鎌倉市役所新庁舎計画 予算執行差し止め求め反対市民128人が提訴
鎌倉市役所の深沢地区移転計画を巡り、移転に反対する市民128人が9月25日、松尾崇市長を相手に新庁舎の基本設計にかかる予算の執行差し止めを求めて、横浜地方裁判所に提訴した。
予算執行の停止を求める訴状では、2024年度予算に含まれている新庁舎の基本設計費約2・9億円に加え、設計者選定審査会の委員報酬と交通費約25万円の差し止めを訴えている。今年7月には、鎌倉市に住民監査請求書を提出したが、棄却された。
横浜地裁に提訴した市民団体・鎌倉市民連絡会議の岩田薫共同代表(71)は、「市役所の移転に必要な位置条例案が否決されている中で、予算を執行し、設計事業を進めるのは違法。司法の判断に委ねたい」と話した。これに対し市は、「訴状が届いていないので、コメントは差し控える」としている。
深沢地区への移転を巡っては、出席議員の3分の2以上の同意が必要な「位置条例改正案」が22年12月議会で否決。市は条例改正案の再提出を模索するも、賛同を得られない状況が続く。