犬がストーリーの鍵を握る♪新作から名作まで心に響くとっておき【犬の映画&ドラマ10選】
さまざまな犬と人間の物語「犬の映画&ドラマ」10選
動物の中でも、犬は賢く、人間に忠誠心もあり、家族になれる存在。そんなワンちゃんの存在が輝く映画を最新作から名作までご紹介。
【フォトギャラリー】「犬の映画&ドラマ」最新作から名作までオススメ10選♪
今も昔も、日本も外国も、犬とともに繰り広げられるドラマや映画はほっこりさせられるものです。今回は、国内外でおすすめの“犬”がストーリーの鍵を握る作品をずらり10選お届けします!
1:映画『犬部!』
獣医学部の大学生・花井颯太(林遣都)は、子どもの頃から犬が大好き。目の前の命を救いたい一心で、動物保護を続けてきました。ある日、颯太は1匹の実験犬を救ったことをきっかけに、動物保護サークル「犬部」を設立。
颯太と同じように犬好きの同級生・柴崎涼介(中川大志)や仲間と一緒に、動物たちとともに過ごす青春を駆け抜けていきます。16年後、獣医師となっても熱心に保護活動を続けていた颯太が逮捕されたと聞き、かつての犬部のメンバーたちが再結集して……。
今作は北里大学に実在した動物保護サークル・犬部を題材に映画化しただけあって、とてもリアルです。筆者自身も元保護犬を家族に迎え入れた経験があるため、一部の安易な繁殖業者の実態や、それに立ち向かい命を救おうとする主人公たちの熱い想いに胸を打たれました。
2:ドラマ「ファントム・パピーズ」
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家族とともに古い屋敷に引っ越してきた少年。その屋敷は薄暗くホコリまみれで、まるで魔女やゾンビが出てきそうな雰囲気が漂っていました。
なんと屋敷には、何十年も前にだまされてゴーストにされてしまった3匹の子犬が住み着いていたのです。
やがてキュートなゴーストパピーたちと仲良くなった少年は、3匹を元の子犬の姿に戻そうと奮闘します。しかし、素人のゴーストハンター2人組が屋敷におしかけてきて、少年たちは大混乱に……。
犬種の異なる3匹の犬たちと、ゴーストのアニメーションがなんともかわいいカナダのドラマです。ファンタジー要素だけでなく、謎解きのミステリー要素もあり、小さなお子さんと一緒に楽しめる作品になっています。
3:映画『犬と私の10の約束』
北海道の函館で暮らす14歳の少女・あかり(田中麗奈)の家の庭に、子犬が迷い込んできます。その子犬は、片方の前足だけがまるで靴下を履いたように白いゴールデン・レトリーバーだったので、「ソックス」と名付けられ、家族として飼うことに。あかりは母から、犬と「10の約束」を教えられるのでした。
しかし、母はやがて病に倒れ天国へ旅立ちます。その後、有望な医師だった父(豊川悦司)は開業医となり、父と娘、そしてソックスは仲良く暮らしていきます。
大人になったあかりは、大学の獣医学部に進学。ある日、ギタリストの夢を叶え海外留学から帰国した幼なじみの進(加瀬亮)と再会するのですが……。
この作品は、作者不明ながら世界中の愛犬家から支持されている短編詩『犬の10戒』を原作として生まれた映画です。
母の死を乗り越え、命の大切さをあらためて知った主人公が守る『10の約束』は、観る人の心に深く響きます。若い頃のトヨエツの父親役もカッコいい!
4:映画『DOG DAYS 君といつまでも』
犬嫌いのミンサン(ユ・ヘジン)は、動物病院「DOG DAYS」の院長ジニョン(キム・ソヒョン)と口論になり、病院に来ていた有名建築家ミンソ(ユン・ヨジョン)からたしなめられます。
仕事でリゾート開発に関わるミンサンは、ミンソを紹介してもらうため、犬好きアピールをしようと、ジニョンが助けた保護犬のチワワ「車長さん」を一晩預かりますが、意外にも愛着がわいてくるのでした。
一方、ミンソは散歩中に倒れ、愛犬のフレンチブルドッグ「ワンダ」を見失ってしまいます。偶然その場に居合わせた配達員のジヌ(タン・ジュンサン)は、ワンダ探しを手伝うことに。
その頃、作曲家ソニョン(チョン・ソンファ)とジョンア(キム・ユンジン)夫妻の養子となった少女は迷い犬と出会って……。
現在、日本でも公開中の韓国映画『DOG DAYS 君といつまでも』(2024年)は、犬を通して出会うさまざまな人たちの心温まるヒューマンストーリーです。アカデミー女優ユン・ヨジョン、映画『破墓』でも注目されたユ・ヘジンなど、演技派キャストが集結した感動作として注目を集めています。
5:映画『ひまわりと子犬の7日間』
その犬は老夫婦のもとで大切に育てられ、すくすくと成長していきました。しかし、おばあさんが亡くなり、おじいさんも老人ホームに入所することに。去り行くおじいさんが乗る車を必死で追いかけた犬は、その後、野良犬になってしまいます。
やがてある保健所に、生まれて間もない子犬と母犬が送られてきます。そこでは、1匹でも殺処分を防ごうと里親探しに奔走する職員の神崎彰司(堺雅人)や、時折犬の健康状態を診察しに訪れる獣医師の五十嵐美久(中谷美紀)が働いていました。
実はその母犬は、かつて老夫婦に大切に育てられた犬でした。子犬を必死で守ろうと威嚇する姿に、野犬だから危ないというレッテルが貼られてしまいます。
殺処分までに残された時間は7日間。神崎は母犬に「ひまわり」と名付け、少しずつ心を開かせながら、里親を懸命に探していくのですが……。
