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バイク事故ゼロを目指して。神奈川県警の交通事故防止対策

MOTOINFO

神奈川県は全国と比較すると、交通事故全死者数に占める二輪車乗車中の死者数割合が約1.5倍であり、特に6月は事故件数が増加傾向にあることから、神奈川県警察(以下、神奈川県警)は二輪車交通事故防止対策を重点課題として「二輪車交通事故防止強化月間」に取り組んでいます。


昨年、神奈川県警察学校で「二輪車交通事故防止強化月間」に関する催事が行われましたが、今年は6月1日(日)、神奈川県鎌倉市の七里ヶ浜海岸駐車場を会場に、一般の方が参加できるイベント「セーフティ★ライドフェス2025」が開催されました。昨年に続いて神奈川県警から交通安全大使を委嘱されたタレントの梅本まどかさん(以下、梅本さん)を招き、神奈川県警女性白バイ隊「ホワイトエンジェルス」によるテクニカル走行や一本橋大会、白バイ体験乗車などが催されました。


イベントの模様をお伝えするとともに、「二輪車交通事故防止強化月間」にかける神奈川県警の想いにも迫ります。

「セーフティ★ライドフェス2025」レポート

「セーフティ★ライドフェス2025」が開催されたこの日は、初夏の日差しが降り注ぐ絶好のバイク日和。会場は江ノ島を臨む絶景スポットである「七里ヶ浜海岸駐車場」です。イベント来場者だけでなく、ツーリングの途中で立ち寄ったライダーや一般の方も多く訪れていました。

梅本まどかさん交通安全大使委嘱式

大勢のライダーに見守られるなかで、委嘱式が行われました。
委嘱状を手渡したのは、神奈川県警察本部 交通部 交通総務課 事故対策官 / 神奈川県警視の木村大介氏です。

梅本さんが神奈川県の二輪車交通事故防止強化月間の交通安全大使に委嘱されるのは、今年で4年連続となります。ジャパンライダーズアンバサダーとして、日頃からライダーのマナーアップへの訴求活動に取り組んでいる梅本さんは、「交通安全大使として事故防止に向け安全運転意識の向上を目指し、さまざまな発信を行なっていく」と話されました。︎

ホワイトエンジェルスによるテクニカル走行

パトロールの他、あらゆる交通安全教育にも取り組むホワイトエンジェルスの隊員。

ホワイトエンジェルスとは、神奈川県警察本部 交通部 交通総務課所属の交通事故防止対策を任務とした女性白バイ隊の通称です。そのホワイトエンジェルスによるテクニカル走行が披露されました。総重量が300kgを超える白バイ仕様のHonda CB1300 SUPER BOL D'ORを手足のごとく操る姿に、会場からは「すごい」「かっこいい」と感嘆の声が上がっていました。

駐車場内にパイロンが設置されたコースで、旋回技術を中心としたテクニカル走行が披露されました。︎
接近した状態での定常円旋回では、そのテクニックに観客から大きな歓声が上がりました。︎
4台のマシンが連なってのパイロンスラローム、一糸乱れぬ走りに驚かされるばかりです。︎

MOTOINFOでは昨年、「白バイ隊員として取り組む交通安全への想い」をホワイトエンジェルス隊員に聞いたインタビュー記事を掲載しています。ぜひこちらもご一読ください。

梅本まどかさんとホワイトエンジェルスによるワンポイント講習

時速40kmと時速50kmでの制動距離の違いを実走行で検証。︎

安全運転のためのワンポイント講習では、時速40kmと時速50kmと、それぞれの制動距離がどれだけ変わるかを白バイ隊員による実走行で検証することに。その結果、時速50kmでの停止距離は時速40kmと比較しておよそ5メートル伸びました。これはつまり、時速40kmでなら横断歩道の手前で止まれるところが、同じタイミングでブレーキをかけると時速50kmだと横断歩道を超えてしまうことを意味します。

梅本さんとホワイトエンジェルス隊員、お二人の交通安全啓発のトークは笑いがいっぱい。

「スピードを出しすぎない、どんな状況でも無理なくブレーキがかけられるような心構えでの運転が大切ですね」と、実証実験を受けて梅本さんが感想を述べられました。


梅本さんとホワイトエンジェルス隊員によるワンポイント講習では、ライダーが知っておきたい安全運転のためのポイントを含んだ和やかなトークが展開され、普段のバイクライフでも役立つ内容に来場者は興味が尽きませんでした。

白バイ体験乗車

白バイに跨がれる貴重な体験!記念撮影とともに楽しまれていました。︎

神奈川県警の白バイに実際に跨がれる「白バイ体験乗車」では、白バイに興味津々なライダーの皆さんはもちろん、親子で来場した方々も白バイに乗車したお子さんの記念撮影をするなど、大いに盛り上がりを見せていました。

