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センラ “香り”にまつわる楽曲で魅了したワンマンツアー、Zepp Haneda(TOKYO)公演をレポート

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センラ

SENRA LIVE TOUR 2024 -MARCEL-


2024.11.17 Zepp Haneda(TOKYO)

ボーカルユニット・浦島坂田船のセンラが、2024年11月に全国11都市を巡るワンマンツアー『SENRA LIVE TOUR 2024 -MARCEL-』を開催。10月18日リリースのニューアルバム『MARCEL』を軸にした今ツアーのテーマは、“香り”だ。記憶や感情と結びつくもの、それが香り。センラがまとうアーティストとしての芳醇な香りに酔いしれた、11月17日開催の東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演の模様をお伝えする。

オープニング映像の最後に<CLAP YOUR HANDS!!>の文字がスクリーンに映し出され、スタンバイしているバンドメンバー&ダンサーが期待感を高めるステージ。モノトーンコーデのセンラが颯爽と現れ、「東京、準備はいいですか⁉」とセンラー(センラファンの呼称)に呼びかけた待望の1曲目は、『MARCEL』に収録の「秘密リミッター」だ。色気漂う甘い歌声に、しなやかなダンス。たちまち、センラの放つ薫香の虜になってしまう。

センラ

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続く「maison」も、『MARCEL』に収録のナンバー。<もう一度出会えたなら>という思慕に、切なさがつのる。ドSモードな「Freja」の<昨日の残り香>、脇役の悲哀漂う「cream」の<芳しいカオリ>と、“香り”にまつわる楽曲が並ぶセットリストにはセンラのこだわりがにじむ。

「今日は、『MARCEL』ツアー最後のスタンディング公演。しんどいも気持ちええから(笑)。全身全霊で楽しんでいきましょう!」

そう言って、『MARCEL』に収録の「タオルとラストノート。」へ。<単純に君に惚れて "普通に恋"してただけ>でもそれは<最低な恋>、気づいてしまった<恋の終わり>になすすべはない。得意の高音域やファルセットがよりいっそう映える「さよならウィステリア」にしても然り、『MARCEL』の楽曲はあまりにも人間くさい。

センラ

歌唱力で魅せる「ミレエジ」のあと、「オレンジ」ではエレキギターを手にしたセンラ。タイトなスケジュールの中で、新たな一歩を踏み出したのだ。すっかり手になじませたギターを弾きながら歌うその姿も、進化し続けるぞという気概も、センラーをしびれさせたに違いない。

センラ

幕間映像では、白シャツ&半ズボンでランドセルを背負った小学生時代に戻り、自らが歌う井上陽水の「少年時代」をBGMに牛乳を飲んだり、リコーダーを吹いたり、逆上がりをしたり(見事成功してドヤ顔!)。「少年時代」を弾き語りしていたのはキャラ濃すぎ&胡散臭すぎな“真実男(しんじつお)”だった、というオチでもおおいに沸かせた。

『MARCEL』のジャケットイラストと同じライトベージュのスーツに大きめなメガネを合わせてステージに登場したセンラ。「スキスキ絶頂症」ではセンラーとコール&レスポンスして、「東京、さすが慣れてるなぁ!」と笑顔を見せる。

バンドメンバーそれぞれに絡む姿も実に楽しげな「パンペルデュ」。狂気的な愛に満ちた「ずうっといっしょ!」。『MARCEL』に収録、言葉遊びもリズムも振り付けもクセが強い「Spicy」。華麗なターンも完璧にきまった「Dolce Vita」。センラはやっぱり<圧倒的勝者>、<道連れ>になるなら本望だ。

センラ

「みなさん楽しんでますか? 僕は今日ここに全部置いていくつもりで楽しんでます!」と表明したセンラ、今ツアーでは『今日の1枚』と題した写真を披露しており、この日見せてくれたのは“KT Zepp Yokohamaの楽屋で新調したウルトラライトダウンを手に喜んでいる俺”。彼は経済効果まで生んでしまっているのではないだろうか。

イントロのダンスからキレッキレな「Sweet Magic」でますます弾みをつけ、バンドメンバー&ダンサーも勢いよく何度も跳ねた「脳内シェイカー」では、恒例の<センラくんのちょっといいとこみてみたい!>で高いところから舞い落ちるティッシュペーパーをお箸で見事キャッチして、両腕を上げてガッツポーズ。さらには「Lamb.」をたたみかけて、まさに「全部置いていく」覚悟を見せる。

センラ

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ジャケットを脱いだセンラ、「Flashback」、「スパイラル」、「J'adore」、「Fake my dreams」(ウッドベースの音色も素敵!)で響かせたのはセンチメンタルな歌声。弱さやずるさ、優しさを含んだ複雑な恋心をステージにおいても繊細に丁寧に表現するセンラには、毎度のことながら驚かされる。

「今回のツアーは超弾丸旅なので、声が出なくなったらどうしようとか不安があったんですよ。でも、さっきのMCでも言ったようにここに全部置いていくつもりでステージに立った今日、いつも以上に楽しいライブができています! それは、応援してくれる方、こうして足を運んでくれるみなさんがいるおかげでできること。僕もみなさんも今日の“匂い”を思い出したときに楽しかったなって振り返れたら嬉しいし、センラやグループの記憶をこれからもみなさんに焼きつけたい、という想いもあります」

胸中を明かしたセンラ、本編最後に心を込めて届けてくれたのは『MARCEL』の最後を飾る「EYES ON ME」だ。<全方位的Happy>なナンバーには、センラーの全力シンガロングを呼ぶ美しいパワーがあった。

センラ

そして、「アーティスト」でスタートしたアンコール。

「2年ぶりのスタンディングライブ、ありがとうございました。次にまたスタンディングライブをやるときに来てくれてもわかるように、しっかりみなさんの顔を見ながら歌います!」

嬉しい宣言をして、自身が作詞・作曲を手がけた「cute you」へ。<君といるときの僕はいつでも 世界一の幸せもの>とお互いに想い合えるのがセンラとセンラー。共有したその幸せな記憶や感情は、きっといつまでも色褪せない。

文=杉江優花
撮影=小松陽祐(ODD JOB)

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