現在、保護活動に取り組む個人や団体が増え、動物愛護への理解が広まりつつありますが、それでもなお殺処分される犬たちがいるのが現実です。そんな厳しい現場で働く職員の目線で描かれた今作は、動物保護について考えるきっかけになる作品です。
6:映画『星守る犬』
北海道の山中で、放置された車の中から、死後半年が経過した身元不明の男性の白骨死体と、犬の死骸が発見されます。市役所福祉課に勤める奥津京介(玉山鉄二)は、幼い頃に犬を飼っていたことがあり、この男性と犬の関係に興味を抱くようになります。
現場に残っていたレシートなど、わずかな手がかりを頼りに、その男性の足跡をたどる奥津。やがて、思わぬことから同郷の家出娘・有希(川島海荷)と行動をともにすることになり、男性と犬の深い思い出に触れていくのですが……。
家族と仕事を失い孤独に生きた男性“おとうさん”を、西田敏行さんが熱演。その心のよりどころとなった犬との強い絆に思わず胸がじーんとなります。一方で、おとうさんが亡くなり人のいる場所へと向かった犬が、追い払おうとする人に傷つけられる場面もあり、醜い人間にゾッとする場面も。弱き存在を大切にできる人でありたいと改めて考えさせられる作品です。
7:映画『ジューン&コピ』
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路地で遊ぶ子どもたちにいじめられ、追われている野良犬を見つけたアヤ(アーチャ・セプトリアサ)は、とっさに犬をかばい、子どもたちから守ります。その場をすぐ離れようとするアヤでしたが、犬は彼女のあとをついてきます。
その様子を見て、アヤは犬を連れて帰ることにします。しかし、すでに「コピ」という名前の犬を飼っているため、連れてきた犬を見て夫は難色を示します。それでもアヤはその犬に「ジューン」と名付け、ペットショップで飼い主を探してもらおうと預けるのですが……。
家族と犬との絆を描いたインドネシア映画。とくに野良犬に対して悪い印象を持つのは、世界共通なのだと感じさせられる作品です。もちろん野良だったり、吠えたりするからといって凶暴な犬というわけではなく(なかには狂犬病ほかウイルスを持つ野良犬もいるので一概には言えませんが)、「野良だから」といった理由だけで凶暴と決めつけるのは間違いだと考えさせられます。
今作のように、温かい家族のもとで犬が幸せに暮らせる社会であってほしいと思わずにはいられません。
8:ドラマ「わんわんアカデミー」
誰にも知られてはいけない秘密のアカデミーは、いい犬になるための勉強を特別に選ばれた犬たちが学ぶところ。勧誘された新入生たちが加わり、やんちゃで好奇心いっぱいの子犬たちが、人と仲良くなれるように一生懸命がんばっています。
10歳の少年モーガン(クリスチャン・コンヴェリー)は、おじいちゃんから突然、「さだめなんだ」と言われ、秘密のアカデミーへ行くよう指示され、特別なタグを渡されます。そのおじいちゃんは、なんとトイレの便器の中に魔法で入ってしまい……。
シリーズ1、2ともに人気なのもわかるくらい、出てくる子犬がみんなキュートで、モーガンもチャーミングです。ときに「ワハハ」と笑いながら、家族みんなで楽しく観られるハッピー&ファンタジーなアメリカのドラマです。
9:映画『僕のワンダフルジャーニー』
転生を繰り返して、最愛の飼い主との再会を果たした犬のベイリーを描いた前作『僕のワンダフル・ライフ』の続編。ベイリーは、飼い主夫婦らとともに農場で幸せな犬生を送っていました。
ある時、飼い主の幼い孫娘が、母親に連れられて農場を出て行ってしまいます。悲しむ飼い主夫婦の姿を見たベイリーは、次に生まれ変わったら、孫娘を見つけだしてずっと守り抜こうと決意。彼女の人生に寄り添うため、再び生まれ変わって……。
ベイリーがたどる、さらなる生まれ変わりの旅路を描き、忠誠心のあつい犬の習性をよく表している今作。人間よりも寿命の短い犬を見送る寂しさ、そして生まれ変わってもそばにいてくれる犬の深い愛。心が温まる感動作です。
10:映画『ハチ公物語』
昭和初期。雪深い秋田の田舎町で生まれた子犬は、東京の大学教授・上野秀次郎(仲代達矢)の家に贈られ、「ハチ」と名付けられます。ハチは愛情深く育てられ、朝晩、渋谷駅で秀次郎を送り迎えすることが日課となっていました。
そんなある日、秀次郎は病気で帰らぬ人となってしまいます。しかし、雨の日も風の日もどんなときだって、渋谷駅で秀次郎の帰りをハチは待っていて……。
日本人なら誰もが知っている、実話を元にした忠犬ハチ公の物語です。実際に渋谷駅前のシンボルとなっているハチ公像も有名ですよね。また、2009年にはリチャード・ギア主演でハリウッドでもリメイクされました。
それほど飼い主に忠義を尽くしたハチの心が、世界中の人たちの胸を打ちます。動物をテーマにした作品はたくさんありますが、犬と人間の物語のなかでも、日本の犬の物語といえば、ハチは外せない作品です。
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人間と同じように言葉を話すことはできないけれど、愛くるしい表情や凛々しい姿、ときにはだらしない様子ややんちゃな姿で、私たちに笑顔と元気と癒やしを与えてくれるワンちゃん。その存在はペットではなく、家族の一員なのです。
そんな犬をテーマに、さまざまな切り口で展開する国内外の作品を、この機会にぜひご覧になってみてください。犬好きな人はもっと好きになり、そうでもない人も何かを得られるはずですし、純粋に楽しく感動する作品に巡り会えますよ!
(mimot.(ミモット)/かわむら あみり)