一本橋大会

一本橋大会の参加者は、慣れ親しんだ愛車とともに”遅乗り”に挑戦。︎

厳選なる抽選の結果選ばれたライダーが、自身のバイクでチャレンジする一本橋大会が実施されました。黄色いパイロンで囲まれた、幅30cm、長さ7.5mのコースを誰よりも遅く走れたかを競うコンテンツで、技術力が試される競技と言えます。

幅30cmほどで設定された小さなパイロンによる一本橋のコース。︎
白バイ隊員が厳正にチェック。パイロンに車体が触れると落車とみなされます。
上位3名の参加者の皆さんには、梅本さんから景品が手渡されました。

どれだけ長く車体を安定させられるか、を競い合った一本橋大会は、安全運転を啓発する「セーフティ★ライドフェス2025」にうってつけの競技でした。バランスを取ることの難しさと、必要なライディングスキルの大切さを改めて知る良い機会になったことでしょう。学びの多いイベントは「一本橋大会」を最後に終了、ライダーの皆さんは安全運転で帰路につかれました。

交通安全大使・梅本まどかさんの意気込み

名古屋観光文化交流大使 / JAPAN RIDERS(一般社団法人日本二輪車普及安全協会)アンバサダー / 世界ラリー選手権コ・ドライバー
梅本まどかさん

4年連続で神奈川県警 二輪車交通事故防止強化月間の交通安全大使に任命された梅本さんは、次のように意気込みを語ります。

「ライダーの皆さんは誰もが交通安全の大切さを理解していることと思います。それでも、バイクやクルマを利用することが日常的になってくると、どうしても意識が薄れていってしまいますよね。


交通安全大使を4年連続で務めるにあたって、改めて交通安全を意識して運転することの大切さを広くアピールして、多くの方に再認識していただくことが私の役目だと考えています。今回の『セーフティ★ライドフェス2025』は家族連れも多く見られたので、お子さんも含めて交通安全の大切さをアピールできたかなと思います。


今年、神奈川県では交通事故が多くなっていると聞きました。交通事故のニュースを聞くと、心が痛みます。加害者にならないのはもちろんですが、自分が巻き込まれる危険もあります。まずは自分自身が他人を傷つけないよう安全運転を強く意識して、そのうえで『バイクってカッコいい』って思ってもらえるような乗り方をすべてのライダーと実践したいですね」

二輪車事故防止に努める神奈川県警の想い

神奈川県警察本部 交通部 交通総務課 事故対策官 / 神奈川県警視
木村大介氏

神奈川県の二輪車事故防止対策に尽力する木村氏は、10代の頃からバイクに乗り続けている大のバイク好きです。交通事故の件数が増えている神奈川県において、神奈川県警が取り組んでいること、そして交通安全への想いをお話しいただきました。

「神奈川県内の交通事故発生件数は、前年と比較して増加傾向にあり、ライダーの死亡事故も増えています。バイクで走ると気持ちが良い名所や名道が多いことから、神奈川県へとやってくるライダーが多いのですが、その分交通事故の件数も増えているのが現状です。


カーブで曲がりきれずに転倒されたり、右折してくる乗用車との右直事故が多いですね。両方に共通しているのは、やはりスピードが出てしまっていることでしょう。『右折しようとしている乗用車が進入してくるかもしれない』と、“かもしれない運転”を意識して備えていただければと思います。


神奈川県警 交通部の取り組みのひとつが、交通取り締まりの日時や場所のSNSでのお知らせです。神奈川県警としては、取り締まることが目的ではなく、皆さんに交通安全につなげていただきたいのです。観光地として名高いここ江ノ島で『セーフティ★ライドフェス2025』を開催したのも、より多くのライダー、多くの方々に交通安全の大切さを知っていただければとの想いからです。


ライダーひとりひとりが安全運転に対する意識を持つことも重要ですが、ご家族にも是非ご協力いただきたいと思います。『無事に帰ってきて』という言葉が何よりだと、ライダーである私自身も感じていますので」

笑顔でライディングが楽しめる世界に

好天に恵まれ、盛況のなかで幕を閉じた「セーフティ★ライドフェス2025」。安全運転が大切なことは誰もが分かっているものの、バイクに乗れる気持ち良さからついアクセルを開け気味にしてしまう、そんなときが確かにあります。そのときに、家族の顔を思い浮かべてみましょう。スピードで風を切るほんの一瞬の愉しさが、自分の家族や他の家族を悲しませることになるかもしれない。それだけで、スロットルをひねる手は緩まり、無事に家に帰れるのです。そうして事故が減っていくことで、バイクに対する印象がより良いものとなり、バイクに憧れる人がますます増えていくことでしょう。改めて安全運転を大切にすることが幸せなバイクライフにつながるのだと教えてくれたイベントでした。


お問い合わせ先:神奈川県警察

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