拝見したのですが、大画面ということもありましたが映像はとても素晴らしかったです。後、音楽、効果音もとても素晴らしかった。手前味噌ですが……。
一太郎を支える2人の過保護っぷりがおもしろい
——長崎屋の跡取り息子である一太郎、若だんなに仕える妖の仁吉と佐助、彼らの関係性にはどこか惹かれるものがあります。そんな3人の関係性をどう捉えましたか?
待田:身体は弱いけれど、頭脳明晰で決断力もある『安楽椅子探偵』の一太郎。それを支える名助手の仁吉と佐助。それと同時に、どんな時も若だんなを支える2人の過保護っぷりは、とてもおもしろくて。
そんな良い関係をご覧になっている方に感じ取っていただけるといいなと思って書いていました。
——人間側も妖側も魅力的なキャラクターがたくさん登場します。脚本を書く中で、待田さんが魅力を感じたキャラクターを教えてください。
待田:屏風のぞきです。皮肉屋で一太郎に対しても遠慮がないですが、原作では仁吉と佐助に負けず劣らず一太郎のことを大切に思っています。
アニメーションでは、はなれの屏風の中にいますが、そのうち……。これは原作でお楽しみください(笑)。
——第九話までで、心に残っているシーンや好きなシーンを教えてください。
待田:やはり8話のなんといっても、井戸端の松之助のシーンです。
——第九話以降の見どころ、待田さん自身が注目してほしいシーンはありますか?
待田:物語は佳境に入って行きます。ここからが一太郎の活躍の真骨頂。是非、お楽しみください。
——最後に、視聴者の皆さま、これから配信等で見てみようかな、と思っている方へメッセージをお願いいたします。
待田:妖が大勢登場しますが、決して恐ろしい怪談ではありませんので、是非是非、ご覧下さい(笑)。