湘南大庭地区 構想3年半 未来へ提言 「住み続けたいまち」目指し
湘南大庭地区の活性化を目指し、3年半にわたって地域住民らが策定を進めてきた「湘南ライフタウン活性化指針」が先月30日、鈴木恒夫市長に提出された。中心となった湘南大庭の未来を考える会議の佐野充会長は「まちづくりに役立てほしい」と訴える。
この日は、同会議メンバーらが市役所本庁舎を訪問。佐野会長は「多くの方のご協力を得て、自信を持ってお渡しできるものができた」と提言を鈴木市長に手渡した。鈴木市長は「いかに転換を図り、より魅力あるまちにしていくのか、皆様の思いをいかして、提言を市の計画の参考にしたい」と話した。
湘南ライフタウンは、市の西部開発事業として1971年に着手された。以降、湘南大庭地区は人口が増加し87年には3万人を突破した。しかし、開発から50年以上が経過し、建物やインフラ設備の老朽化が進んだ。さらに、2003年には9・7%と市内で最も低かった高齢化率が、23年には市内で最も高い33%になるなど、住民の高齢化、コミュニティーの不足などの課題が表面化してきた。
そこで市では、同地区の活性化と今後のまちづくりを検討するため2021年、住民や事業者、市や県の行政職員による同会議を設置。地域住民や在勤者で組織する湘南大庭地域活性化協議会と協働でグループワークや視察、タウンミーティングなどを開催し、住民が肌で感じている課題と行政の情報などを交え、3年半かけて活性化指針をまとめた。
60頁以上にも及ぶ提言では、現在の同地区が持つ資源、市民から寄せられた地域課題などをまとめ、活性化に向けた方針を示している。
住み続けたいまちとなるために、人々が助け合う「共生」、楽しみを見つけられる「生彩」、外へ情報を伝える「発信」をキーワードに掲げ、交流できる場所の発掘やイベントの充実、公園の有効活用、メディアを通じた情報発信やSNSの活用を提案。他市の先進事例なども紹介している。今回の提言を受け、担当の住宅政策課では「活性化指針の具体化に向けて、提言の行政計画への反映を検討していきたい」と話す。